R4年度 うるま市キャリア教育推進事業 ~ミラカナ~ 天願小学校
2022年10月25日、天願小学校の6年生を対象に「ワーカーズトーク」を実施しました。
ワーカーズトークとは、さまざまなキャリアを持つ社会人講師を派遣し、その職業について話をすることで、子どもたちに自分の将来について考えてもらうための取り組みです。
もちろん学校によって派遣する社会人講師の方々はさまざま。天願小学校には、観光コンサルティング、Webデザイン、金融教育事業に従事する3名の社会人講師を派遣・講話を実施しました。
この記事では、天願小学校でのワーカーズトークの様子をご紹介します。
なお、キャリア教育事業「ミライカナイ」については別記事にて詳しくご紹介しています。ぜひ合わせてご覧ください。
R4 うるま市キャリア教育推進事業 『ミラカナ』 プログラムについて
天願小学校ってどんなところ?
天願小学校の6年生は、3クラス110名です。5、6校時の総合学習の時間を使い、3名の社会人講師にお話をしてもらいました。
余談ではありますが、オープンスペースで行き来がしやすい教室に講師のみなさんも驚いていました。
「仕事は一つじゃない」 やりたいことに突き進む勇気
観光コンサルティングの仕事について、児童たちは興味深そうにメモを取りながら話を聞いていました。芸能人とのCM撮影の話になると驚き、楽しそうに声をあげる児童もいましたし、講師からの質問に笑顔で答える児童もみられました。
この時間、最も児童から驚きの声があがったのは講師の経歴についてです。
観光コンサルティングを行う講師は、これまで19もの仕事を行ってきたそうです。
ずらっと並ぶ経歴に驚く児童たちに、「好きなことをやっていたら、こうなった」と述べる講師はとても楽しそうな表情でした。
児童たちの驚く様子からもわかるように、私たちはつい「仕事は一つだけ」と考えてしまいがちです。だから失敗できないと、自分自身にプレッシャーを与えてしまう人もいるでしょう。
しかし、この世にはたくさんの仕事があり、楽しいことやワクワクすることも数多くあります。やりたいことを諦めず、ときに欲張りになることも大切なのかもしれません。
「やることはムダにならず、自分の糧になる」
講師はこれまでの経験がさまざまなところに活かされているとお話ししていました。
選びとれる選択肢はいくつもある、そのことに子どもたちが気づけたなら嬉しいです。
「賞をもらえると仕事になる」 好きなことを仕事にする覚悟
Webデザインの講話では『好きなことを仕事にする』という話が印象的でした。
・絵が好き、絵を描く仕事をしたい
・動画を作る仕事をしたい
と考えている児童もいますが、ものづくり・作品づくりのようなクリエイティブなことを仕事にしようと思ったらただ技術を磨くだけでは不十分です。
講師は、他者に認めてもらうため、また自分が自分に自信を持つための方法として、「賞をとること」についてお話ししていました。
賞をもらえると、仕事になる。
認めてもらえれば、お金になる。
賞をもらった自分の作品を見せながら、児童たちに好きなことを仕事にする楽しさややりがいを教えていました。勝連城跡を描いた作品は児童たちの興味を引いたようで、近くで見ようと集まっていました。
自分の作品を誰かに見せることに抵抗がある、という子どもは少なくありません。児童の中にも、恥ずかしくて誰にも見せていないという人が少なからずいるでしょう。
しかし、クリエイティブな仕事にはそうした心の強さも必要になります。
今回のワーカーズトークで、自分の好きなものを人に見せること、意見をもらうこと、自信を持つことの大切さを知ってもらえたら嬉しいなと思いました。
「お金の学校をやっています」 驚く子どもたちに知ってほしいお金のこと
金融教育についての話では、児童たちは前に固まって座り、スライドを見ながらお話しを聞いていました。
講師がどんどん質問をしていくため、子どもたちの声も自然と大きくなり、開始5分で笑顔で冗談をいえるまでに仲良くなっていました。
「お金の学校をやっています」
という言葉に「え?どういうこと?」と混乱する児童たち。困惑した表情をしていましたが、講師の話を聞くにつれて理解したのか真剣な表情を浮かべていました。
授業の中では本物の100万円を取り出し、児童たちに使い道を聞いていく様子もありました。帯のついた100万円に、子どもたちは大興奮。実際に持たせてもらいながら、自分なら何に使うかを考えていました。
「お金の話題はつい避けてしまいがちだけど、お金儲けは悪いことではなく、お金は決して汚いものじゃない」
「お金は目的ではなく、夢を叶える手段」
これらの講師の言葉に聞き入る児童たちの様子が印象的でした。
夢がある子、探している途中の子、どちらもいると思いますが、今回のワーカーズトークはどちらにとってもタメになる内容だったのではないかと思います。
「好きなことは全部試していい」
「好きなことが変わったら進むべき道を変えてもいい」
「好きなことを仕事にすることは大変だけど、不可能ではない」
講師の伝えた言葉が、児童たちの歩みを支える杖のような役割を果たせれば嬉しく思います。