ミライブ_柏崎刈羽原子力発電所視察交流会について聞いてみた!〜企画発案者・奥村さんインタビュー編〜
みなさん、こんにちは!
ミライブで記事作成を担当している、京都大学環境サークル「えこみっと」のコケ公・ないTです。今年1月に実施された「柏崎・刈羽原子力発電所視察交流会」について、企画発案者である新潟大学の奥村さん(SDGsみらい研究会)にインタビューしてきました!
ミライブが取り組む「(高レベル放射性廃棄物の)地層処分」という課題を、より多くの大学生に知ってもらうためにどんな活動をされたのか、奥村さんのお話を聞いてみましょう。
(聞き手=コケ公・ないT 京都大学環境サークル「えこみっと」
話し手=奥村泰至「SDGsみらい研究会」)
“楽しいコンテンツ”として打ち出すことで、無関心だった人にも興味を持ってもらいたい
コケ公:普段はどういった活動をされていますか?
奥村:新潟大学の学生を中心に活動している「SDGsみらい研究会(以下、みらいS研)」という学生団体に入っています。SDGsみらい研究会が開いているSlackコミュニティ「SDGsみらいネットワーク」では、学生・社会人を問わずSDGsに興味のある人が、自分たちの好きなようにプロジェクトを進め ています。ミライブは「みらいSネット」におけるプロジェクトの1つという扱いで“SDGs実践の場”という位置づけです 。
コケ公:柏崎刈羽原子力発電所視察交流会を企画した経緯について教えてください。
奥村:ミライブの活動のなかで「なにか自分にできることはないか」と考えたとき、「まずは地元・新潟でなにかできないか」と考えました。
新潟で地層処分に関係することと言えば、柏崎・刈羽原子力発電所が真っ先に思い浮かびました。で、それをミライブの大人たちに相談したという経緯です。
柏崎・刈羽原子力発電所視察交流会を「全国の大学生と交流して、原発及び地層処分に対する意見を交わす」”楽しいコンテンツ”として打ち出すことで、今まで地層処分について知らなかった人に興味をもってもらい、その人たちが自ら考えるようになれば、プロジェクトとして意義のあるものになるのではないかと思いました。
コケ公:この視察交流会は、どうやって大学生に告知・募集しましたか?
奥村:新潟大学の学生が学部の仲間内で使っているLINEグループに「柏崎・刈羽原子力発電所に見学に行けて他地域の学生と交流もできるよ!」という感じで告知しました。今回、応募定員30人に対して半数が新潟大学の学生で、残り半数はミライブのメンバーやその友人でした。“楽しいコンテンツ”として人づてに紹介されたからこそ、参加した人が多かったのだと思います。
コケ公:実際にどんな活動をしたのですか? 視察のスケジュールは?
奥村:実施日は2022年1月15-16日の2日間。1日目は柏崎・刈羽原子力発電所の視察を行いました。サービスホール展示館で、職員の方から原子力発電の仕組みなどについて説明を受け、その後、バスに乗って構内の視察をしました。
2日目は柏崎市民ホールに移動して、NUMO(原子力発電環境整備機構)さんから地層処分に関する説明を聞き、次に柏崎でNPO法人地球感を長年運営されている品田さんのお話を聞きました。
そして最後に学生同士でグループワークを行いました。テーマは「地層処分に反対する住民の気持ちになってみよう」「地層処分を推進する立場と慎重な立場を持つ方々の合意を得るためには」の2つです。
コケ公:参加した学生の反応はいかがでしたか?
奥村:正直、NUMOさんの話は難しくて固かったから勉強になったと同時に情報量が多くて疲れたんじゃないかなという感じです。
品田さんの話はかなりメッセージ性の強い話で、新潟で腰を据えて地層処分に関する活動をされている方だからこその苦労や思いが伝わってきました。なんというか、熱量のある話で、長い間ずっとこの問題に取り組んでいるからこそなんだなと思いました。
ないT:今回の視察を通して地層処分に対する意識の変化はありましたか?
奥村:質問に対して直接的な答えではないかもしれないけど、グループワークがめちゃくちゃ盛り上がったんですよ。参加者のレベルが高くて、しっかりした意見がたくさん出てきて驚きました。「地層処分に限らず社会問題を考えるうえで、学生が真剣に考えたらここまでできるんだな」って、そういう意味で自分自身の意識が変わったと思います。
自分の企画が実際に開催されるって、すごく貴重な体験だった
奥村:今回のように、全国の学生がリアルに対面で交流できる企画を立ち上げる機会ってなかなかないですよね。「イベント立ち上げるぞ!」と思い立っても実行するのはなかなか……実際に人にたくさん会って、資金調達を考えて、飲み屋でたくさん話して(笑)……くらいじゃないと企画の実行ってなかなかできないと思っていて。とくに首都圏と違って新潟のような地方では難しいと思います。
でもミライブでは「新潟で視察交流会をやりたい!」と提案したら、実際に開催までこぎつけるのだから、凄まじいなというか、本当に良いよなと思います。新潟の学生がこういう企画を実行できてしまうのは革命的なことだと思います。
ないT:今回の企画を提案するにあたって、学生に伝えたかった事、学んでほしいことはありましたか。
奥村:僕自身、人を教育できる立場ではないので(笑)、そういうものはないんですが、「地層処分関連の一段深い知識をつけてほしいな」という感じです。「この問題って色々な意見があるよね」「うまくいっていないところがあるよね」と、自分と同じ世代の人たちに広くこの問題を知ってほしかったです。
だからイベント自体の中立性の見せ方は大事でした。特に交流会では「推進派」「慎重派」それぞれ2つの立場でディスカッションしてもらったんですけど、全体として中立性が保たれているかというと……。そこは次回の課題だなと思いました。
僕自身は中立が必ずしもいいと考えているわけではなくて、賛否こもごも、たがいに打ち消しあってカオスになっている、そんな状況がいいなと思っています。この企画はそこにはこだわったし、こだわりたかったところでもあります。
大学生だからこそ言えることを。学生の今だからこそ、できることがある
ないT:この交流会で一番印象に残っていることは?
奥村:経済産業省資源エネルギー庁青田さんの話が個人的には刺さりました。「大人はそれぞれ立場があって、それぞれの役割を担っていて、その上で発言するから……」という。
立場や役割を担っている故にうまくいかないこともあるんだと思います。学生だからこそ、言えることがあるんじゃないかと。「仕方のないことだ」と言っているところを、「そうじゃないだろ」と言う感じです。大学生は基本的にノーリスク。今のうちにできることがあると思います。
ないT:最後にミライブの今後の活動について意気込みを聞かせてください!
奥村:率直に言って、続いてほしいですよね(笑)さっき言ったように新潟は場所も場所ですし、この年齢で経産省とつながるプロジェクトに参加できて、学生が主体的に動けるところはなかなかないと思うので、ミライブはとにかくそこがすごい。今後の意気込みとしては、色んな学生と関わっていきたいですね。地層処分問題の認知拡大のためにどんなことができるか、引き続き考えていきたいです。
感想とまとめ
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「ミライブ」ってなに?
私たちが参加している「ミライブ」は、原子力発電によって出た高レベル放射性廃棄物の地層処分問題について、より多くの人に知って、考えてもらえるように、全国各地の大学生と、専門家やクリエイターといった社会人が協働して活動していくプロジェクトです。
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