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ストックビジネスの作り方

■ストックビジネスとフロービジネス
 世の中のビジネスは「ストックビジネス」と「フロービジネス」という2種類に大別される言われています。
 
・ストックビジネス
 継続的に売上が上がり続けるビジネス。仮に事業活動を止めても、収益が止まらない
・フロービジネス
 売り切りのビジネス。事業活動を止めると売上が止まる
 
 何十年も存続している会社というのは、多くの場合、ストックビジネスを主な収益源としています。また、小さな会社や個人でもフロービジネスだけ運営を続けるというのは、困難です。事業活動を止めると売上が止まる状態のままだと、何らかの理由で事業活動がとまってしまうと、売上がなくなり事業が倒れることになりかねません。また、事業活動をつづけながら、将来に向けた活動も出来ずしりすぼみになる可能性が高いです。今回は、「ストックビジネスの教科書」という書籍を参考にストックビジネスの分類や特徴についてお話したいと思います。
 
■ストックビジネスの分類
 ストックビジネスとはどのようなものがあるのかを知るために、ストックビジネスの4つの分類を見ていきたいと思います。
 
①貸す
 貸すタイプのビジネスというのは、ストックビジネスの王道とっていってもいいのかもしれません。代表的なものは、不動産です。土地や建物を保有している場合、ほぼ何もしなくても家賃が毎月支払われます。何もしなくても売上が上がるというストックビジネスの特徴を端的に表しています。また、携帯電話のキャリアやカーシェアなども貸すタイプのストックビジネスといえます。
 
②認める
 認めるタイプのストックビジネスもあります。認めるタイプのストックビジネスは、資格を付与するタイプものやフランチャイズの本部などがそれあたります。資格試験やライセンス付与する際や、資格維持のための維持料が売上となります。また、フランチャイズの本部も、ビジネスのやり方やブランドやシステムを使用する代わりに売上の一定金額のライセンス料が売上となります。
 
③改善する
 改善するストックビジネスとは、英語塾などのように、継続的に学習サービスを提供するようなスタイルです。英語塾は、一度入会すると、数年単位で通い続ける場合が多いです。また、カリキュラムや教え方などが設計されている場合、ストックビジネスの色合いが強くなります。
 
④消費する
 消費するタイプのストックビジネスとは、インクジェット式のプリンターのように本体を販売した後の定期的なインク販売などがそれにあたります。自動販売機のビジネスも消費するタイプのストックビジネスと定義することができます。自動販売機は、需要を予測して、飲み物を補充することで自動的に販売がなされ、ストックビジネスとしての特徴を兼ね備えています。
 
■ストックビジネスの特徴
 また、強いストックビジネスを作るためには、ストックビジネスとして、3つの特徴にあてはまっているかを吟味しつつ、ビジネスモデルを考えるとようようです。強いストックビジネスの特徴として、3つの特徴があります。
 
①収益性が高い
 まずは、収益性があることです。これは、これは全てのビジネスに言えることですが、しっかりと売上と利益が出るビジネスであることが必要です。
 
②継続性がある(変化に強い)
 ストックビジネスのストックビジネスたる所以として、継続性があるということが重要です。たとえ、営業活動をしなくても、毎月など一定間隔で売上があがることが求められます。更に、変化に強いということも継続性に含まれます。外部環境に大きな変化が起こっても、変わらずに収益をあげることができるのかも重要な観点です。
 
③売ることができるか
 3つ目の特徴は、そのビジネスを売ることが出来るのかということです。ビジネスを売ることができるためには、属人性を排除しなくてはなりません。誰がやってもビジネスがまわるように仕組を整えておく必要があるということです。
 
 以上のように、長く生き残っていくためには、フロービジネスを脱却し、ストックビジネスへと移行していくことが必要です。ストックビジネスとは、「貸す」、「認める」、「改善する」、「消費する」のどれかの分類に含まれています。これ以外の要素では、ストックビジネスを作り上げることは困難です。また、強いストックビジネスを作るためには、「収益性が高い」、「継続性がある」、「売ることができる」という3つの特徴があるかを吟味しつつ、ビジネスを作っていく必要があります。
 
(参考文献)
大竹啓祐.(2016).ストックビジネスの教科書[プロフェッショナル].ポプラ社
 
(第101回 2023/4/11)

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