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「伝える力」と「考える力」

 「伝える力」と「考える力」この二つを同時に鍛えられる方法があります。その方法とは「読書感想文を書く」です。
 ただし、NGな読書感想文をいくら書いても「力」にはなりません。
 読書感想文は、夏休みの宿題のひとつですが、最近では自由課題としている小学校が多いようです。それだけ苦手に感じている子どもが多いからでしょう。そこで「読書感想文セミナー」を開催させていただこうと一念発起しました。セミナーの内容は「初めての読コンで生徒を入賞に導いたメソッド」となります。興味のある方は、紹介動画を作りましたのでご覧いただけると嬉しいです。


非認知能力を発揮する生徒の紹介

 さて、私の教室は、Zoom授業がメインの国語教室です。
 いろいろな生徒がいますが、その中には、小学校の委員会活動で〝広報委員〟を希望し、積極的に取り組んでいる福岡在住の小4のSさんという生徒がいます。先日、お母さまから教室の公式LINEアカウントに「先生、娘がんばっています!」とSさんの壁新聞の写真が嬉しいメッセージ付きで送られてきました。
 小学校の委員会活動は、子供たちにとって学校生活がより楽しく、より充実したものになるよう学校内の仕事を分担して、課題に自発的に取り組んでいくための活動です。
 その中で、広報委員会の仕事は学校行事に関する壁新聞の作成になります。言うまでもなく「新聞」の名を冠する以上は「誰かに読んでもらう」ことを強く意識することが大切なのですが、ともすると「皆で協力して制作すること」の方が重視されてしまうのが〝いまの学校〟の現実です。

「三歳年下の子にも」を意識させると…。

 Sさんは、いま「作文・小論文講座」を受講しています。
 この講座では〝三歳年下の子にも「なるほど」と言わせられるか〟を考え、意識させた文章を書かせます。「誰かに読んでもらう=丁寧に書く」これだけでも意識できていれば、決して〝雑〟な文章にはなりません。ところが、具体的な年齢設定を〝三歳年下の子にも〟とすることで、書く文章がより丁寧な内容に激変します。たとえば、選択する言葉に意識が向き表現が豊かになってきます。すると、言葉選び以外に、注釈を入れたり、漢字にルビをつけたり、または写真やイラストを描き入れたりするといった工夫につながってきます。
 Sさんは、こういった〝三歳年下の子にも「なるほど」と言わせられるか〟を、自分の考える必要な工夫として書き出し、分担することで委員会活動の目的である「皆で協力して制作する」に活かして壁新聞を作ったそうです。
 しかも、地元新聞で取り上げられた記事を写真入りで引用することで、委員会が取り上げた内容が「世間も注目する話題」であることを読み手に伝え、読み手が素通りせずに立ち止まって読んでもらう工夫までしています。
 まさに「娘がんばっています!」です。
 そして、今日も元気に委員会活動を牽引しているそうです。

「言語能力」を伸ばせば「非認知能力」も伸びる

 読書感想文を書くことで「伝える力」と「考える力」を同時に鍛えて行くことができます。そのためには「何を」「どのように」書くのかを知り、実践・訓練することで鍛えられ身についていきます。
 「伝える力」と「考える力」は〝非認知能力〟です。能力である以上〝訓練すれば身につけることができる〟能力です。
 伝える力があり、考える力があると、コミュニティの中で〝自分以外の皆のために〟というリーダーシップを発揮することができます。Sさんも広報委員会の活動をきっかけとして、壁新聞の作成を通して見事に具現化してくれました。
 「伝える力」は「技術(テクニック)」です。〝三歳年下の子にも「なるほど」と言わせられるか〟を考え、意識させる、つまり「他者を意識する」ことで身に付けて行く表現技法です。
 「考える力」も「技術(テクニック)」です。他者を意識することで身に付けて行く論理的な複眼思考です。
 このふたつのような非認知能力は、言語能力の高さに比例し、認知能力に大きく影響してきます。勉強はできて当たり前。ひとりひとりが個性的で、問題解決の「納得解」を創造できる地頭の良さ、頭の柔らかさ、そして〝気づく力〟〝つなげる力〟は、視点と意識さえ変えれば「学力向上」のための学びを活用してグングン伸ばすことができます。その根底にあるのが「ことば」です。国語という教科を、もっと多くの方々に見直して欲しいと思います。なぜなら、学力は伸びて、個性が光る子どもに成長するからです。

ド田舎だけれど…

 7.20(土)に読書感想文セミナーを開催いたします。ご興味のある方は是非足をお運びください。時間は午後1時半から、入場・参加は無料ですが、テキストはワンコイン(500)です。会場費の足しにします…。
 でも、東大和リビングテラスの「みんなの部屋(集会室)」という、とてもローカルで東京のド田舎の三多摩地域のコミュニティ施設で行います。一応、広い駐車場があります。美味しいピザ屋さんもあります。くつろげる広場もあります。セリアという100均とスギ薬局というドラッグストアもあります。参加の旨をお伝えしていただいている方の中には「車で3時間かけて行きます!」という人も…います。
 近隣の方で、ご興味のある方に…届けこのNOTE…。

 セミナーの最終稿を書き上げたばかりの、みらい学習教室代表の〝学びラボ〟スギモトでした。


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