安定した収入を得るには
フリーランスとして独立するとき、まず心配だったのはお金のことでした。
受託開発は毎月入ってくるお金が不安定になりがちです。自由を求めて独立した以上、お金の面ではある程度の覚悟をしなければなりません。しかし私は不安定な生活が嫌だったので、自由でありながらお金の心配のない生活を目指すことにしました。とにかく、安定した収入を確保したかったのです。
今回は、私の経験を踏まえ、安定した収入を確保するノウハウをご紹介したいと思います。
誤解のないように補足しておくと、「つつましくも安定して収入を得る方法」であって「十分な収入を得てお金持ちになる方法」ではありませんので、その旨ご了承ください(笑)
1. 独立した頃のお金事情
なかば勢いで独立を決めたとき、私の貯金・運転資金はゼロ。前職を退職してもゆっくり余韻にひたる間もなく、お金を稼がないと後がない状態でした。
独立した6月時点で決まっている仕事は、声をかけてもらっている単発の案件が2つ3つあるだけで、その後の見通しは立っていませんでした。このまま夏以降の仕事が入らなければ、「年が越せないかもしれない…」とまで考える毎日がつづきました。
2. 受託開発の収入は毎月不安定
ホームページの制作やデザインの受託開発は、多くの場合納品後に支払いが発生するため、納品までは無収入で頑張らなければなりません。まずこれが精神衛生上よろしくない。良いものをつくろうとしているときにお金の不安を抱えていると、目の前の制作に集中できません。
幸い、当時のクライアントは、独立したてで資金面に余裕がない(今もですが)私をよくご存知でしたし、応援もしてくださっていたので、お支払いの形を相談しやすい状態にありました。独立後最初の依頼では、クライアントにお願いして、制作費を毎月定額の分割でいただけることになりました。これで、毎月少額ではありますが今月請求できる定収入を確保できました。
その後、半年かかるポータルサイトの案件が入ったときは、着手金と完了金の2回に分けて支払いをしてもらいました。ちょうどコロナが全国で猛威をふるい始め、この先仕事がなくなってしまうかも、という時期だったので、当面の運転資金があることでとても助かりました。
3. 安定した収入を確保するために
●分割払いを提案しよう
ホームページ制作やシステム開発の場合、制作費が数十万円〜と高額になります。それにともない制作期間が数ヶ月に及ぶことも珍しくありません。さらに、クライアントの都合やさまざまな要因が重なり、当初の予定通り制作が進行しないこともありえます。
その間無収入でいると精神衛生上良くありませんし、最悪自身の活動ができなくなってしまいます。制作に入る前に、クライアントとは支払いの方法についてよく打ち合わせておいた方が良いでしょう。その時もし可能なら、分割払いを提案してみてください。
私の場合、予算の大きくなる案件では着手金を頂くことが多いです。着手時に50%・納品時に残りの50%といった具合です。最初にまとまった資金があればお金の心配をすることなく安心して制作が進められますし、自身の能力を超える案件の場合は、ほかのクリエイターに外注を頼みやすくなります。
●定額のサービスを提供しよう
フリーランスの仕事では依頼の完了をもって請求ができるので、風邪を引いて寝込んだり、事故で入院したり、何らかの理由で仕事の手が止まってしまえば収入がなくなってしまいます。その上、依頼の量によって左右される受託制作だけやっていると、いよいよ毎月の収入の振れ幅は大きなものになるでしょう。
安定した収入を得るためには、極端な表現をすると、「何もしなくても毎月一定の額が入ってくる仕組みをつくる」のが重要です。
例えば、私は次のようなサービスをクライアントに提供しています。
現在は、上記のサービスのいずれかで数社と契約させていただいていますが、それだけで毎月最低限生活できるだけの収入を得ることができます。
コンサル系の契約では毎月何らかの依頼が発生し対応が必要になるので、本当に何もしないで収入を得ているわけではありませんが、受託制作の納品がない月でも心にゆとりを持って過ごすことができます。
当たり前ですが、継続した契約の場合、クライアントからは常に何らかの成果を求められます。つくりきりの受託制作よりも、その要求の量や感じるプレッシャーは大きなものになるかもしれません。毎月のことなので、マンネリ化するおそれもあります。末永くお付き合いいただくためにも、絶えずクライアントの要求に応え、満足していただく工夫が必要になるでしょう。
Webデザイナーとして独立を考えているあなたへ
今回は、フリーランスで仕事をしていく上で、どのように安定した収入を得ているかをご紹介させていただきました。
制作費の分割払いを提案し、お互いにリスクを負ってゴールに向かおう
定額のサービスを提案しよう
そのときの状況やクライアントによっては提案しにくい場面もあるので、無理をする必要はありません。先方とコミュニケーションを取りながら、自身が安心して仕事を継続できる方法を模索していくと良いと思います。
クライアントと今後もより良い関係を気づき、より良い制作物を提供するために、技術以外のノウハウも一緒に育てていきましょう。
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