ひとの人生をとやかく言うな
正社員が正義な時代はいつまで続くのだろうか。
フリーター、バイト、パート、契約社員...
これらは、いわゆる非正規雇用の形態。
「非正規」って何?
バイトの人がいないと店が回らないところなんてたくさんある。
あのディズニーランドでさえ、バイトがいなければあの世界は提供できないだろう。
私が前にバイトをしていたところもそうだった。
いわゆる正社員は、店長の一人だけ。
店長のように出勤している人も、「非正規」雇用だった。
大学でも、非正規雇用は企業にとってのバッファーであると習った。
日本は特に、正規雇用を解雇することが難しい。
解雇するのは、非正規雇用から。
私が前にバイトしていたとき、新卒で入った会社を辞めてきた人がバイトとして入ってきた。
彼と何度かシフトが被り、僭越ながら私が仕事を教えながら、空いた時間に前職のこと、社会人として過ごすことなどを聞いた。
彼は、前職ではいわゆる正社員として働いていた。
確か、ウェディングプランナーとかをやっている会社だったかな。
すごく激務だったらしく、体育会出身の彼が激務だというのだから、相当キツかったのではないかと考えられる。
電話のコールは何回以内に取らなければならない、式につきクレームはいくつまで、それを超えるとボーナスなし/減給(?)、仕事終わりは終電、出勤は早朝、寝る時間なんてない、そんな話を聞いた。
社会人の先輩からリアルな話を聞き、いまだにそんなブラック企業が存在しているのかと思った記憶がある。たった一年前くらいの話。
「これからどうするんですか?」と私が聞くと、彼は「転職したいと考えてて、その間の生活費を稼ぐためにバイトに入っている」と言った。
数ヶ月が経つと彼は「転職じゃなくて、ここで正社員になろうかな」と言い、店長とも話して、正社員採用試験を受ける話になったらしかった。
しかし、採用試験の話がずっと後ろ倒しになり、そしてコロナ禍が襲ってきた。
きっと彼はまだ、正社員の試験を受けることすらできていない。
その人が正社員を望んでいるなら、それでいいのだが、他の人の目や信頼のために正社員になりなさいと言われるのは違うと思う。
企業も役職も安定がない時代。ステータスが不安定なのに、ステータスにすがるのは危険ではないか。
人々は、何をもって、正社員正義を押し付けてくるのだろうか。
ひとの人生、その人のもの。