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【ヘブバン】フロートバイクのレベルはむやみに上げるな【制圧戦】
どうもこんにちは、Miraiです。
今回は最近私がハマっているゲーム「ヘブンバーンズレッド」について、その一大コンテンツである「制圧戦」のお話しです。
先に言っておくとこの記事は「(達成感を味わいたいプレイヤーは)フロートバイクのレベルはむやみに上げるな」という内容です。
プレイスタイルは人それぞれですので、達成感を重視しない方はお暇でしたら読んでいってください。
ゲームや制圧戦をよくご存知でしたら本題まで読み飛ばしてしまっても構いません。
この記事を読んで欲しい人
「ヘブバン」をすでにプレイしている方
特にゲームを通して達成感を得ることに重きを置いている方(制圧戦の難易度選択でPROFESSIONALをプレイする人)
ゲーム設計に興味がある方
制圧戦について
最初にヘブバンの制圧戦についてさらっと述べていきます。
これまでの制圧戦
8月9日から始まった「制圧戦:前編」
ななみんがフロートバイク (FB) に乗りながら戦う姿、そして浅見仕込みのイカした台詞回しに衝撃を受けたプレイヤーも多いのではないでしょうか。(かくいう私もそうです)
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制圧戦ではストーリーが進行するほか、フロートバイクを成長させたり用意されたミッションをこなしていくことが目的となります。
高難易度ミッション
制圧戦の中では特定の強敵を倒すことを目的としたミッションが用意されています。
クォーツやラプラス六花晶など魅力的な報酬が用意されていますが、難易度としては非常に高く、生半可なパーティでは太刀打ちできません。というか推奨戦力28,000なんて全員完凸しても届きません。
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そこで重要になるのがななみんが操るフロートバイクとその強化です。
フロートバイクについて
フロートバイクの育成方法
フロートバイクの育成は鉱石によって行い、これらは各所に落ちているか敵がドロップします。
これらの鉱石は出撃するごとに上限があり、再出撃することで再び稼ぐことができるようになっています。
またレベルキャップが存在し、各所にある技術研究資料を拾うことで上限を引き伸ばすことが可能です (現在最大80 Lv)。
フロートバイクの効果
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フロートバイクの効果は以下の二つがあります
メンバーの能力 (HP以外) を上げる
特殊効果を付与する(この記事では言及しません)
メンバーの能力上昇は重要で、ステータスに以下の量を加算してくれます。
[各能力の上昇量] = [フロートバイクのLv] × 2.375 (DPはさらに×10)
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ヘブバンでは+1凸してLvを上げると能力は大体+25程度されるので、フロートバイクを80Lvまで強化する事はパーティ全体に+8凸したくらいの効果があるのです(ただし限凸は8回もできない)。
ではなぜフロートバイクのLvをむやみに上げない方がいいのでしょうか
それを理解するためには、まずヘブバン(というかPvE課金ゲー全般)における課題を知る必要があります。
PvE課金ゲーの課題
まずヘブバン運営がゲーム体験として重視しているものの一つに達成感があります。
ヘブバンにおける達成感
ゲームにおいて達成感を得ることは"楽しさ"の根幹であると言ってもよく、そのために運営はあらゆる施策を考えます。
特に重要なのはギリギリ達成できる難易度に設定することですが、ヘブバンのようなPvE (CPUと戦うタイプのゲーム) では次のような課題があります。
プレイヤーの強さに幅があり全てのユーザーがギリギリとなる難易度に幅がある
プレイヤーが成長し続ける以上、敵の強さもインフレさせスパイラルするしか無い
前者はSNSを見渡せばよく分かり、同じ異時層ボス相手にも「ようやく倒せた!」と喜んでいる人から「フルオートで行けたわ」としたり顔の人までさまざまです。
敵が強いことはプレイヤーの伸びしろでありいいのですが、敵が弱すぎるのも問題です。これはイベストをやっていると体験できますが、仲間や部隊を死の間際まで追い詰めたボスといざ戦ってみて、倒さない方が難しいようなクソ雑魚ナメクジだと興醒めしますよね。
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後者のインフレについてはヘブバンのような課金型のゲームで特に注意すべき点で、過度なインフレはキャラの産廃化を加速させ、課金者からの批判に繋がります。
ヘブバンでは雷シャロがキャラ性能をインフレさせ、それに対抗して属性吸収なるものを持つ敵が出てきました。最近では貫通クリティカルなどもインフレスパイラルの一環ではないかと囁かれています。
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※ちなみにインフレに対する回答はコンテンツのスクラップアンドビルドしかありません。タイトル単位でうまくやればディア◯ロ、失敗するとスクフ⚪︎スのような結末になります。
達成感を得られる戦力差
ではヘブバンにおいていい感じに達成感が得られる難易度はどのようなものか、掘り下げていきます。
