
成果を上げる仮説思考
■仮説思考とは?
やったことが無い作業や仕事が一発でうまくいくことは、ほぼありません。試してみて失敗して、修正して、また失敗して、修正してゴールに近づいていきます。大切なことは、失敗をはじめから予想しておくことと、どうすれば上手くいくかを考え抜くことです。つまり、仮説思考を持つということです。
仮説思考は、成果を上げる人が無意識で行っている思考法だと思います。上手くいく方法を考えて、実際に行って、改善する。このサイクルを回すことが仮説思考です。人は物事を正しく認知することできないですし、持っている知識にも限界があります。だから失敗するのは当たり前で、それを前提として仮説を持って行動することが重要です。
■仮説⇒実行⇒検証
仮説思考とは、仮説⇒実行⇒検証のサイクルを回していくことです。今回はこのサイクルについて説明をしてきたいと思います。
①仮説
まず、「仮説」とは仮の答えを持つことです。ロジックと直感を用い、出来る限り精度の高い仮説を立てることが大切です。良い仮説を立てることが、成果を上げる一番の近道といっても過言ではありません。良い仮説を立てるには、3つのポイントがあります。一つ目は、ゴールから逆算することです。ゴールを明確にイメージすることで仮説が立てやすくなります。ゴールの姿が曖昧だと、意味のある仮説を立てることは不可能です。できるだけ、具体的にゴールを描き、そしてそのゴールに到達するためのステップを検討することが、精度の高い仮説を立てるためには重要となります。
良い仮説を立てるための二つ目のポイントは、失敗を恐れないということです。マインドセットの話になってしますが、失敗を恐れると思考停止になりがちです。失敗することばかりを考えて、失敗したときの言い訳を考えてしまうことや、あるいは努力量でカバーしようとして、長時間はたらくことでカバーしようとします。このように、思考停止になると、良い仮説を立てることはできません。良い仮説を立てるためには、失敗しても大丈夫なように余裕をもって計画していくことが必要になります。そして余裕があれば、失敗を恐れずに思考停止にならないで良い仮説を立てることが可能になります。
良い仮説を立てるための3つの目のポイントは、仮説を立てた理由が説明できるということです。理由が説明できれば、失敗したときに検証と修正がしやすくなります。仮説を立てた理由とは、前提条件と言い換えても良いかもしれません。何を前提として、仮説を立てたかを明確にしておくということです。
②実行
仮説を立てた後は、仮説に沿って「実行」していくことが必要です。実行するときには、あれこれ考えずに、仮説に従って、淡々と迅速に実行していくことが必要です。迅速に実行することで、仮説に誤りがあれば、仮説を修正して、再度実行することも可能になります。しかし、グズグズしていると、実行した後に検証・修正する時間が無くなってしまうかもしれません。このように、仮説思考のサイクル全てに言える事ではありますが、素早く実行するということが大切です。
③検証
実行した後は、結果を検証します。結果が問題なく正しければ、仮説が正しかったということです。仮説思考のサイクルはその時点で完了です。他方、結果が正しくなかったときには、なぜ上手くいかなかったかを検証することが必要です。その際には、仮説を立てる前提に誤りがあったということになりますので、その前提を修正することが必要となります。その上で新たな仮説⇒実行⇒検証サイクルを回すことで、正しい結果へと近づいていけば良いということになります。
以上のように、成果を上げるためには、仮説思考を持つことが重要です。仮説思考とは、仮説⇒実行⇒検証のサイクルを回していくことです。一発で成功できるという幻想を捨てて、精度の高い仮説を立てて、素早く実行して、検証するというサイクルを高速で回すことが成果を上げるためには大切です。
(第70回 2022/7/30)