見出し画像

「ヒートマップツール」で売上アップにつなげる3つのポイント

こんにちは!
株式会社みらいマーケティング本舗の堀野(ほりの)です。

今回は「ヒートマップツール」についての解説です。
ヒートマップツールって何?という方のためにかんたんに説明をするとユーザーの行動を可視化するツールのことで、Webサイト内でユーザーがどのような行動をしているのかをビジュアルで表現できることが最大の特徴です。


この記事を読むメリット

この記事ではヒートマップツールの細かな機能紹介や操作説明はしません。僕が解説するのはヒートマップツールをうまく使って売上アップにつなげるための考え方や活用方法についてです。

データ分析は実施して終わりではなくきちんと売上につなげることが不可欠

・ヒートマップを活用する目的

・売上につなげるための活用方法

・経営者が企業マーケターのための思考法

数あるデータ分析のなかでももっとも導入しやすく成果につながりやすいのが「ヒートマップ分析」だと言えます。

今回の記事内容は現場担当者だけでなく中小企業の経営者やマネージャーにこそ読んでいただきたい内容です。

この内容をしっかりと実践することでデータドリブンなマーケティング推進への第1歩につなげていただければと考えています。



なぜヒートマップが重要なのか?


僕の経験則上「売上が伸びなくて困っている」という企業の多くは、CVR(成約率)に問題を抱えています。

CVRがいくらだと悪いのかは商品単価や購入頻度、ビジネスモデルによって異なりますが僕が目安としているのは「3%」です。
もしあなたのWebサイトのCVRが「1%」を下回ってしまっている場合はかなり危険な状態だと言えます。

業種別の目安のCVR数値
参考:Google Ads Benchmarks for YOUR Industry|WordStream

そうなってしまうとどれだけ集客を頑張っても収益化することは困難です。だから最優先で取り組むべきは「CVRの改善」なのです。


「いやいや、Googleアナリティクスがあれば十分なのでは?」

こんな意見もあると思いますが僕は両方活用してこそ本当の価値を発揮できると考えています。Googleアナリティクスは全体的な傾向やパフォーマンスを分析するのに非常に有用ですがユーザーの具体的な行動データやビジュアル化したデータは提供してくれません。

例えば、Googleアナリティクスで高い離脱率が示されても、その原因が具体的にどの部分にあるのかはわかりません。

そこでヒートマップを併用することで、具体的にサイトのどこに問題があるのか、どこにユーザーが関心を持っているのかを特定できます。

■Googleアナリティクス
全体的なトラフィック分析
訪問者の属性分析
各ページのパフォーマンス測定

■ヒートマップ
ページ内の要素のクリック率
スクロール深度
マウス移動の追跡
動画での行動観察

つまりGoogleアナリティクスとヒートマップは「互いに補完し合う」ツールです。

Googleアナリティクスで得られる全体的なデータとヒートマップの具体的な行動データを組み合わせることで、より深い洞察が得られ、効果的なウェブサイト改善策を講じることができます。

したがって、経営者や企業マーケターは両方のツールを活用することで、売上アップにつながる戦略につなげることができるようになるわけです。



ヒートマップ活用の3つのポイント

ヒートマップを活用して売上につなげるためには以下の3つのポイントが重要になります。

ホップ:基本を理解する
ステップ:考え方や注意点を理解
ジャンプ:実践で活用する

なぜこの順番が大切なのか?
例えば自転車の乗り方で考えてみましょう。

基本を理解する
→自転車の乗り方を学ぶ

考え方や注意点の理解
→安全に運転するための交通ルールを学ぶ

実践で活用する
→実際に街なかで自転車に乗って練習

この順番を守ることで、安全にかつ効果的に自転車を乗りこなせるようになります。ヒートマップも同様で、基本を理解し、注意点を押さえ、実践で活用することで、データを最大限に活用できるようになります。

よくあるのがいきなりヒートマップの画面を操作して分析ごっこをしているだけでいつまで経っても売上に貢献できなるケース。

これはいけません。
分析は売上に直結してこそ価値があります。
ではさっそく3つのポイントを解説していきましょう!


