私たちが向かっている経済と金融、そして社会② 追加あり
割引あり
【インフレの計測方法の違いが混乱を生み出している】
潜在成長力という指標があります。潜在成長力とは、中長期的に持続可能な経済成長率を言います。生産活動に必要な全要素を使った場合、供給能力をどれだけ増大させられるかを示します。国内総生産(GDP)伸び率が個人消費や企業の設備投資など需要サイドから見た増加率であるのに対し、潜在成長率は設備などの資本、労働力、生産性の供給サイドの3要素から算定されます。GDPと異なり、短期的な景気循環は直接反映されません。
例えば、ホテルの部屋は満室以上に貸すことはできません。商品の生産なら、生産ラインの能力以上の生産はできません。生産量100%の瞬間が国の経済では需給ギャップがゼロの実質経済の成長限界、すなわち潜在成長力です。
(需給ギャップ=潜在成長率-実際の経済成長:名目経済成長率がマネーの増加による需要増から潜在成長率を上回るとインフレになります)
労働力になる人口と国内への投資が減っている日本では、これが年間0.5%増あたりであって、G7で最も低くなっています。
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