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2022年以降の働き方

■2022年のトレンド
 2021年が終わり、2022年が始まります。2022年以降がどのような時代になるかというトレンドを踏まえて、個人としてどのような働き方が求められるかについて、考えていきたいと思います。2022年以降のビジネス面のトレンドとして、ボストン・コンサルティング・グループが書いた「BCGが読む経営の論点 2022」という書籍を参考にしたいと思います。

 同書によると2022年は、大きく二つの流れがあるとしています。一つは、「ニューノーマル時代の到来」ということです。コロナ禍に見舞われ、人々の「行動様式・価値観が大きく変わり」ました。働き方としては、リモートワークを一部でも取り入れる会社が大半になっています。また、若い世代だけなく、高齢世代においても購買活動において対面での購買ではなく、ECを活用した購入が当たり前になってきています。更に、「デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速化」も「ニューノーマル時代の到来」の一つの要素となっています。コロナ禍によって、DXの推進が経営課題の中での重要性を高めているからです。

 2022年の二つ目のトレンドは、「経済活動の前提の地殻変動的揺らぎ」です。まず、世界各地で気候変動が目立ってきている中で「カーボンニュートラルへの対応」というものが求められています。そして、米ソ冷戦終結後、大きな紛争や戦争のリスクがなかった中で、安全保障面だけでなく経済面でも米中の対立が目立ってきており、「地政学的リスクが高まる時代の再到来」が顕著になってきています。更に、労働市場の二極化が広がってくるに従い、「中間層の地位の不安定化」が進むとしています。

 以上のように、「ニューノーマル時代の到来」、「経済活動の前提の地殻変動的揺らぎ」が新しい時代のトレンドだとすると個人としてどのように立ち向かっていけば良いのでしょうか?以降は、個人として押さえるべきは3つのポイントについて筆者の考えをお話していきたいと思います。

■2022年以降の働き方
①スキルの選択と構築 

 2022年のトレンドの中で、個人として働く人が一番気になるのが、「中間層の地位の不安定化」ということではないでしょうか?中間層の地位が脅かされる理由は、大きく二つあるようです。一つは、AIなどのデジタル化の進展によって、単純作業が機械に置き換わっていくということです。もう一つは、リモートワークの常態化によって、企業は場所に限定されずに広く人材にアクセスできます。結果として、働く側からするとスキルがある場合は良いですが、スキルが無い場合、仕事を得ることが難しくなっていくということです。これらの結果として、中間層の仕事が減っていき、その地位が不安定になっていきます。
 では、個人として何をすれば良いのかということです。それは、身につけるべきスキルが何かということを常に意識をして仕事をすることだと思います。つまり、一つの会社の中の評価や出世を目指すというよりは、今やっている仕事をすることによって、どのような経験とスキルが身につくのかという観点で仕事をすることが求められるということです。

②副業の推進
 更に、リモートワークが進むことによって、通勤時間などが削減されますので、その分、他の仕事をやる余地が生まれます。そして、仕事がリモートワークで提供されることによって、副業をやりやすくもなります。また、「中間層の地位の不安定化」ということを考えると、一つの会社の仕事だけを続けるというのは、個人としてリスクが高くなります。いつ会社における仕事がなくなるか分からないからです。ですから、リモートワークで生まれた空き時間を活用して、本業とは別の副業をしていくことは、「中間層の地位の不安定化」のリスクを低減するためにも必要な事だと思います。そして、副業をする時のポイントも単純にお金を稼ぐためだけではなく、その副業をやる事によって、自分にどのような経験とスキルが身につくのかという観点で副業を選ぶと良いと思います。つまり、本業と副業双方で、希少性が高いスキルを身につけていくことを意識すると、2022年以降の不安定な時代でチャンスを掴みやすくなるように思います。

③リモートワークにおける生産性向上
 そして、働く個人として、3つ目に抑えておくべきことは、リモートワークにおける生産性を高めるということです。アウトプットの質を高めることや、タスク管理を効率的に行うといったことで、リモートワークにおける生産性を高めることは非常に重要です。会社としては、人を囲い込みたい、チームワークを良くしたいということで、オフィス勤務を推奨する場面もあると思います。しかし、個人としては「中間層の地位の不安定化」というトレンドを踏まえておくことが重要です。いざという時のために、自分の力で切り開く力を養っておくことが大切です。このときに、リモートワークの生産性をあげておくことは、本業だけでなく、副業を行いながら、スキルを高めていくために極めて重要なポイントなると思います。

 以上が、2022年以降のトレンドを踏まえたうえで、個人としてどのような働き方を意識した方が良いのかということについて、お話をしました。2022年が素晴らしい一年となるように頑張っていきましょう!

(第40回 2021/12/28)

[参考文献]
ボストン コンサルティング グループ. (2021). BCGが読む経営の論点 2022. 日本経済新聞出版.

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