①ヒートマップツールの基礎知識

今回は数あるヒートマップツールの中でも「Microsoft Clarity(クラリティ)」をもとに解説します。

▼Microsoft Clarity公式サイト
https://clarity.microsoft.com/

なぜこのツールを選んだのかというと無料なのに利用回数に制限がなく、何度でも情報を確認できたり、データ保有期間にも制限がありません。

どのツールにするのかを迷っていたら「まずClarityを使ってみたら?」とおすすめしています。

ではヒートマップツール「Clarity」の基本的な使い方をかんたんにお伝えしましょう。


■クリックヒートマップ

ページ内のどこがクリックされているかを可視化。

どのコンテンツが人気があるのか?
CVボタンがどの程度押されているのか?

このようなことが瞬時に発見できます。

まったくクリックされていないコンテンツは誰も必要としていないものだと言えますので見直しが必要です。


■スクロールマップ

ユーザーがどこまでページをスクロールしているかを確認できます。
赤いところが良く見られている箇所で緑や青になるにつれて離脱されています。

ランディングページだと、ページの最下部まで見ている人がわずか10%ということもあります。

一生懸命コンテンツを作っても見てもらえていなければ意味がないですよね?どのコンテンツが見られているのかを意識して改善しましょう。


■録画データ

僕自身、Clarityでもっとも優れているのがこの録画データ機能だと思っています。

なぜなら、実際に使っているユーザーの使っている様子や、つまづいているポイント、サイト内での回遊状況が手に取るようにわかる超優れた機能だからです。

「迷っていろんなところを行き来」
「ボタンと間違えて画像をクリック」
「操作につまづいて離脱している」

このような問題が瞬時に発見ができます。さらにはページ内をじっくりと見ているのか、それともざざっと流し読みされているのか、リアルな動きまで把握ができます。

これらはGoogleアナリティクス分析ではわからない情報なので、前述のとおり棲み分けて使うことで大きな威力を発揮できるようになります。

ざっと5〜6人の動画データを見るだけでサイトの問題点が浮き彫りになりますのでぜひこの動画機能を活用してください。

▼録画データのサンプル
https://clarity.microsoft.com/player/9w0xv8ql7h/e7cxyi/a0pns7/



②大事な考え方と注意点

先ほども売上アップにつなげるにはまずは「CVRの改善」が最優先だとお伝えしました。

仮に現在CVRが1%だったとしましょう。ヒートマップによる改善でCVRが2%になるだけで単純に売上は2倍に増えます。

集客数を2倍に増やすのはお金や時間がかかってしまうため簡単に増やすことができませんがサイトが抱える問題点を発見できればCVRを2倍に改善させることは決して難しいことではありません。

ではヒートマップツールを使ってどのようにCVR改善につなげていくのか?それを行ううえでもっとも大事なことは?

それはズバリ「データを分解すること」です。

もう少し具体的に言うとセグメントをわけて分析しましょうということです。

データを分解せずに塊のデータで分析をすると何が問題なのか?全体のデータをひとかたまりとして分析すると、特定のユーザー行動やパターンが埋もれてしまい全体の傾向しか見えなくなります。


例えば、コンバージョンしたユーザーが購入前に必ず「よくある質問」を見る傾向があったとしましょう。それがわかれば「よくある質問」の内容をさらに充実させることでコンバージョンにつなげることができます。

でも塊で分析してしまうと、その他のノイズがまざってしまいその傾向に気づくことはできませんし、下手すると「よくある質問はあまり見られていないから重要ではない」という誤った結論を導いてしまう恐れも。


いわゆる「平均化の罠」というやつですね。

<おすすめするセグメント>
・CVユーザー/非CVユーザー
・流入チャネル別
・デバイス別
・新規ユーザー vs リピーター


このようにデータをセグメントに分けることで、ユーザーの多様な行動パターンやニーズを細かく分析し、ターゲットに対して最適な施策を講じることができますが、なんとなく画面を眺めたり分析をしていてもなかなか答えは見つかりません。

