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SWOTを個人ビジネスに
■SWOTとは?
個人のビジネスやコンテンツをブラッシュアップするときにSWOT分析を活用することができます。本来SWOT分析は会社の事業を分析するためのフレームワークです。しかし、個人のビジネスやコンテンツに応用することで、ブラッシュアップのための示唆やヒントを得ることができます。
SWOT分析を個人のビジネスやコンテンツに活かす方法については、事例を用いてお話した方が理解しやすいと思います。今回は、架空のビジネスパーソンが「プレゼンを教える講座」をつくっていて、それをブラッシュアップするためにSWOT分析をしたという設定でお話していきたいと思います。
■SWOTを洗い出す
まず、SWOT分析をする際にはStrength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat (脅威)の四つの観点で項目を洗い出します。項目を洗い出すときに注意が必要なのが強みと弱みは自分のこと、機会と脅威は外部環境について述べているということです。その点に考慮しながら、項目を洗い出していきましょう。
強み:
・仕事で頻繁に対顧客へのプレゼンを行っている
・社内でもプレゼンへの評価が高く仕事の依頼が多い
弱み:
・講座の講師の実績が少ない
・ゼロからイチへの集客が出来ない
機会:
・個人が講座を提供するためのプラットフォーム(webサービス)が存在する
・会社が副業を解禁し、副業がしやすくなっている
脅威:
・似たような講座が乱立している
・プラットフォーム自体が衰退していく
■施策を打ち出す
SWOTの各項目を洗い出した後は、施策を検討します。施策を検討するときには、4つの観点で施策を検討します。
①強みを活かして機会を奪取する
・高い評価を得ているプレゼンのスキルを活かして、ビジネスパーソン(個人)向けの単発講座を作成する。
・講座を提供するプラットフォーム(webサービス)を選択して、副業の一環として、実際に講座を提供する。
②弱みを克服して機会を奪取する
・講座を提供したことが無いという弱みを克服するために、人気のある講座をいくつか受けてみて、講座を作成するポイントを分析する。
・集客が出来ないという弱みを克服するために、集客をサポートしてくれるようなプラットフォームを選ぶ。
③強みを活かして脅威を避ける
・競合の講座と差別化するために、「コンペで勝つためのプレゼン」のようにコンセプトを絞り込む。
・ある程度実績を積み上げてからオウンドメディアでも講座を提供し、プラットフォームが衰退したときのリスクを小さくする。
④弱みを克服して脅威を避ける
・個人向けの講座で実績をためて、法人向けの講座を作り、競合との差別化やプラットフォームの衰退リスクに備える。
以上は非常に簡単なイメージですが、SWOT分析は会社だけでなくて、個人のビジネスにも応用できることがご理解いただけたと思います。実際には、SWOTの各項目は5~10項目くらいを出すと良いと思います。そして、SWOTの各項目をあらいだす際には、「強み」と「弱み」が自分のこと、「機会」と「脅威」が外部環境についてのことだという点に注意をしてください。また、SWOTで各項目を洗い出した後には、「①強みを活かして機会を奪取する」、「②弱みを克服して機会を奪取する」、「③強みを活かして脅威を避ける」、「④弱みを克服して脅威を避ける」という4つの観点で考えてみることで、頭が整理されて打ち手が見えてくると思います。最後に大切なポイントは、実際に紙やパソコンを使って書き出すということです。書き出すことで、情報を客観的に眺めてみることができるため、深く分析することが可能になります。
(第56回 2022/4/19)