
保護者のための新時代キャリアガイド「起業という選択肢」【第4回】~チャレンジを応援する社会システム~
1. ミライゴトからのメッセージ
「なぜ、いま保護者の皆様へメッセージを送るのか」
私たちの想い
一般社団法人ミライゴトは、「一人ひとりの可能性を広げ、未来を共に創造する」をミッションに掲げ、若者たちのキャリア支援に取り組んでいます。
私たちミライゴト設立メンバーは全員経営者であり、長年にわたって学生のアントレプレナーシップ教育や地域活性化に携わってきた市民でもあります。また、家庭ではパパやママとして子育てに奮闘する者、現役サッカー選手として活躍する者など、それぞれが多様な顔を持っています。
そんな私たちだからこそ見えてくるものがあります。 今の画一的な就職活動では、若者たちの無限の可能性が十分に活かされていないのではないか。 もっと一人ひとりの個性や強みを活かせる選択肢があるのではないか。
この想いから、「一人ひとりの可能性を広げ、未来を共に創造する」というミッションを掲げ、従来の画一的な就職支援から一歩踏み出し、個性を活かしたキャリア創造支援に取り組んでいます。
経営者として、地域の教育者として、そして何より一人の大人として、 若者やアスリートの皆さんの可能性を広げるお手伝いをさせていただきたい。
それが私たちの願いです。
なぜ、いま保護者の皆様へメッセージを送るのか
日々の学生との地域活動や就活支援やキャリア相談を通じて、多くの若者たちの声を聞いてきました。その中で見えてきた大きな課題があります。
それは、「保護者の方々の不安が、若者たちの可能性を狭めてしまっている」という現実です。
「大手企業でないと反対される」
「公務員以外は認めてもらえない」
「やりたいことよりも安定を求められる」
このような声を、私たちは数多く耳にしています。
もちろん、これは保護者の皆様の深い愛情から来るものだと理解しています。お子様の将来を案じる気持ちは、私たち自身も親として痛いほど分かります。
しかし、かつての「安定」の定義は、急速に変化する現代社会では必ずしも通用しないかもしれません。
そこで私たちは、これから5回にわたって、
変化する社会と働き方の実態
新しい時代の「安定」とは何か
親としてできること、すべきこと をお伝えしていきたいと思います。
このシリーズが、保護者の皆様とお子様との対話の一助となり、より良い未来への道しるべとなれば幸いです。
そして第4回となる今回は、起業という選択肢についてお伝えします。
「一つの会社で働き続けること」が当たり前だった時代から、今、働き方は大きく変化しています。副業、起業、フリーランス...。お子様から聞いたことのある、こうした新しい働き方について、具体例を交えながらご説明していきます。
2. 国を挙げての起業支援―――なぜ今、起業家が求められているのか
「起業」と聞くと、どんなイメージをお持ちでしょうか?
「リスクが大きそう」 「特別な人がするもの」 「失敗が怖い」
保護者の方々から、よくこのような声を耳にします。
しかし今、日本は国を挙げて若者の起業を応援する方向に大きく舵を切っています。なぜなのか、まずはその背景から見ていきましょう。
2-1. スタートアップ支援が国家戦略に
2022年、政府は「スタートアップ育成5か年計画」を発表しました。これは、若い起業家たちを育てることで、日本の未来を切り開こうという大きな計画です。
経済産業省のスタートアップ育成に関する取組の解説はこちら
https://www.meti.go.jp/policy/newbusiness/kaisetsushiryou_2024.pdf
「スタートアップ大国」という言葉を聞いたことはありますでしょうか?
これは、新しいビジネスに挑戦する若者たちを増やし、日本を再び世界の最先端に立つ国にしようという目標を表しています。
具体的には:
起業する人を現在の10倍に増やす
若手起業家への資金支援を大幅に拡大
失敗しても再チャレンジできる環境づくり
実は、この計画の裏には切実な社会課題があります。
人口減少による課題 2050年には、日本の人口は現在より約2,000万人減少すると予測されています。これは、今の大阪府と北海道を合わせた人口が消えてしまうほどの減少です。
このとき、既存の会社だけで日本の経済を支えることは難しくなります。新しい産業や仕事を生み出す「起業家」の存在が、これまで以上に重要になってくるのです。
世界の変化への対応 また、テクノロジーの進化により、世界は急速に変化しています。例えば、スマートフォンが私たちの生活を大きく変えたように、新しい技術やアイデアが社会を変革していく時代です。
この変化に対応するには、若い世代の柔軟な発想と行動力が必要不可欠です。だからこそ、国は若者の起業を積極的に支援しているのです。
2-2. 教育現場での変化
2022年度から始まった新学習指導要領では、「起業家精神の育成」が一つの柱として位置づけられていますが、実際の取り組みはまだ始まったばかりです。
しかし、先進的な取り組みを行っている学校や地域の例があります:
公立学校での取り組み例
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?