詳細な説明は省きますが、一つの目安として推奨戦力があります。パーティの戦力が推奨戦力と同程度の値ならいい勝負になり大体2400以上乖離すれば勝負にならなくなってきます。
受けるダメージで言えばパーティの戦力が推奨戦力より2400以上高いと敵の攻撃がほぼ痛くなくなり、逆に2400低いと一発でDP割られたりあの世に送られたりします。
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一方与えるダメージについてはバフデバフの最低保証とクリティカルの仕様 (敵の能力値を-50して計算) によりパーティ戦力が2000~3000程度低くてもきちんとバフデバフを盛ることでダメージを通すことができます。
つまりパーティ戦力が推奨戦力から1000〜2000程度下回っていると攻撃2回受けるとDP割られたり、がっつりバフデバフ入れてギリ倒し切れるような緊張感のある戦いを楽しむことができるのです。
また20SP 3ODで始められるなら受けをほぼ無視できるので3000程度の差でも構成によっては倒す事が可能になります。
ダメージに関する詳細はカンタータ仮面さんが非常によく研究されてますのでそちらをご参照ください
凸数と戦力の目安
キャラ全員が同じ凸数と仮定した時のパーティ戦力はざっくりと以下のようになります
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これを見るとパーティの総合戦力は無凸と4凸で5000弱の開きがあり、この時点で全てのユーザーを満足させる難易度が存在しないことがわかります。
19000~が高難易度コンテンツだが、無凸ではほぼ無理、1凸では編成キャラ次第で倒せたり倒せなかったり、2,3凸から安定してクリアできるようになり、4凸だとぬるく感じる
これまでに行われた施作
難易度に関しては複数難易度を用意することでプレイヤー層に合わせようとしました(新春イベスト、5章前編など)。しかし、この方針は良い結果を生んだとは言えません。この方法には
難易度を下げる設計になっており、それ自体が達成感を貶めてしまう
という欠点があります。かくいう私も5章前編ではボスが倒せず、難易度を下げるのも嫌だったので1ヶ月ほど停滞して育成に取り組みました。どうせならやっぱり通常難易度でクリアしたいですよね。
過度なインフレに対しては4章後編にて短期的なインフレ要素 (釣りLv, ジャスティス) の追加と破棄を行っています。これはある程度の効果があり、供給過多でほぼ無価値になっていたGPに変わってジャスティスを稼ぐために可処分時間を消費させました。
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またこれらの要素は4章終了後に完全無価値になるわけはなく、マスタースキルの条件やチップとして価値が残る設計になっているのも大きな利点です。
本題 -難易度問題への解答-
ではなぜフロートバイクの設計が難易度調整に対する一つの解答になっているのでしょうか。
それはフロートバイクの成長速度と能力加算値に秘密があります。
フロートバイクの緻密な成長速度設計
フロートバイクの成長速度は自由に見えますが、実はある程度管理されています(無闇にレベル上げをしない場合)。
これは各所で用意されたレベルキャップ解放アイテムと出撃ごとに有限な鉱石数によるもので、プレイヤーの強さにより左右されます。
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具体的なケースを考えてみましょう。
相対的に戦力が低いプレイヤーは戦力が高いプレイヤーに比べて敵を倒すためより多くのスキルを使用する必要があります。
使用回数に制限のあるEXスキルを使い果たすとプレイヤーは帰還し、回復した状態で再出撃します。
再出撃すると先ほどまでに倒した敵は復活し、落ちている鉱石も再取得可能になります。
結果として戦力が低いプレイヤーは鉱石を得る機会が増え、バイクが成長しやすくなります。
細かい数値は個々のプレイスタイルによりますが、高難易度ミッション以外を一通りクリアした時点でバイクレベルは
戦力の高いプレイヤー (3凸〜4凸編成) で40 Lv程度
戦力の低いプレイヤー (無凸〜1凸編成) で60 Lv程度
のようになります。これらの間に位置するであろうプレイヤーのバイクレベルはパーティの戦力に合わせて40~60 Lvになるでしょう
高難易度ミッションに挑むプレイヤーの戦力
では高難易度のミッションに挑むプレイヤーの総合戦力はどうなるでしょうか。
もう一度バイクのレベルと加算される戦力を示します。
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これを踏まえて0凸のパーティから4凸のパーティの概算戦力と想定されたバイクによる強化値を足し合わせると下のようになります。
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なんと無凸と4凸で5000弱あった戦力差がバイクの効果により3000弱まで縮小するのです。
この時点で無凸でも4凸でもPROFESSIONALのキラーノッカー (推奨24000程度?) といい感じに戦い討伐することができます。
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ラストミッション エルーシブモール討伐まで
