子どもたちの発想から広がる「くにづくり」ワークショップ - 建築士として伝えたい学び
itaブロックを使ってくにづくりを小学生高学年向けに行いました!
今回の「くにづくり」ワークショップは、特に中学生の発案で始まったもので、子どもたちの創造力や企画力を活かす機会となりました。
子どもたちが自主的に国づくりを考え、実際に形にしていくプロセスを、私も一緒にサポートできて良かったとおもます。
建築士として、ただ建物を設計するだけでなく、国や街全体の計画、さらには自然環境や経済をどう組み込むかを考えることができました!
子どもたちの発案から始まるくにづくり
今回のワークショップは、実は中学生たちが「くにづくり」をしてみたいという発想からスタートしました。
彼らの自由な発想を元に、自然環境や資源、災害への備えなど、建築士としても重要なテーマを取り入れて一緒に進めていきます。
私が全て考えて提供するワークショップではなく、それぞれの子どもたちのアイデアを引き出しつつ、自主的に主体的になるように考えていきました。
最初は国土を作っていきます。自分の国はどんな広さで海や川があるのか?
ホワイトボードに描いていきながら、海や山、川といった自然のフィールドが国土にどうあるのか?を考えて自ら作っていきます。
まずは自然環境を理解し、そこにどのように人の暮らしを築くかを考えることが大切です。子どもたちの発想を活かしながら、現実の課題にも対応できる力を養ってほしいと思います。
災害を想定した設計 – シミュレーションから学ぶ
国が完成した後には、災害への対応をシミュレーションしました。
シュミレーションカードに自分たちで様々なシュミレーションを書いていきます。
カードには、地震や台風、津波といった突発的な自然災害が記されており、それにどう対応するかが試されました。
建築士として、自然災害に耐えうる建物を設計するためには、耐震設計や防波堤といった防災の知識が不可欠です。子どもたちは、防波堤を設けて津波から街を守ったり、耐震性のある建物を作ることで、大地震にも耐えうる国づくりを行いました。
常に突発的な災害を想定し、その上で安全な建物や都市計画を設計する必要があります。子どもたちには、その重要性を実感してもらうことができました。
資源の発見と活用 – 自然と共存する国づくり
ワークショップの中で、温泉や油田といった資源が途中で発見されるシナリオも取り入れました。これも子どもたちが発案し、「温泉が発見されたら宿を建てて観光業を発展させる」「油田が見つかれば国の経済を支える施設を作る」といったアイデアが生まれました。
建築士として、こうした資源を活用した街づくりや観光業の発展は重要なテーマです。資源をうまく活かし、街や国全体の発展にどのように寄与するかを考える力を、子どもたちにも養ってもらえたと思います。
建築はただの建物設計に留まらず、資源の発見や経済発展を見据えた計画が必要です。自然と共存し、資源を有効に活用する方法を考えることが大切です。
経済と資金計画 – 建築士に求められるマネジメント力
国を発展させるためには、資金の管理も欠かせません。
ワークショップでは、通貨を設定し、建物を建てるために資金をどうやって集め、どう管理するかを子どもたちと一緒に考えました。限られた資源を使って、どのタイミングで建物を建てるのか、どうやってお金を稼ぐのかを考える力も、建築士として重要なスキルです。
一級建築士として、実際のプロジェクトでも予算の管理は非常に重要な要素です。どんなに素晴らしい設計でも、予算内で実現できなければ計画は成り立ちません。今回のワークショップを通じて、子どもたちにもその現実的な側面を学んでもらえたと思います。
建物を設計するだけでなく、限られた資源と予算をどうマネジメントするかが、重要!
想像力と企画力を鍛える – 子どもたちの未来に向けて
このワークショップで特に印象的だったのは、子どもたちが自らの発想をもとに、どう国を守り、どう発展させていくかを考えたことです。
自然災害や資源の発見という予測できない出来事に対して、自分たちなりに対策を考え、国を維持しようとしました。
これは、建築士にとっても同じです。現実のプロジェクトにおいても、予期せぬ事態にどう対応するか、未来を見据えて計画を立てることが求められます。
今回のワークショップで、子どもたちはその想像力と企画力を存分に発揮してくれました。子どもたちにとって、この経験が大きな力になると信じています。
想像力や企画力は、建築士として必要なスキルです。未来を見据えて、どんな状況にも対応できる柔軟な発想を育てていければと、思います。
最後に
今回の「くにづくり」ワークショップを通じて、子どもたちは、自然環境との共存、災害への備え、資源の活用、そして経済的な計画といった多くのテーマに触れることができました。
中学生の発案による自主的な国づくりの企画から、実際に形にしていくまでの過程で、彼らは自分たちの発想力と実行力を育てることができたと感じます。
これからも、子どもたちの想像力や企画力を育てつつ、建築士としての視点を持ちながら社会に貢献できる力を一緒に磨いていきたいと思います。
■MIRAICRAFT
生きる力を引き出す子ども建築士教室 MIRAI CRAFT 主宰
■香川県高松市
■子ども建築士教室
創造あそび・模型コース
■ベネッセみらいキャンパス講師
■ミライクラフト一級建築士事務所