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保護者のための新時代キャリアガイド「子どもの可能性を広げる親の関わり方」【第5回】~支援者としての保護者の役割~
1. ミライゴトからのメッセージ
「なぜ、いま保護者の皆様へメッセージを送るのか」
私たちの想い
一般社団法人ミライゴトは、「一人ひとりの可能性を広げ、未来を共に創造する」をミッションに掲げ、若者たちのキャリア支援に取り組んでいます。
私たちミライゴト設立メンバーは全員経営者であり、長年にわたって学生のアントレプレナーシップ教育や地域活性化に携わってきた市民でもあります。また、家庭ではパパやママとして子育てに奮闘する者、現役サッカー選手として活躍する者など、それぞれが多様な顔を持っています。
そんな私たちだからこそ見えてくるものがあります。 今の画一的な就職活動では、若者たちの無限の可能性が十分に活かされていないのではないか。 もっと一人ひとりの個性や強みを活かせる選択肢があるのではないか。
この想いから、「一人ひとりの可能性を広げ、未来を共に創造する」というミッションを掲げ、従来の画一的な就職支援から一歩踏み出し、個性を活かしたキャリア創造支援に取り組んでいます。
経営者として、地域の教育者として、そして何より一人の大人として、 若者やアスリートの皆さんの可能性を広げるお手伝いをさせていただきたい。
それが私たちの願いです。
なぜ、いま保護者の皆様へメッセージを送るのか
日々の学生との地域活動や就活支援やキャリア相談を通じて、多くの若者たちの声を聞いてきました。その中で見えてきた大きな課題があります。
それは、「保護者の方々の不安が、若者たちの可能性を狭めてしまっている」という現実です。
「大手企業でないと反対される」
「公務員以外は認めてもらえない」
「やりたいことよりも安定を求められる」
このような声を、私たちは数多く耳にしています。
もちろん、これは保護者の皆様の深い愛情から来るものだと理解しています。お子様の将来を案じる気持ちは、私たち自身も親として痛いほど分かります。
しかし、かつての「安定」の定義は、急速に変化する現代社会では必ずしも通用しないかもしれません。
そこで私たちは、これから5回にわたって、
変化する社会と働き方の実態
新しい時代の「安定」とは何か
親としてできること、すべきこと をお伝えしていきたいと思います。
このシリーズが、保護者の皆様とお子様との対話の一助となり、より良い未来への道しるべとなれば幸いです。
2. これまでの道のりを振り返って
私たちは、この連載を通じて多くの保護者の方々と対話を重ねてきました。
「子どもの将来が不安」 「どうやってサポートすればいいのか」 「この選択で本当に大丈夫なのか」
こうした声の一つ一つに、お子様を想う深い愛情を感じてきました。
第1回では「安定」の定義が変化している現代社会の姿を、第2回では中小企業・ベンチャー企業という新しい選択肢を、第3回では多様化するキャリアの形を、そして第4回では起業という可能性について、お伝えしてきました。
そして最終回となる今回は、これまでの内容を踏まえながら、私たち保護者に何ができるのか、具体的にお話ししていきたいと思います。
3. 子どもの自己決定を支えるということ
3-1. なぜ、対話が大切なのか
先日、ある保護者の方からこんな相談を受けました。
「子どもが『やりたいことがある』と言うのですが、その業界のことを全く知らないので、どう話を聞けばいいのか分かりません」
確かに、急速に変化する現代社会では、私たち保護者にとって未知の職業や働き方が次々と登場しています。だからこそ、まずは「聴く」ことから始めましょう。
重要なのは、すぐに判断や評価をするのではなく、子どもの話にじっくりと耳を傾けることです。
「なぜ、それに興味を持ったの?」
「どんなところに魅力を感じているの?」
「将来どんなことがしたいと思っているの?」
このような問いかけを通じて、お子様の考えや想いを理解していくのです。
3-2. 情報提供の新しい形
かつての就職活動では、求人票や企業案内パンフレットが主な情報源でした。しかし今は、情報過多とも言える状況です。
インターネット、SNS、就活サイト、企業説明会、インターンシップ...。情報があふれる中で、むしろ必要なのは、情報の「整理」と「見極め」です。
例えば、ある保護者の方は、お子様と一緒に情報を整理するノートを作っています。
「企業研究をする際、単に『いい会社』『悪い会社』という判断ではなく、『なぜそう感じたのか』『どんな価値観で判断したのか』を一緒に書き出していきます。これにより、子どもの考えも理解できるし、私自身の固定観念にも気づくことができました」
3-3. 決断を支えるということ
最も難しいのが、お子様の決断をどう支えるかということかもしれません。特に、自分たちの価値観とは異なる選択をしようとするとき、不安を感じるのは自然なことです。
しかし、ここで大切なのは、「決めるのは子ども自身」という原則です。
私たち保護者の役割は、その決断のプロセスを支えることにあります。
ある保護者は、こんな体験を語ってくれました。
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