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情報を整理するための思考3選

■情報整理の大切さ
 仕事をする上で情報を整理するということは非常に大切です。情報が整理できないと、同じような話を何度もしてしまったり、やらなくてはいけない仕事を忘れてしまうというようなことが起こります。また、何人かの人とディスカッションするときに、結論を導き出すことができずに時間を無駄にしてしまうことになりかねません。ですから、情報を整理するということは非常に大切なのですが、やり方が分からず、上手く情報を整理できないということは実務においてよく起こります。
■情報が整理できない原因と対策
 今回は情報を整理できない原因として考えられる三つのケースとその対策をご紹介したいと思います。
①情報が空中戦になっている
 情報が整理できない一つ目の原因というのは、話が空中戦になっているということです。これはどういうことかと言うと、何人かの人でディスカッションをしているときに、それぞれの人が意見を出し合うのですが 、話が噛み合わず結論に至らないというケースです。話が空中戦になってしまう一番の原因というのは、文章化していないということです。人は、文章化せずに話をしてしまうとどうしても同じような話をしてしまったり、論理的に矛盾しているようなことも気がつかずに話をしてしまうということになりがちです。ですから、何人かの人で話をして必ず結論を出さなくてはいけないというような時には、文章化するということが必要になります。
 具体的にどのようにして文章化すればいいのかと言うと、オーソドックスな方法はホワイトボードに書くということです。ミーティングにおいて、ファシリテートする人が意見をまとめながらホワイトボードで書いていくことで、全員の認識を合わせることが可能になります。他にも複数の人のタスクを管理するような時には、タスク管理表を作成するということが有効です。チームの仕事というのは役割分担や期限というものが曖昧になってしまってタスクが進まないということになりがちです。ですからタスク管理表で、しっかりと文章化することによって役割分担や期限というものを管理することが可能になります。このように話が空中戦になってしまって情報が整理できないときには、ホワイトボードに書くことやタスク管理表によって文章化するということをお勧めします。
②整理の軸が複数ある
 情報の整理ができない二つ目の原因というのは、整理の軸が複数あるというものです。これはどういうことかと言うと、例えば仕事の優先順位を決めなくてはいけないとします。そしてこれらの仕事には、緊急度という軸と重要度という軸があったとします。緊急度が高い仕事というのは、お客さんからのクレーム対応とか、送られてきたメールへの対応などがあてはまります。他方、重要度が高い仕事というのは、 スキルを身につけるために勉強するとか、あるいは重要な人間関係を構築するというようなことが当てはまります。そして、それぞれの仕事の緊急度と重要度は高かったり低かったりします。 このように軸が複数あると情報の整理というのは格段に難しくなり、優先順位や意思決定をすることが出来なくなってしまいます。
 このような時に有効な対策というのは2軸で考えるということです。二軸思考というのは縦軸と横軸で異なる軸を設定し、マトリックスで物事を考えるということです。緊急度と重要度の例では下記のようなマトリックスを設定することができます。

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 このように二軸で整理すると、例えば緊急度も重要度も低いような仕事についてはなるべく行わないようにする、緊急度も重要度も高い仕事についてはすぐに取り掛かるというように方針を立てることが可能になります。緊急度と重要度のマトリックスだけではなくて、意思決定に際して複数の軸があるときには、あらゆるケースで適用することができます。軸が複数あって情報が整理できないという時には二軸思考を試すことをお勧めします。
③選択肢が複数ある
 情報を整理できない三つ目の原因というのは選択肢が複数あるということです。選択肢が複数あると、一つに絞り込むということが難しくなります。それぞれの選択肢においてメリットとデメリットがあるからです。一つの選択肢のメリットを取ると別の選択肢のメリットを諦めなくてはいけないというようなことが起こります。このように選択肢が複数あって絞り込めないというのも情報を整理できない原因の一つのとなります。
 選択肢が複数あってそれを絞り込めない時に有効な対策というのはプロコンで考えるということです。プロコンというのはそれぞれの選択肢のメリットとデメリットを整理することです。各々の案のメリット・デメリットを明確にすることで案の絞り込みができるようになります。例えば下記の表のように A製品と B 製品のメリットとデメリットを整理したとします。そうすると品質を重視する場合にはA製品を選択することになりますし、価格や納期を重視する場合には B 製品を選択するというように、選択肢を絞ることが可能になります。このように複数ある選択肢を一つに絞る時にはプロコンで考えると合理的に判断ができるようになります。

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 以上の三つが情報を整理できない三大原因とその対策となります。情報が整理できなくて困っている時には、原因がどこにあるのかというところを明確にして、それに応じて必要な対策を講じることで情報の整理ができるようになると思いますので、ぜひお試しください。
(第11回 2021/6/1)


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