R4年度 うるま市キャリア教育推進事業 ~ミラカナ~ 与那城小学校
2022年12月12日、与那城小学校の6年生を対象に「ワーカーズトーク」を実施しました。
ワーカーズトークとは、さまざまなキャリアを持つ社会人講師を派遣し、その職業について話をすることで、子どもたちに自分の将来について考えてもらうための取り組みです。
もちろん学校によって派遣する社会人講師の方々はさまざま。与那城小学校では、ITと飲食、保育に従事する3名の社会人講師を派遣・講話を実施しました。
この記事では、南原小学校でのワーカーズトークの様子をご紹介します。
なお、キャリア教育事業「ミライカナイ」については別記事にて詳しくご紹介しています。ぜひ合わせてご覧ください。
R4 うるま市キャリア教育推進事業 『ミラカナ』 プログラムについて
与那城小学校ってどんなところ?
与那城小学校の6年生は、3クラス81名です。5、6校時の総合学習の時間を使い、3名の社会人講師に各教室をローテーションで回っていただきお話をしてもらいました。
児童たちの好奇心を刺激するITの世界
ITに関する講話は、デジタルネイティブである児童たちには人気がありました。「ITって何の略?」という質問に児童たちが積極的に答えている姿は微笑ましく、一人ひとりの表情からワクワク感が伝わってくるようでした。
また、ITをわかりやすく説明するためにYouTubeやゲームの話題を例に出していたのですが、知っているユーチューバーやゲーム名が出るたびに児童たちの楽しそうに声が響いていました。
「親御さんには怒られるかもしれないけど、スマホはいっぱい触ったほうがいい」
という講師の言葉に嬉しそうにしつつも驚きを隠せない様子の児童たち。
「ただ、TikTokとか動画だけを見ていると考える力がなくなってしまう」
と続いた言葉に、真剣な表情を見せながら頷く姿が印象的でした。その様子が、「なぜなんだろう」「どうしてそれを伝えたんだろう」という理由を考えているように思えて嬉しくなりました。
プログラミングについての話になると、ゲームの体験も行われました。簡単な仕組みのゲームですが、体験している児童も、周りで見ている児童も楽しそうにしていました。
また、こうしたプログラミングゲームを自分と同じくらいの年齢の子どもが作っていると聞き、児童たちは驚いていました。
最も印象の残ったのは、
「答えがある問題をやらないと、答えがない問題はとけない」
という、いまの勉強の大切さを説いた講師の一言です。
勉強に対してネガティブな感情を持つ児童もいるかもしれませんが、いまやっていることには意味があるのだととても胸に響きました。
真剣な表情で講師を見つめる児童たちの胸にも、ポジティブな言葉として届いているといいなと思いました。
フルーツサンドに歓声も!調理師の世界を学ぶ
調理師の話では、メモを取ったり、頷いたりしながら、静かに聞いている子が多い印象でした。中には料理が好きなのか、真剣な表情を崩さずに話を聞いている児童の姿も伺えました。
イタリアへ留学して料理の修行をしたという講師の話に、驚きを隠せない児童もいました。料理の話にはあまり興味がない様子の児童も、海外の話には興味があるように思えました。
一番の盛り上がりを見せたのは「フルーツサンドのカット」です。
フルーツサンドの断面がお花になっており、それを見た児童たちからは、
「おー、すごい!」
「かわいい!」
「食べたい!」
などの歓声があがりました。
また、
「クリームに使用しているフルーツは何でしょう?」
と講師がクイズを出すと、児童同士で楽しそうに話す場面もみられました。
ちなみに、正解者は数名ですがいましたよ(ドラゴンフルーツ)。
講話が終わった後、「フルーツサンドを作ってみたい」と話す児童もいました。これをきっかけに料理に興味を持つ児童も出てくるかもしれない、と少しだけ楽しみになりました。
脳のアンテナで答えをキャッチ!転職で夢を叶えた保育士から学ぶ働くことの楽しさ
高校卒業後に大学や専門学校へ進学し保育士の道に進むのが一般的ななか、講師は高校卒業後、バスガイドを経て保育士になったという経歴の持ち主です。社会人になってから夢を叶えた講師の話に、興味深そうにしている児童はたくさんいました。
講師は「好きなこと、やりたいことを見つけてほしい」と児童たちに語りかけていました。
「いまやりたいことが見つからなくても、答えが出なくても、考えていると脳がアンテナを張って答えをキャッチしてくれる」
「例えば、探しものが見つからないとき、お風呂に入っているときに思い出すことあるでしょう。そんな感じで、一度考えると脳がアンテナを張ってくれるから答えが出てくるんだよ」
「だから、みんなも脳にアンテナを張って好きなことを探してね」
お風呂のくだりでは「ある!わかる!」と嬉しそうにはしゃぐ女児童たちの様子もみられましたし、脳のアンテナの話は私自身、なんとなく腑に落ちるなと思いました。
自分のやりたいことを見つける手段の一つとして、
「自分が何に向いているか、自分がどんな人なのか、自分のことを友だちに聞いてみるのも良い」
という話もしていました。
そのとき、児童たちが顔を見合わせて恥ずかしそう笑っていたのが印象に残っています。講話が終わったら話すのだろうかと、彼ら・彼女らの未来の行動を想像して微笑ましくなりました。
自分も相手も幸せになるもの、誰かのために頑張れるものが自分の思う仕事。好きなこと、頑張れることを仕事にしてください。
最後のこの言葉は、子どもだけでなく大人にも刺さる言葉だと思います。
全く異なる業種・職種の講師たちですが、夢を叶えた人、成長のために努力し続けている人の言葉は重く、強く心に響くものだなと思いました。
進路を決めるとき、何が決断を後押しするのはは人によってさまざまですが、講師たちの飾らないまっすぐな言葉が、子どもたちの追い風になることを願ってやみません。