日銀、保有国債に含み損8749億円 異次元緩和下で初めて~日米欧、金利によって~
1.日銀、保有国債に含み損8749億円
日本は、日銀の異次元緩和が続き、超低金利です。しかし、欧米の利上げをきっかけに、指標となる10年物国債金利も上限の0.25%付近、時にそれを越えることもあり、日銀が保有する国債に含み損が生じました。
今の日本の一番の焦点は日銀が金融政策を変更するのかどうかではないでしょうか。
もしも、金融政策を変更し、金利の引上げを行ったならば、この日銀の含み損はさらに拡大するということになります。
来年の4月。新日銀総裁の就任時がポイントになりそうですが、金融政策の変更はあるのか、ないのか。ここは大きな焦点です。
2.米国は金利引上げペース減速予測も、失業率上昇か
米国ではFRBが金利の引上げペースを減速させるのではないかと、株価も上昇し、10年物国債金利が下落するなど、歓迎ムードです。
しかし、インフレがピークアウトしたという見方はあるものの、依然として高い水準にあることは間違いなく、2%にまで落ち着くには、まだ金利を引き上げる必要があるというのがFRBの姿勢でしょう。
そうなると、景気の悪化は避けられず、パウエル議長も「痛み」を伴うことを何度も口にしています。
米国は金利の引上げペースは減速するかもしれないが、まだまだ金利の引上げは続き、その結果失業率の上昇が起こりうる。場合によっては、かなりの景気後退を覚悟する必要があるかもしれません。
いずれにしても、米国の金利は引上げペースと共に、最終的な金利水準がどの程度かがポイントになりそうです。
3.欧州はまだまだ利上げ
ラガルド総裁の発言から、欧州はたとえピークを打ったとしても、まだまだ10%台が予想される高いインフレ率のため、金利は引き続き引上げでしょう。
問題は075%か、0.5%かです。ただし、0.5%だとしても、まだまだ最終的に金利水準は見えてこないということろでしょう。
EU圏のインフレ率は過去最高です。
しかし、EU圏では金利を引き上げれば当然、経済に痛みを伴います。特にヨーロッパはロシアからの安く、安定的にエネルギー源の確保ができていません。また、食糧も価格が上昇しています。
ウクライナ戦争だけが、すべての要因ではありませんが、戦争が終結し、かつロシアとの関係が良好にならなければ、エネルギーが価格が高いことには変わりありません。
また、ストライキや反戦運動など、難問山積です。
EU圏は金利はまだまだ引上げ、そして、それに伴う景気悪化が深刻になることは間違いないでしょう。
EU圏も金利から目が離せません。
未来創造パートナー 宮野宏樹
【日経新聞から学ぶ】