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ミッションも大詰めになってくるとアイボリースクーパー君 (推奨戦力27000) やヴェルドデス君 (推奨戦力28000)、強化変種達 (推奨戦力28000) が登場し、低凸のプレイヤーはバイクを育成する必要が出てきます (4凸勢ならバイクLv40でも勝てると思います)。
そこでそれぞれパーティの強さに合わせてバイクを以下のレベルまで育成したとします。
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ここまでくると凸数による戦力差は800程度と非常に小さくなりました。
制圧戦は20SP 3ODで始めることができるので戦力が25000弱あれば推奨戦力28000の強敵に対しても勝機を見出すことができます。
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すなわちバイクレベルが調整されることにより、低凸のプレイヤーでもギリギリの戦いで勝利を掴むことができ、高凸のプレイヤーでも緊張した戦いを味わうことができる。つまりプレイヤーが達成感を得るための難易度設計の課題は解決されるのです。
本題 -インフレへの解答-
ではもう一つの課題である過度なインフレに関してフロートバイクの設計は影響するでしょうか。
フロートバイクの将来性
ここからは予測になりますが、釣りLvやジャスティスと同様に制圧戦:後編が終わればフロートバイクはお役御免になるでしょう。
これにより、ヘブバンは制圧戦以外のコンテンツにほとんど影響を及ぼすことなくプレイヤーにインフレ体験(成長)を提供できたことになります。
もちろん今後、フロートバイクを最大レベルまで近くまであげないと達成できないミッションが実装されるであろうし、最大レベルまで上げたことが何らかの形として残る可能性もあります (スチルやマスタースキルの達成条件など)。
今後に期待していきましょう。
現実的問題として効果はあったのか
ここまではあくまで設計上の話で、現実問題としてあえて触れていない点があることにお気づきかと思います。
制圧戦の難易度はCASUAL, ADVENTURE, PROFESSIONALの3段階がある
何凸だろうがとりあえず80Lvまで上げてから攻略する人もいる
制圧戦の難易度選択について
まずフロートバイクで難易度調整ができているのになぜ3段階の難易度が用意されているのか。
これはゲーム内で難易度の説明に書いてある通りの理由です。
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実際開発途中まではPROFESSIONALしか用意されておらず、それほどフロートバイクの難易度調整機構には自信があったようです。
しかし、本記事をここまで読んでの通り、これらの設計は達成感を重視する、そしてキャラLvを最大まで上げ、装備がある程度揃っているプレイヤーへ向けての設計です。
ヘブバンのプレイスタイルは
始めたばかりで育成が進んでない人
ストーリーを楽しみたい人
推しキャラを愛でたい人
配信者で進行に詰まりたくない人
ただただ敵を蹂躙したい人
など色々あります。
そう言ったプレイヤーでも制圧戦に参加できるようにするためCASUAL, ADVENTUREが途中で実装されたのではないかと思っています(戦力が低いことはななみんと冒険してはいけない理由にならない)。
もちろん低凸で自信のないプレイヤーはADVENTUREから入ってもいいですね。かくいう私も開始時は日和ってADVENTUREから始めています笑。
とりあえずLv80まで上げるプレイヤーについて
これは攻略情報とかを調べると始めにバイクを80 Lvまであげましょうと書いてありますし、サクッと報酬回収したい人はそうするべきだと思います。
上にも書いた通りプレイスタイルは人それぞれ、この記事はゲームを通して達成感を味わいたい人(+ゲーム設計に興味がある人)に向けた内容です。そしてあくまで推奨しているだけですので、結局は好きにプレイする (あるいはプレイしない) のが一番いいと思います笑。
まとめ
◆ 制圧戦におけるフロートバイクは
PvEにおけるプレイヤー間の戦力格差によるゲーム体験の毀損を埋める
コンテンツ内で成長体験を提供しながら、ゲーム全体でのインフレは抑制する
といった思想に基づき設計されており、これらを実現しうる機構である。
◆ 制圧戦で達成感を得たい(特に高凸の)プレイヤーはフロートバイクのレベルをむやみに上げてはいけない
以上がこの記事を通して言いたいことです。長々とお付き合いいただきありがとうございました。
最後に
制圧戦:前編の感想
制圧戦はヘブバンにおけるマンネリ化や過剰なインフレを防ぐため、運営の新たな挑戦が組み込まれたコンテンツです(フロートバイクや3Dアクションなど)。これらの新要素がどれほどの効果を及ぼしたかはKPIを見るまで分からないし、私自身知れる立場でもありませんが、個人としては充実した戦闘体験を得られましたし、設計思想に気づくと首肯してしまうような素晴らしいものだと思います。ヘブバン運営の皆さん、これからも応援しています。ありがとうございました。
制圧戦:中編 始動
制圧戦の続編「制圧戦:中編」が10月11日から始まります。
前編では明らかにされなかった〇〇 (ネタバレ防止) やななみんの〇〇 (ネタry) など非常に楽しみですね。
10月10日 (木) のヘブバン情報局では中編のほか、1000日感謝祭の情報もあるので楽しみに待ちましょう!