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英語「を」学ぶと英語「で」学ぶ

英語「を」学ぶ人はとても多いと思います。

しかし、英語「で」学ぶことがとても大切だと思います。この「を」と「で」の違いは大きい。

私自身は様々な国のネット新聞を読むようにしています。すると日本語の壁を大きく感じます。

様々な国のネット新聞は現地語と英語で読めます。残念ながら現地語で読む能力は持ち合わせていません。しかし、ありがたいことに、英語では同じ内容を出してくれています。

例えば、ウクライナーロシアの戦争でも西側メディアだけでなく、ロシアのメディアも英語ならたくさんの情報を得ることができます。

ロシアのワグネルは日本を含む西側のメディアだけを読んでいると、「悪の権化」のような印象を受けてしまいます。

しかし、これは「確かにそうだな」と思ったのですが、民間軍事請負会社の始まりは米国です。

It was the US government that created the blueprint for modern day defense contracting when a certain Erik Prince – a son of the car vanity mirror inventor, Edgar Prince, one of the Republican Party’s top donors at the time and a pal of former US defense secretary (and later vice president) Dick Cheney – created Blackwater, which went on to obtain lucrative no-bid security contracts for the US government in Iraq and Afghanistan during Washington’s global war on terrorism. The company started to resemble a retirement home for officials and executives from the CIA and the Pentagon, who conveniently slid over to Blackwater to enjoy a lucrative payday. And despite the company developing a cowboy reputation from incidents like when Blackwater personnel opened fire and killed 14 civilians in Iraq’s Nisour Square in 2007, the US private security model has thrived under subsequent US administrations.

現代の防衛請負の青写真を作ったのはアメリカ政府である。エリック・プリンスという人物--車のルームミラーを発明したエドガー・プリンスの息子で、当時共和党の最高献金者の一人で、元国防長官(後に副大統領)ディック・チェイニーの友人--がブラックウォーターを設立し、ワシントンの対テロ世界戦争中にイラクとアフガニスタンのアメリカ政府のために有利な無入札警備契約を獲得するようになったのである。同社は、CIAや国防総省の高官や幹部のための老人ホームのような存在となり、彼らはブラックウォーターに転職して、高額の報酬を手にすることができるようになったのだ。2007年にイラクのニスール広場でブラックウォーター社の社員が発砲し、14人の市民を殺害した事件で、同社はカウボーイ的な評判を得たが、その後の米政権下で米国の民間警備モデルは繁栄している。

(下記記事参照)

この民間軍事請負会社は、西側の方が多数存在しており、問題も多い。そして、ウクライナで傭兵として戦っていました。しかし、西側の民間軍事請負会社の存在は、ほとんど日本語では報道されません。

今のイスラエルーハマスの戦争にしても、日本語のメディアだけでは、狭い視点でしか見ることができなくなります。それは当然といえば当然で、片側の意見が主な意見となってしまうのでどうしても偏ってしまいます。東の端っこ、極東に位置する日本なので、やはり西側の一員なのです。それも、米国の民主党寄りのメディアの一員なのです。

しかし、そもそも、米国のメディアであっても、右と左とで全く違いことを報道しています。下記の図はLは左寄りの報道機関、Rは右寄りの機関という意味です。

(出典:AllSides

同じ米国のメディアでも、例えばCNNとFOXNEWSでは違うことを報道しています。しかし、日本語で読むことができる情報はCNNからのものがかなり多いです。つまり、偏っています。

これらを知らなければ、日本語で目にする、耳にする報道が「世界の全て」となってしまいます。

ましてや、世界の多様性には全く対応できないといわざるを得ません。台頭してきているBRICSは人口では大きくG7を上回ります。

G7の人口が7億7520万人に対し、BRICSは32億4810億人、さらに2024年からアルゼンチン、イラン、エジプト、エチオピア、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)の4億1500万人の人口が加わります。つまり、人口では圧倒的にBRICS側が多く、また、拡大しています。

さらに西アフリカでは、西側諸国を「追い出し」ロシアの影響が強くなっています。これらも日本の報道から見ると、「ロシアの仕業」というような印象を受ける報道が多いですが、africanews.comなどを読むと、必ずしもそうではなく、フランスから搾取されてきたことへの怒りに満ちた内容、あるいは「ロシアは初めて自分たちを人間として扱ってくれた」という感謝の意を表明している内容も多いです。

