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【日経新聞をより深く】米中間選挙、バイデン・トランプ氏が激戦州で直接対決~もう一つの戦争~

1.米中間選挙、バイデン・トランプ氏が激戦州で直接対決

11月8日に迫る米中間選挙前の最後の週末となった5日、与野党が激しく競り合う東部ペンシルベニア州に民主党のバイデン大統領とオバマ元大統領、共和党のトランプ前大統領がそろって候補者の応援に入った。上院の多数派の行方を左右する最重点選挙区の結果は、バイデン政権の政策の実行力に直結する。

5日午後、ペンシルベニア州フィラデルフィア中心部にあるテンプル大に集った民主支持者は総立ちでバイデン、オバマ両氏を迎えた。根強い人気があるオバマ氏の名前が紹介されるとひときわ大きな歓声が上がり、会場の熱狂は最高潮に達した。

バイデン氏はオバマ氏に先立つ演説の冒頭、中間選挙について「我々の生涯で最も重要な選挙のひとつだ。その結果は何十年にもわたり米国を形作っていく。その力はあなたの手の中にある」と強調。「2年前、皆さんの力でドナルド・トランプを敗北した大統領にした」と語り、投票を呼びかけた。

フィラデルフィアは1776年に独立宣言が採択された「建国の地」とされる。バイデン氏は9月1日にも同地に赴き、2020年大統領選の結果を認めないトランプ氏らを糾弾。民主主義や正義といった建国の精神を揺るがしかねない存在だと印象づける狙いがあった。

5日の演説でも「民主主義は投票に委ねられている。米国に政治的暴力の居場所はない」と力説した。トランプ氏のスローガン「Make America Great Again(米国を再び偉大に)」の頭文字から「MAGA(マガ)」と呼んで同氏や信奉者を繰り返し批判した。

最後に登壇したオバマ氏は選挙戦の最終盤に相次ぎ激戦州に入っている。時折、連日の演説の影響とみられるしゃがれ声になりながら40分近くにわたって話した。

自らが大統領だった10年の中間選挙で下院の多数派を失い、14年の選挙では上下両院で共和に多数派を握られた経験に触れた。「重要な問題で進展がなく、場合によっては停止した」と振り返り、支持層に投票を促した。

一方、トランプ氏もペンシルベニア州ピッツバーグ郊外の小飛行場での野外集会に登場し、約2時間にわたってバイデン氏への批判を繰り返した。「数日前、バイデン氏の演説を見た。怒っていたね。『MAGAを止めなければならない!』とかなんとか」と対抗意識をむき出しにした。

トランプ氏はインフレをやり玉にあげてバイデン政権を批判し「社会主義的な支出を止めさせる」と明言した。次期大統領選への自身の再出馬をめぐっては「2024年に最も重要なことはホワイトハウスを取り戻すことだ。あなた方はすぐにそのことを耳にするだろう」と述べ、24年の大統領選への出馬を近く正式表明する意向を示唆した。

(出典:日経新聞2022年11月7日

米中間選挙がいよいよ大詰めです。今回の中間選挙ほど世界中から注目され、かつ重要視されている中間選挙は無いのではないでしょうか。

しかし、激戦州の選挙はもう一方で、莫大な費用が掛かる選挙にもなっています。それをウォールストリートジャーナルが報道しています。

2.巨額の選挙資金が動いている

激戦州では、巨額の資金が動いています。

この巨額資金の流れはもはや止めらないのが現状です。しかし、これは民主主義の選挙の行きつく先であり、本来の理想とはかけ離れてきている気がします。

ウクライナへの武器支援にも巨額の資金が動いています。それによって、富を得ている人間も間違いなく存在しています。そこからすると、戦争の延長は「儲かるビジネスモデルが長く続く」ことになっています。

そして、選挙においても、巨額の資金が動き、広告費が大量に使われ、それが収益源になっている人々が間違い無く存在します。政策だけではなく、相手方への誹謗中傷。果ては、2020年の大統領選挙や今年のブラジル大統領選挙のように「不正」が疑われる選挙も出てきています。そして、そこにも巨額の資金が動いています。

そもそも、民主主義とは「お金で票を買う」ことなのでしょうか。ウォールストリートジャーナルの記事にもある通り、人々は「広告」で派手に宣伝することを望んではいないのです。そして、候補者も巨額の資金が使い続けることを望んでいる訳でもないと思います。誰も望まないことが延々と展開されている。

これは、ウクライナにおける戦争と全く同じ構図ではないでしょうか。本来は誰も望まないことを、延々とやり続けている。そろそろ、私たちは気づくべきではないでしょうか。

民主主義、そして選挙は、自分たちの代表を選ぶものであり、派手な広告での人気取り競争ではないのだということに。

3.世界は変わるのか?

ただ、私は、世界も今後は変わっていくと思います。それも良い方向に。みんな、もう知っているからです。選挙に巨額の費用を使っている候補者が「自分たちの代表としてふさわしいかどうかを選ぶ基準ではない」ということを。

2020年の米大統領選挙、そして、今回の中間選挙は、対立と人気取り選挙の頂点に来ていると思います。そして、世界が注目する選挙ですから、その問題点も浮き彫りになると思います。

ヨーロッパではウクライナ戦争をきっかけにエネルギー危機、そしてそれに不満を持つ人々が対ロシア強硬姿勢のリーダーを倒していくでしょう。そして、米国でも、巨額の資金を投入することができる人間だけが勝ち残る選挙に、疑問を持つ人が間違いなく増えていくと思われます。

そうなると、民衆の側から新しいことが芽生え、既存勢力に対抗していく力になっていく日が力将来にやってくると思います。今の若い世代はもはやお金の力だけで動くわけではないはずです。

世界の人口は今年1950年以来、初めて増加率が1%を切りました。アフリカ等一部地域の人口はまだまだ伸びていることを考えると、人口が減少している国も増えています。つまり、人口が増えることによる経済の成長は、地球全体で考えても難しくなってきているのです。豊かさはお金の量である時代はもう終焉することになります。

「お金」は価値と価値の交換手段であると考えると、豊かさの指標の一つではあるけれど、全てではないということをみんなが感じてくるのではないでしょうか。なぜなら、人口はもう増えない、無制限に経済を膨らませることはできないからです。

米中間選挙の巨額資金が動くことはすぐには止められないかもしれませんが、今回が一つの頂点であるという気がします。お金以外の豊かさを示すことができるリーダーが注目される時代が間違いなくやってくると思います。

未来創造パートナー 宮野宏樹
【日経新聞から学ぶ】

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宮野宏樹(Hiroki Miyano)@View the world
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