Netflixオリジナルドラマ『マインドフルに殺して』がめ~っちゃ面白かった!
※作中冒頭部分に関するネタバレを含みます。
Netflixオリジナルドラマ『マインドフルに殺して』を視聴した、ドイツ制作のブラックコメディだ。
大変面白かったのだが、感想に入る前にまずはどんなドラマだったのか冒頭部分を軽く紹介したい。
・主人公ビョルンはマフィアお抱えの弁護士、過剰な要求をしてくるボスや幹部から四六時中電話がかかってくるせいでプライベートはボロボロ。
裕福な暮らしはできるものの娘との時間はまるで取れず、妻からは叱責される毎日。
そんな中で、妻から”マインドフルネス講座”を講習するよう勧められた。
最初はくだらないと一蹴するビョルンであったが、”現状から何かを変えなければ”と藁にも縋る想いで講習を受けることにした。
・マインドフルネスの”今この瞬間に意識を向ける”という教えの通り、家族と過ごす間は仕事を忘れスマフォの電源はOFF。
おかげで娘との時間も取れるようになり、プライベートは良い方向へ変化し始めた。
しかしそんな中、お抱えマフィアのボスが殺人を行う動画がネットへ大量に流出。
週末に大事な娘とのバカンスへ向かう途中で呼び出され”なんとかしろ”という無茶な要求。
ロクデナシのマフィアを絶対に娘に会わせるわけにはいかず、”町の外まで逃がせ”という指示の元
ボスを車のトランクへ匿い、予定通りバカンス先の別荘へ向かう。
・別荘に着いた途端娘は大ハシャギ、すぐに海に遊びに行きたがる。
しかしトランクの中のボスは「早く出せ」と大騒ぎ、出したら間違いなく娘との週末はメチャクチャになる。
最愛の娘とロクデナシのボスの間で板挟みになるビョルン。
そして、マインドフルネスのさらなる教えを思い出す。
やりたくないことは、しない────。
・ビョルンは娘と最高の週末を楽しんだ、真夏の炎天下に車のトランクの中にいるボスを1日中放置して。
・と、いうのが物語の導入部だ。
タイトルからもお察しの通り、ビョルンは自分のクライアントであるマフィアのボスを殺してしまう。
そのせいで起きるアクシデント、そして警察や組織などにどう対処していくか……というのがこのドラマの見所である。
またマフィアという裏稼業のお抱え弁護士というこれまたアウトローな仕事と、マインドフルネスという所謂”意識高い系”の
一見ミスマッチな要素が上手く融合している点もよく練られていて素晴らしい。
・要所要所で起こるピンチをマインドフルネスの教えで切り抜けていく様は、痛快で笑いがこみ上げてくる。
またビョルンが見事な話術で周りを言いくるめる様も見ていて気持ちが良い。
口達者な主人公が言葉で危機を掻い潜るというのは物理的なバトルには無い快感がある、『逆転裁判』をプレイしている時に感じる気持ちよさに近いかも。
・そしてとにもかくにもビョルンが切れ者で有能なのだ、この主人公が失敗するところがあまり想像できない。
しかも異常なまでにメンタルが強くとてつもないほどの度胸がある。
いくら弁が立とうが物怖じして挙動不審になっては何の意味も無いが、ビョルンには一切それがない。
持ち前の話術と度胸、そしてマインドフルネスの教えで全てを丸く収めていく。
なので”この後どうなっちゃうんだ!?”というドキドキハラハラよりも、”この状況をどう切り抜けてくれるんだ!?”というワクワクの方が強いドラマだった。
・そしてこのドラマ、Netflixでは珍しく1本30分8エピソードと短くまとまっていて非常に観やすい。
おかげで話もテンポ良く進んでいくから観ていて飽きが来ない。
個人的にはここの評価点もかなり高いかもしれない、”観やすい”というのはそれだけで作品の評価を上げる重要な要素だ。
ちょっと長めの映画ぐらいの感覚で視聴できるし、1日あれば観終えられる。
そういう点でもおススメだ、シーズンも1しかないしね。
・先月Netflixに加入して少ないながらいろいろ視聴してきたが、現状誰かにおススメを聞かれたら真っ先にこの作品を挙げる。
ここまで読んで興味があれば、この痛快ブラックコメディでマインドフルネスを学んでみるのはいかがだろうか。