世界は経済だけで動いているわけではなく、「人」の想いやそこからくる行動が大きく関係しています。

今回、米大統領のバイデン氏と中国国家主席の習氏が会談しました。

その中で、海外の報道では出ているが、日本語ではほぼ出てきていない問題があります。それは「フェンタニル問題」です。フェンタニルは即効性のある鎮痛剤を目的とした合成オピオイドで、最大モルヒネの100倍、又はヘロインの50倍の強さがあります。

2022年12月12日のワシントンポストは、米国では2000年代初頭からの約20年間で、フェンタニルを含むオピオイドによって累計75万人近くの命が奪われたと報じています。

このフェンタニルが中国からも輸入されており、それが違法に並行輸入でも大量に入ってきているのです。バイデン大統領から習首席との間で、中国からの輸出を制限することに同意したとの報道が出ています。
しかし、日本ではこの問題はほぼ報道されていません。これは、今回だけではなくトランプ前大統領の時もありました。これを私はものすごく記憶しています。

2019年8月2日の報道でフィナンシャルタイムズはトランプ大統領が中国に対し、第四弾の関税をかけると発表したことを報じました。その時、主な理由は①農産物を約束通り購入しなかったこと、②フェンタニルの対米輸出の停止が実現されなかったこと、でした。

フィナンシャルタイムズを読んだ後に、日経新聞を読みました。すると、このフェンタニルの問題が第四弾の関税の主な原因であることは、まったく書かれていないのです。印象としては、「強引なトランプが無茶な政策をまたやっている」というものでした。

2019年当時の報道で年間3万人がフェンタニルが原因で死亡していると報じられていました。しかし、トランプ大統領の約束通りフェンタニルの輸出を制限しなかったのが中国に対して関税をかける主な原因の一つであるとは全く報道とリンクしていませんでした。単独では問題として報じられてはいましたが、それが貿易摩擦問題とは報じられていなかったのです。

「年間3万人もの死者を出すフェンタニルの輸出停止を約束したのに守らなかったから、これ以上米国人の死者を出すことを止めるためにも関税を上げる」というのと、「農産物を約束通り購入しなかったから関税を上げる」というのとでは、まったく印象が違います。

こうして、トランプ大統領の「強引」なイメージが操作されているということを強く感じました。

その時、おかしいな?と思った私は、読売、朝日、毎日の各紙をすべて確認しましたが、どこも全く報じていませんでした。しかし、英語メディアでは報じられていました。

今、日本でもマスコミに対する見方は昔と違って大きく変わってきてはいると思います。しかし、世界が多極化してきて、米国一辺倒ではなくなっている今、私たちの視点も多極化しなければ、何も見えないと感じます。
今や英語は「世界の言語」であることをつくづくと感じます。それは、前述のとおり、各国が現地語で書くと同時に「英語」でも報道しているからです。

アラブ圏のネット新聞は「英語」で米国に対する批判的な記事を出します。ロシアも、アフリカも。台湾メディアも英語メディアがあります。インドももちろん英語です。

世界の人々は英語で情報を発信しています。私たち日本人も日本語の壁を打ち破って、英語での報道を、世界の声を聴くことが、知ることがますます重要になると感じます。

英語は「英国とそこに関係していた国の人々」が使う言葉ではなく、世界中が使う言葉になっています。

私はもともと英語「を」勉強したことは全くありませんでした。全く読むこともできませんでした。

しかし、偏りのある報道ではなく、世界を知りたい、世界の人々の動きを知りたいという想いから、一つの記事を読むのに、3時間も4時間もかかるところから始めました。もちろん、翻訳機能を使えば、日本語でなんとなくわかるとは思うのですが、やはり直接英語で読むのとでは違うと感じます。

話す、書く、聴く、ということも含めて英語「を」学ぶことではあると思います。しかし、英語「で」学ぶことは、「読む」ことだけでもできれば、かなりカバーできます。

今後、日本人も英語「を」学ぶことから、英語「で」学ぶ人が多くなることを切に願います。


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