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保護者のための新時代キャリアガイド「キャリア形成の新しいかたち」【第3回】~多様化するキャリアパス~


1. ミライゴトからのメッセージ

「なぜ、いま保護者の皆様へメッセージを送るのか」

私たちの想い

一般社団法人ミライゴトは、「一人ひとりの可能性を広げ、未来を共に創造する」をミッションに掲げ、若者たちのキャリア支援に取り組んでいます。

私たちミライゴト設立メンバーは全員経営者であり、長年にわたって学生のアントレプレナーシップ教育や地域活性化に携わってきた市民でもあります。また、家庭ではパパやママとして子育てに奮闘する者、現役サッカー選手として活躍する者など、それぞれが多様な顔を持っています。

そんな私たちだからこそ見えてくるものがあります。 今の画一的な就職活動では、若者たちの無限の可能性が十分に活かされていないのではないか。 もっと一人ひとりの個性や強みを活かせる選択肢があるのではないか。

この想いから、「一人ひとりの可能性を広げ、未来を共に創造する」というミッションを掲げ、従来の画一的な就職支援から一歩踏み出し、個性を活かしたキャリア創造支援に取り組んでいます。

経営者として、地域の教育者として、そして何より一人の大人として、 若者やアスリートの皆さんの可能性を広げるお手伝いをさせていただきたい。
それが私たちの願いです。

なぜ、いま保護者の皆様へメッセージを送るのか

日々の学生との地域活動や就活支援やキャリア相談を通じて、多くの若者たちの声を聞いてきました。その中で見えてきた大きな課題があります。

それは、「保護者の方々の不安が、若者たちの可能性を狭めてしまっている」という現実です。

  • 「大手企業でないと反対される」

  • 「公務員以外は認めてもらえない」

  • 「やりたいことよりも安定を求められる」

このような声を、私たちは数多く耳にしています。

もちろん、これは保護者の皆様の深い愛情から来るものだと理解しています。お子様の将来を案じる気持ちは、私たち自身も親として痛いほど分かります。

しかし、かつての「安定」の定義は、急速に変化する現代社会では必ずしも通用しないかもしれません。

そこで私たちは、これから5回にわたって、

  • 変化する社会と働き方の実態

  • 新しい時代の「安定」とは何か

  • 親としてできること、すべきこと をお伝えしていきたいと思います。

このシリーズが、保護者の皆様とお子様との対話の一助となり、より良い未来への道しるべとなれば幸いです。

そして第3回となる今回は、多様化するキャリアパスについてお伝えします。

「一つの会社で働き続けること」が当たり前だった時代から、今、働き方は大きく変化しています。副業、起業、フリーランス...。お子様から聞いたことのある、こうした新しい働き方について、具体例を交えながらご説明していきます。

1. はじめに

「うちの子が『副業をしたい』と言い出して...」
「フリーランスって、本当に食べていけるの?」
「リモートワークって、ちゃんと仕事になるの?」

私たちミライゴトは、保護者の方々からこのような不安の声をよく耳にします。

第1回では「新しい時代の安定とは何か」、第2回では「中小企業・ベンチャー企業の可能性」についてお伝えしてきました。第3回となる今回は、急速に多様化する「働き方」と「キャリアの形」について、できるだけ分かりやすくご説明していきます。

2. 変化する「キャリア」の定義

かつての日本では、「キャリア」といえば、「一つの会社で定年まで勤め上げること」が一般的でした。入社後は、徐々に昇進し、管理職になっていく―――。多くの保護者の方々が、このような道筋をイメージされているのではないでしょうか。

しかし今、この常識が大きく変わりつつあります。

その背景には、人生100年時代の到来があります。医療の進歩により、私たちの寿命は着実に伸びています。お子様の世代は、90歳、100歳まで生きることが当たり前になるかもしれません。

そうなると、22歳で就職して60歳で定年を迎える、という従来の人生設計では不十分です。むしろ、生涯を通じて複数の仕事を経験し、その時々で必要なスキルを学び直していく―――。そんな柔軟なキャリアの形が求められているのです。

実際に、40代で新しい分野にチャレンジしたり、50代で起業したりする方も増えています。「人生100年時代のキャリア」は、一本道ではなく、様々な可能性を含んだ多彩な道のりなのです。

3. 多様化する働き方の具体例

3-1. 副業・複業の一般化


「副業」という言葉に、まだ抵抗を感じる方も多いかもしれません。しかし今、政府も推進し、大手企業でも認める動きが広がっています。

ある大手メーカーに勤める28歳のAさんは、本業の傍ら、週末にプログラミング講師として活動しています。

「最初は両親も心配していました。でも、副業での経験が本業にも活きていて、会社からも評価されています。何より、二つの仕事を持つことで、視野が広がりました」(Aさん)

実は、副業には大きなメリットがあります:

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