企業研究(103) 3328 BEENOS/インド大型上場の承認待ちですが…
おはようございます。最近いろいろなところで名前をよくみる銘柄なので、企業研究しておきましょう。
3328 BEENOS<P>
越境EC等のEコマース事業が主力で、ベンチャー投資のインキュベーション事業も展開。Eコマースはグローバルコマース(主軸:Buyee)、エンタメ、バリューサイクル(主軸:ブランディア)の3つのカテゴリで事業構成されています。
<1> ファンダメンタル
22年9月期の業績見通しを出していないからかPERが「-」になっていますが、会社四季報の予想EPSは64.1円で、現在株価だとPERは約28.3倍想定で比較的割高。配当も未発表ですが前期が25円で利回り1.38%。特筆するようなことは特にないですね。
気になるのは信用取引の状況。倍率が高いのは売り残が少なくて、買い残が増えているから。貸借取引の貸付残を合わせて見てみると…
うーむ、売りも買いもどっちも増えてますね。よくわからん。
財務状況は、自己資本比率48.9%、利益剰余金と有利子負債もほどほどと、至って普通です。気になるのは外国人株主持株比率が37.9%とかなり高め。海外の資金を集めやすい反面、売り浴びせも受けやすい銘柄だと思います。
<2> 株価推移
うん、大体予想がつくチャート形状。コロナショックの20年3月を底に、EC活況で人気化して長期上昇トレンドに入り、21年の夏枯れで勢いを失って、年末から22年初頭の海外資金引き上げで値を下げる。21年3月のウクライナショックで底値をつけて反転しつつ、さらにまた下げトレンドにという感じでしょう。
気になるのは株価よりも下の出来高ですね。足元で異常に増えているな。時系列でみると、3/24に急に出来高が跳ねて以降、高止まりしていますね。でも、株価は上げた後に下げて、現在は3/23の終値1,823円とほぼ同水準ですね…。うーむ、買い時なのか売り時なのか、なおわからん。
<3> 業績
足元で四半期単体赤字に転落してますね。セグメント別に見るとEコマースの中のバリューサイクル事業とインキュベーション事業が足を引っ張ったようです。1Q単体の業績が悪かったこともあって2~3月に株価を落としたんでしょう。下記は1Q決算発表資料の利益計画進捗の説明です。
<4> 5/10上期決算発表に合わせて材料発表?
多分、これが足元で出来高急増の理由でしょう。
Droom社は、インド最大の自動車流通プラットフォーム「Droom」を運営しているようで、上場申請は下記の記事が詳しいのでご参照ください。
昨年11/16に発表があったということで、上期決算発表予定の5/10で約半年、そろそろ承認が降りる頃なので出来高が急増しているんでしょう。詳細は不明ですが、かなりの大型上場になりそうなので、株価にインパクトがあるのではということかなと思います。
なお、直近のIPO案件である「GoToGroup」のインドネシア証券取引所への上場承認の際には約+1,000円くらい株価を上げていますね。今の株価水準はその上げ値を半値消したくらいの水準です。
<5> 売買戦略
Droom社の上場承認が降りた場合の株価推移をイメージしましょう。
・ 連騰で+1,000円くらい上昇(1,800→2,800)
・ その後、半値戻し(2,300)
多分、5/10決算発表で材料が出てプラスに反応すれば、まぁこんな感じで動くでしょう。
ただし、以下のリスクあり。
❶ 5/10に期待通りの材料が出ない場合、急落するリスクあり
❷ 材料が出ても「株価に織り込み済み」の可能性があるので、「出尽くし感」で急落するリスクあり
ということで、リスク承知で博打しにいくなら、5/10までに買いましょう。5/2は市況が悪いと思うので、1,700円後半が網張りポイントでしょうか。
リスクを抑えて確度高く儲けたいなら、決算通過後にもし株価が急騰したら+1,000円を目途に売り建てして、株価が落ちてくるのを待ちましょう。
なお、個人的な株価適正水準は1,000円前後で、外国人持ち株比率が高い銘柄なので、どんな場面からも株価が急落リスクはあると思います。高値からの売り建て以外は全くおススメしません。
(16:10追記)
上場承認受けて数ヶ月のロックアップ期間があるので、利益計算には影響がないのかな。さらに株主還元方針を確認すると、インキュベーション事業の利益還元は自己株式取得みたいなので、やっぱり買い急がなくてもいいかなと思います。急落リスクもそれなりに高いと思いますよ(º_º)