少しは近づけたかな
私は大学2年生の頃、コーチングの授業を受けた。
これからのキャリアの考え方についての授業であった。
自分の好きなこと・嫌いなことから、今後自分の人生はどう進めたいのか、そんなことを、周りの学生とコーチングをしながら考えていった。
あれはとても良い授業だった。
そこで知り合った友達と、ある時こんな会話をした。
友達「どんな人が嫌い?」
私「うーん、だらしない人...かな?〇〇さんは?」
友達「私はね〜、人の話聞かない子。例えば、『相談があるの、聞いて〜』って話しはじめる子に、私が何かアドバイスしても、『え〜、でもさ〜』って何度も繰り返して、結局相談前と結論変わってない子いるじゃん。あーいうの無理。時間返してって感じ。」
私はその言葉を聞いて、さすがだなと思った。
彼女は英語・中国語が得意で、しかも大学2年生にして長期インターンを始めていた。大学生がバイト・サークルにつかう時間、彼女はもう働いていたのだ。
私はそんな彼女を尊敬していた。
そして私も、就活生やいろんな人から相談を受ける立場になった。
「何をしたいか、まだ決まってない、わからない」
そういう子はたくさんいる。
「何をしたいか、どうしたらいいかわからないので、相談に乗ってください。」
そういう相談は大歓迎である。
しかし、こちらが「〇〇とかどう?やってみれば?」と言うと
「え〜、でも...」とか、「それはちょっと...」と応えるケースが多い。
嫌いなことが明確なら、嫌いじゃないこと・どちらかわからないことをとりあえずやってみて判断すれば、新しい選択肢が見つかるかもしれない。
以前、クラブハウスでルームを開いた時に、
就活って、今まで明確な正解・合格があった世界から、それが自分の中にしかない世界に飛び込むことで、自分の中にしかない正解って、どうやって見つけたらいいの?と困っている就活生が多い
その見つけ方は、「壁打ち」っていう、他の人、特に就活の場合は、社会人に話をたくさん聞いてもらうことである
という話にまとまった。
しかし、いくら壁打ちをしても、「でも」が口癖の人は話を聞く側も疲れてしまう。
この子は本当に、相談に乗って欲しいのか?他の人の意見を求めているのか?
そう感じてしまう。
一方、一人で何をしたいか悩んでいても、答えが必ずしも見つかるわけじゃない。
大人を頼るべき時は頼る方がいい。
選考で話を聞くのも大人なんだから。
社会人だって、自分の時間を、相談したいと困っている人に割いているのだから、相談する側は感謝を忘れてはならない。
「この方は忙しいのに、わざわざ私のために時間を割いてくれているんだ」
相談相手の価値観が自分と合わないと感じたら、そういう価値観の人もいるんだと頭の片隅に置けばいい。
自分の視野が広がって、自分では思いつかないアドバイスをくれて...
人・社会人と話すのはいい機会だ。
コロナ禍でみんながオンラインツールをつかうことに慣れてきた。
機会はすぐそこにあるのだ。
使わないなんて、もったいない。
かくいう私は、尊敬している彼女に少しは近づけただろうか。