そのためにも欠かせないのが「仮説」づくりです。

例)
まずGoogleアナリティクスで分析。

「カートに商品を追加した後の離脱率が高いな」

「ん?お届け先情報入力のステップで離脱が多い」

なにかここに問題が潜んでいそうですね。


「よし、ヒートマップで調べてみよう」

「住所入力のフィールドでかなりマウスが動いているのに、先に進んでいない。もしかしてここが分かりにくいのかな?」

「よし。Clarityの録画データをみてみよう」

「やはりここで入力エラーが起きて離脱しているようだ」

「具体的な例やガイドを追加してみよう」

「改善後にもう一度動画データをみて効果検証をするぞ」

このようにGoogleアナリティクスやユーザーテストで、おおまかな問題点を絞り込みヒートマップで詳しく分析をする。この流れをおすすめします。

「データを分解する」「仮説づくり」
この2点は必ず意識してくださいね。


③ヒートマップツールの実践事例

頭では理解できた。でも実際にはどうすればいいの?
このように悩んでいる方もいることでしょう。

そこで実際の画面を見ながら分析のポイントを解説していきます。
クライアント様のデータを見せるわけにはいかないので僕自身のWebサイトを元にご紹介いたします。

お恥ずかしながらかなりアクセス数が少ないので数値は参考程度としてください。

・どこをチェックしているのか?
・どのように考えているのか?
・どんな改善策を見つけるのか?

こういったポイントを抑えてご覧いただければ幸いです。


①閲覧されているデバイスを確認

「ダッシュボード」画面で「デバイス」を確認。
僕の場合、PCからの閲覧が6割以上となっています。BtoBの場合は、PC比率が高くBtoCの場合は、スマホ比率が高い傾向にあります。ECサイトの場合、スマホ率が9割以上ということもあります。

まずここを調べて、PCとスマホのどっちのヒートマップをチェックすべきなのかをまず探ります。


②ヒートマップをチェックする

TOPページのどの箇所がクリックされているのか?まずはそこを確認します。通常は、ナビゲーションやメインスライダーの箇所が多くクリックされがちですが僕のWebサイトの場合は意外な場所がもっとも多くクリックされていました。


それが「よくある質問」です。

「よくある質問」は具体的に検討をしている人が確認することが多いコンテンツのためここをクリックしているユーザーは非常に良質なアクセスだと言えますね。複数の質問のうちどの内容に興味を持ってもらっているのかも一目瞭然です。

ただし問題なのが「スクロール率」でした。よくある質問がページの下部にあるため、表示されるまでに約2/3のユーザーは既に離脱されていることがわかりました。これは問題ですね。


③具体的な打ち手を考える

お仕事の相談をいただく方の9割以上は僕の「Twitter」をよくご覧になっており、すでに僕のことをよく知っている人たちです。

→Twitterで興味を持ってもらう
→メルマガでより深く理解してもらう
→ホームページで最終確認をして無料相談をする

おそらくこのような流れでご相談いただくケースが大半かと考えています。

ということは、僕のホームページで伝えるべきは、「はじめまして、ほりのです」ではなく「具体的に何をしてくれるのか?」「どうやって申し込めばいいのか?」という情報だと言えますね。

ヒートマップを見てもサービス内容やブログのような情報はあまり見られていないため、より具体的な情報(よくある質問やご利用の流れ)の内容を見直したりページ上部に移動させてより多くの方に見ていただくようにします。

以下のように、Webサイトに訪問する人がどんな人で、どのような目的で調べているのか?ここを理解してコンテンツを用意しないといけません。
お恥ずかしながら僕のWebサイトは起業時に何もわからずに作ったままの状態なので改善ポイントがもりだくさんです(苦笑)

<広告やSEO経由>
まだ情報集め、詳しく知らない人がメイン。
・サービス概要
・導入事例
・ホワイトペーパー
・ブログ

<SNSや紹介経由>
興味があり、相談を検討している。
・サービス詳細
・料金
・よくある質問
・ケーススタディ

すでにSNSや紹介経由の方が、お仕事の相談につながっているという事実がわかっていますので、今後その方々が知りたいであろうコンテンツに変更するようにします。

最後に大事なことをひとつ。
「なにか変更した後は必ず効果検証をすること」

改善はあくまで「仮説」でしかありません。その答え合わせをすることで、どんどん仮説の精度が高くなり、成果につながる改善ができるようになります。面倒でも改善施策の結果、思ったようなユーザー行動につながっているのか?これを必ずチェックしてくださいね。


まとめ

いかがでしたでしょうか?ヒートマップツールの活用は現場の担当者だけでなく経営者やマネージャーの立場でもかなり有用な気づきを得られるツールです。

・データドリブンな意思決定
・顧客満足度を高める
・リアルタイムでの問題発見

経営者やマネージャーが「Clarity」のようなツールを理解し活用できるとさらに現場のスピード感も高まります。

まだ導入していない、入れているけど活用できていない企業様はぜひこのnoteを読んだらすぐに実践してみてください!

今回のお話は以上になります。
最後まで読んでいただき誠にありがとうございました!

いいなと思ったら応援しよう!