
サンコウチョウ
森の入口で、黒紫色の尾の長い鳥が大きな樹の枝に止まってこちらを見ていた。
わたしは思い切って尋ねてみた。
「髪の毛のクルクルしたおじさんを見ませんでしたか?」
「ああ、半ズボンに丸い眼鏡をかけた男の人ね、さっき森の中に行ったよ。」と、鳥は答えた。
「道に迷ったのではないかしら?」
「いや、地図を持っていたから大丈夫だと思うよ。心配しなくてもすぐ戻ってくるから、キミは先に家に帰って待っていなさい。」
そう告げると、鳥は「月、日、星、ホーイホイホイ」と鳴きながらどこか遠くへ飛び去った。