三体問題
冬は空気が澄んでいて、夜空を見上げると美しい星空を見ることができます。
冬の夜空は、オリオン座やおうし座、おおいぬ座など、たくさんの星座を見ることができます。
星座以外でも、オリオン大星雲やすばる(プレアデス星団)などの多くの星の集まりを見ることができます。
夜空に見える星の総数は地球上の砂粒よりもはるかに多いそうで、天体望遠鏡などを使うと、さらに多くの星々を観察することができると思います。
しかし、私たちが慣れ親しんでいる夜空の星々が、400年もの長い間、天才と呼ばれた物理学者や数学者を苦しめてきたことを知りました。
これは『三体問題』と呼ばれています。
この問題は、いまだに解決していません。
今回は、この三体問題について、以下の内容で書いていきたいと思います。
(1) 三体問題の概要
(2) 一体問題・二体問題
(3) 先人たちの考え
(4) 根本が間違っている?
(1) 三体問題の概要
三体問題の『三体』とは、『三つの天体』という意味です。
それの何が問題なのかというと、天体が三つあると、その運動の軌道を表す一般解が求められないのです。
ここに三つの天体A・B・Cがあるとします。
三つの天体A・B・Cは、万有引力の影響をお互いに受けています。
万有引力は、各天体の大きさや、相手の天体までの距離によって、与える影響が変わってきます。
さらに、各天体は静止しておらず、常に動いています。
天体Aの位置を求める方程式には、天体Aが移動する向きと速さ(つまり加速度)を表す関数及び、天体Bと天体Cの加速度を表す関数が含まれます。
天体Aの位置を求めるため、最初に天体Aの加速度を求める方程式を解いて、次に天体Bの加速度を求める方程式を、最後に天体Cの加速度を求める方程式を解けばいいと考えがちですが、天体 Bも天体Cも移動していますので、それぞれの加速度の値は刻々と変化していきます。
400年前の科学者たちには、この複雑に絡み合った方程式を解くことは不可能のように感じられました。
その後、著名な科学者たちの様々な挑戦が始まるのですが、ここではまず、天体が一つ、または二つしかない場合、それがどのように動くのかを確認しておきたいと思います。
(2) 一体問題・二体問題
便宜的に一体問題、二体問題とタイトルをつけましたが、『一体問題』とは、宇宙空間に天体がただ一つだけ存在した場合、『二体問題』とは、宇宙空間に天体が二つ存在した場合の、それぞれの天体の動きだと理解してください。
① 天体が一つだけの場合
①の場合、ニュートンによれば、その天体はずっと静止し続けるか、等速直線運動を永遠に続ける(第一法則。いわゆる慣性の法則)ことになります。
② 天体が二つの場合
②の場合、ケプラーによれば、二つの天体は楕円軌道を描きながらそれぞれ回転します。
ただし、楕円軌道を描くのは、二つの天体の距離が有限な場合です。
各天体が無限に離れることが可能なら、放物線や双曲線も考えられます。
このように、天体の数が二つまでなら話は簡単なのですが、これが三つになると、途端に話が難しくなります。
三体問題についての先人たちの考えを、一部紹介していきます。
(3) 先人たちの考え
先人たちは、三体問題を解くにあたり、いきなり全体を統治する法則となるような『一般解』を求めるのではなく、まず特殊な状況を設定し、そのことについての『特殊解』を求める方法から着手しました。
① オイラーの直線解
スイスの数学者レオンハルト・オイラーは、三つの天体のうち一つを、他の二つの天体よりも小さいという状況を設定しました。
つまり、三番目の天体の質量を無視できるほど小さいとしたのです。
そうすれば、大きな二つの天体については、前述の二体問題と同じですので、すでに解があります。残る小さな天体に対してだけ、方程式を解けばいいことになります。ただし、この方程式はまだ解けていないようです。
またオイラーは、次の場合も考えました。
三つの天体が一直線上に並んだまま、共通の重心を中心として回っているという状況です。
なんとも虫のいい設定ですが、三つの天体の質量と距離をうまく設定すれば、この状況は実現できるそうです。
② ラグランジュの正三角解
イタリア生まれの数学者ジョゼフ=ルイ・ラグランジュは、三つの天体が全て同じ質量で、しかもそれらは全て等距離、つまり正三角形に配置され、共通の重心で回転している状況を設定しました。
これは、各天体に働きあう万有引力と、回転によって生じる遠心力が釣り合えば、実現可能だそうです。
この考えはのちに発展して、質量の異なる三つの天体でも正三角形の位置関係になるとされました。そして実際、太陽と木星の距離を2辺とする正三角形の残った頂点付近に、小惑星がたくさん存在することがわかりました。
しかしその後、微分や積分を用いた計算などを持ってしても、三体問題の一般解は得られませんでした。それどころか、求積法や無限級数の形の方法を用いても、三体問題は解けないことが立証されてしまいました。
(4) 根本が間違っている?
ここまで三体問題について書いてきましたが、夜空を見上げると、天体は三つどころか、それこそ無数に存在しています。
その天体が三つ同時に存在することすら証明できないということは、大元が間違っているのではないでしょうか。
この問題を解く際、一番のネックになっているのは、ニュートンが提唱した万有引力だと思います。
彼は、地面に落ちる林檎を見て、『林檎は地面に落ちるのに、なぜ月は落ちてこないのか』と考え、万有引力を発見したと言われています。
ニュートンの説によると、『月は地球の中心に引っ張られて落ちているが、地球が丸いため、ぶつかる地面がないから永遠に落ち続けている』とされています。
しかし、地球はフラットであり、球体ではありません。
そうなると、ニュートンが唱えた『月は丸い地球の中心に引っ張られ続けている』という説も嘘であり、万有引力の存在も嘘だということになります。
星々を空に浮かばせている力が何なのか、今の私にはまだわかりませんが、引力が存在しないのは事実だと思います。
さらに、ロケットや人工衛星が宇宙に飛び立つ様子がテレビで映されたりしていますが、実際に宇宙には行けていないようです。
下の動画は、スペースX社が開発したファルコン9の打ち上げ映像ですが、大空にある水の中を移動している様子がわかります。
地上だけでなく、空にも水があるということは、聖書に書かれてあります。
神は言われた。
「水の中に大空あれ。水と水を分けよ。」
神は大空を造り、大空の下と大空の上に水を分けさせられた。そのようになった。
(旧約聖書 創世記 第1章 6節〜7節)
聖書の記述が真実であることが、ここでも明らかになりました。
最後に、私が撮影したオリオン座の写真を掲載いたします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参考文献:
三体問題 天才たちを悩ませた400年の未解決問題
浅田秀樹 著