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ブルキナファソ、フランス軍に撤退を命令~西アフリカではロシアが影響力を~【日経新聞をより深く】

1.ブルキナファソ、フランス軍に撤退を命令

Military junta says domestic forces will defend against Islamists amid claims of ties to Russia
ロシアとの関係が指摘される中、国内勢力がイスラム教徒から防衛すると軍事政権が発表

Burkina Faso’s transitional government has ordered French troops to withdraw from its territory, saying its own forces would defend the country against the Islamist jihadis it has battled for almost a decade.
ブルキナファソの暫定政府は、フランス軍に撤退を命じ、10年近く戦ってきたイスラム聖戦から国を守るのは自国の軍隊であると述べた。

Rimtalba Jean Emmanuel Ouedraogo, spokesperson for the ruling military junta, said on Monday that the French soldiers had a month to leave the west African country. Burkina Faso and France signed an agreement in 2018 that allowed the former colonial power to fight the Isis and al-Qaeda-linked terror groups that control vast swaths of the country.
与党軍事政権のリムタルバ・ジャン・エマニュエル・ウードラオゴ報道官は月曜日、フランス兵は西アフリカの国を去るのに1カ月間あると述べた。ブルキナファソとフランスは2018年に協定を結び、旧植民地国が同国の広大な地域を支配するISISとアルカイダに連なるテロ集団と戦うことを認めている。

Ouedraogo said the command for French troops to leave was not triggered by any particular event, but was the “normal order of things”. He added that Burkina Faso still wanted military equipment from France, which has about 400 troops stationed at a base in Kamboinsin, 30km from the capital Ouagadougou. “This is not the end of diplomatic relations between Burkina Faso and France,” he said.
ウドゥラゴは、フランス軍の退去命令は特定の出来事によって引き起こされたものではなく、「通常の秩序」であると述べた。また、ブルキナファソは、首都ワガドゥグから30キロ離れたカンボインシンの基地に約400人の軍隊を駐留させているフランスからの軍事装備をまだ欲しがっていると付け加えた。「これはブルキナファソとフランスの外交関係の終わりではない」と述べた。

(出典:フィナンシャルタイムズ2023年1月24日

ブルキナファソは西アフリカに位置する内陸国です。

(出典:グーグルマップ

60以上の部族で構成され、宗教は伝統的宗教(57%)、イスラム教(31%)、キリスト教(12%)を信仰しています。元はフランスの植民地の一つで、1960年にオートボルタ共和国として独立しました。1984年に現在の国名の「ブルキナファソ」に改称しています。

政府によって公式に認められている先住民族の言語は60語が確認されており、最も一般的な言語であるムーア語は、人口の半分以上から使用されています。

ブルキナファソは世界でも最も貧しい国の一つで、国連開発計画(UNDP)による人間開発指数(HDI)では、189カ国中182位(2020年度)と最下位近くに位置しています。天然資源が限られエイルブルキナファソでは、生産人口の80%以上が農業に従事していますが、気候変動の影響を受けやすい地域での農業中心の経済は、不利な状況に置かれています。主な農作物は綿、とうもろこし、タロイモなどで、中でも綿は貴重な外貨収入源となっています。

2.ブルキナファソは2022年だけで2回のクーデター

ブルキナファソは2022年だけで2回のクーデターが起きました。そして、その背景には旧宗主国フランスに代わってロシアの影響力が増しているといわれています。同じくフランスを旧宗主国とするマリではすでにフランス軍は撤退し、ロシアの民間軍事会社であるワグナーグループが活動しています。マリの暫定政権はワグネルグループに治安維持を依頼したとされています。

ブルキナファソは2015年からイスラム過激派が台頭し、これまでに数千人の民間人が殺害されたとされています。前政権で大統領だったダミバ氏も、中佐だった2022年1月に治安悪化を理由にクーデターで実験を奪取した経緯があります。2022年9月のクーデターではトラオレ大尉がイスラム過激派対策に失敗したとして前大統領のダミバ氏を追放しています。

トラオレ大統領は「テロとの戦いを支援する用意のある他のパートナー」と協力する意向を表明しており、フランスではなく、ロシアを協力者とすることを示唆していました。デモでは「ロシアとブルキナファソ協力万歳」「フランスは出て行け」などと叫ばれていました。

3.西アフリカではロシアの影響力が拡大

西アフリカは元はフランスの植民地であった国がほとんどです。しかし、治安が悪化しており、その治安悪化をフランス軍は抑えることができず不満が噴出。フランス軍は撤退することが増えています。

その代わりに治安維持にあたっているのが、ロシアの民間軍事会社「ワグナーグループ」です。ワグナーグループは、ウクライナでも前線に出て、戦況を改善しています。

国連総会でロシアがウクライナのドンバス地方で行った住民投票が避難されたとき、アフリカ諸国の多くは非難決議に棄権、または欠席を選択しました。それだけ親ロシアが広がっているということです。

私たち日本人は、ロシア悪という見方しかありませんが、ブルキナファソを始めとするアフリカ諸国にとっては、フランス悪、ロシア善ということです。もちろん、このような単純な図式ではないでしょうが、少なくとも、ロシアに悪感情は抱いていないのです。

ロシアは独自に世界での影響を広げています。一方的にロシアが悪と見ている、あるいは報道し続けている日本の在り方は見直されるべきではないでしょうか。

一方的な見方に非常に違和感を覚えます。フランス軍が撤退し、ロシアが治安維持に貢献しているという見方でもできるわけです。

世界最貧国の一つであるブルキナファソ、奪われ続けた歴史から発展の歴史へと進んでほしいと願います。

未来創造パートナー 宮野宏樹
【日経新聞から学ぶ】

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宮野宏樹(Hiroki Miyano)@View the world
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