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会議の種類とポイント

■会議の種類とは?
 一口に会議といってもさまざまな種類があります。種類によって、気を付けるべきポイントが変わってきます。会議の種類は、「目的」と「形式」から分類することが可能です。会議の「目的」は、3つに大別されます。3つの「目的」とは、「情報共有」と「アイデア出し」と「意思決定」です。そして、会議の「形式」も「相談型」、「ファシリテーション型」、「スピーチ型」の3つに分かれます。「相談型」とは、2-3名くらいで話をするイメージで、会議の形式をとらないこともあります。「ファシリテーション型」は、進行役であるファシリテーターが会議を進めていき、3-15名くらいが参加するイメージです。「スピーチ型」は、15名以上の大人数に対して、発表者が話をするイメージです。
 会議の種類は、下記の図のように会議の「目的」と「形式」のマトリクスで考えることができます。ただし、大人数が参加する「スピーチ型」は「アイデア出し」や「意思決定」の目的には適しません。ですから、「スピーチ型」では、⑦のように「情報共有」だけが目的となります。また、「相談型」の会議については、それほど厳密に会議の運営を行う必要はありません。少人数で行う会議ですので、ある程度、ラフに会議運営をしても問題にならない場合が多いです。他方、「ファシリテーション型」については、会議の参加人数が多くなります。多くの人が参加するということは、それだけで組織として多くの拘束時間が発生しているということになります。そのため、「ファシリテーション型」の会議については、会議設定から運営まで考慮すべき点があります。

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■目的と明確にする
 会議の設定については、目的を明確にすることが大切です。「情報共有」なのか、「アイデア出し」なのか、「意思決定」なのかを明確にすることが必要です。特に避けなければならないのは、「アイデア出し」と「意思決定」の会議を一緒に行ってしまうことです。アイデアを出す会議では、発言しやすい雰囲気を作って、色々な意見を出していくことが必要です。発言者の意見を否定しないですとか、アイデアを漏らさず記載していくなどの工夫が求められます。他方、「意思決定」の会議においては、議題を絞り込んで判断することが求められます。時には、出席者からの提案を否決することも必要です。このように「アイデア出し」と「意思決定」の会議では、目的が異なり会議運営のアプローチも変わってくるのです。
 このことを理解せずに、「アイデア出し」の会議において、「意思決定」の会議のような態度で上司が接するとどうなるでしょうか?参加メンバーは委縮してしまい、アイデアを自由に出すことが出来なくなってしまいます。ですから、会議の目的を良く見極めて、「アイデア出し」と「意思決定」の会議のスタイルを変えていく必要があるのです。

■ジョブスの3Sを意識する
 更に参考として、会議を設定するときのポイントについて、アップル社の創業者のスティーブ・ジョブスの3Sという考え方をご紹介したいと思います。
Small(少人数):
 「アイデア出し」や「意思決定」の会議においては、出席者はできるだけ少なくして、3~5人にすることが良いです。あまりにも多くの出席者がいる会議では、効率的に意思決定やアイデア出しを行うことできません。また、人数が多くなればなるほど、一人一人が発言しない時間も増えていきます。組織として、多くの人の時間を拘束したうえで、発言もしないということ自体が無駄といってよいでしょう。

Short(議題を短く):
 議題は、出来だけ絞り3項目以下にすると良いでしょう。会議の議題が多すぎると集中して議論することが難しくなります。そのため、議論が発散したり、求められている成果を得られないという結果になりかねません。また、本当に会議で確認すべき項目が何かということをしっかりと考えることも重要です。実は会議をして多くの人を拘束しなくても、自分で誰かに聞くことや、調べることでわかることもあります。ですから、3項目以下にまで議題を絞ることで、結果として、本当に会議において確認すべきことが何を突き詰めて考えるきっかけになります。

Short(短時間):
 議題を絞るということにも通じますが、ミーティング時間は30分以内にすることがお勧めです。長い時間のミーティングとなると、集中力も続きませんし、実のある会話ができないということになりがちです。時間当たりの効果を最大化するためにも、議題を絞り時間を短くして、最大限集中して、会議を行うことが良いと思います。

 以上、前半は会議のタイプについてお話をしました。会議は目的と形式でタイプ分けできます。会議の設定・運営において特に考慮すべきは、「ファシリテーション型」の会議です。「ファシリテーション型」の会議においては、目的を混同しないことが重要です。また、会議を設定する際には、ジョブスの3Sを参考にすると生産性を高めることが可能になると思います。

(第30回 2021/10/19)

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