いつでも、どんな世代でも、やりたいことにチャレンジできる社会を作りたい
miracoのメンバーが「なぜmiracoで活動するのか?」を語るリレーマガジン。
今回は、元保育士/元外資系コンサル勤務という異色の経歴を持つ"たある"が語ります。
「それであなた、保育園はいつ決まるの?」
2012年春、とある大手保育事業者の採用面接で役員から言われた言葉。
そんなの、こっちが聞きたい。
こっちは一刻も早く保育園を決め就業すべく、申請済みの保育園からくる返事を待っているのだ。
・・・しかし、もう一人の役員からダメ押しの一言。
「そんなに(保育園を)やりたければ、自分でおやりになれば?」
保育園に入れなくて就職も危うい母親に言う言葉でしょうか。
「保育園業界のトップが、親の現状も気持ちも理解していないんだ…。」
とてもショックを受けましたが、
「だから保育園の整備も全然進まないんだ」と同時に納得もしました。
都会のど真ん中で、1歳の子どもと二人、世界からポツンと取り残された、孤独感と絶望感。
なんでなんだろう?
これまで一生懸命、スキルアップだのキャリアアップだのと頑張ってきたのに。
子どもを産んでも、もっと世の中の役に立てるように!
と、頑張ってきたのに。
何なら、もっと保険料も税金も払うよ!
って思っているのに。
それなのに、これらの事を世間から
「仕方ないこと/当然のこと」のように軽く見られていることに、怒りがだんだんと湧いてきました。
世の中のおかしいことは直したい
私は子どもの頃から、弱い者いじめを見かけたら、どんな相手であっても正面切って「やめな!」という、不条理が嫌いな正義感の強い子だったように思います。
そんな三つ子の魂からか「世の中のおかしいことは何とかしたい」と
・公共政策に興味を持ち
・長く社会の役に立てる人間になれるよう、
・子育て後もキャリアを継続できるよう、
最短で経験値を積める方法を考えて、外資系を含むコンサル業界でゴリゴリ働きました。
しかし、その結果がコレです。
なぜ、頑張りたい人が頑張れないのか。
なぜ、みんなが必要なものが、ずっと足りないままなのか。
なぜ、市場や仕組みがかわらないままなのか。
そうしたモヤモヤから火が付いた闘志が、
「いつでもどんな世代でもやりたいことにチャレンジできる社会を作ろう」という、私自身のライフワークのテーマとなりました。
そして、みらこへの参加や、自分の会社の起業など、様々なチャレンジをすることへ繋がっていくのです。
救える範囲の限界を超える
様々な藻掻きの中で「保育園がないなら作るしかない」と
・保育園で修行→国家試験を勉強→保育士の資格取得→認可外の保育施設の立ち上げ→園長を務め→認可保育園化
という待機児童の解消に貢献する経験をしました。
ただ、大きなやりがいや達成感がある一方で、歯がゆさも感じていました。
当時の待機児童は、何万人も存在。
それだけの人が、キャリアの断絶の壁の前で待たされている。
一人ひとりの人生にとって待ったなしなのです。
そう考えた時
「1園=10人~100人程度の園をコツコツ作る方法では、解消スピードが遅すぎる。政策にアプローチする方が、多くの保護者と子どもを助けられる早道なのではないか」という思いが強くなっていきました。
そんなとき、日経新聞でmiraco代表の妙さんのインタビュー記事を見つけ、突然「はじめまして」とメールで強くなった思いを伝えました。
何かに突き動かされていたのかもしれませんが、気が付けば、国会議員の所へ一緒に会いに行くことになっていました。
遠くへ一緒に行く仲間
miracoはボランティアの市民団体で、NPOでも社団法人でもありません。
よって、参加するもしないも任意。ただとても素敵なポリシーがあります。
このポリシーは、言葉の選び方や前後関係までこだわり、運営するコアメンバーで何時間もかけて作りました。
また、miracoの特徴は個々のコアメンバーが、リーダーシップと主体性をもって活動していることです。
それができている理由の一つに、コアメンバーに入ってもらう際、どんなに小さくても自分自身が
「チームに貢献できること」
「ここでどんな成長や経験を獲得したいか」
を話してもらう機会を作っています。
その結果、お互いのCANやWILLやWANTを知っているので、
「今度これやってね」「これやってみない?」と、お互いに声をかけあうことができるのです。
もちろん忙しい時期や大変な時もありますが、各メンバーにとって「miracoの存在」が、自分の成長や、社会的貢献感を感じられる「第三の場所」=「面白い場所」であり、そうあり続けたいと思っています。
アフリカのことわざに
「早く行きたければ一人で行け。遠くへ行きたければみんなで行け」という言葉があります。
miracoの活動やコミュニティにご関心をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひ一緒に遠くへいきませんか?
(文責:たある)