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フリーメイソン(イルミナティ)と音楽 その2
前回の記事で、フリーメイソンと音楽はとても関係が深いことを書きました。
クラシックの音楽家たちにも、サリエリやハイドン、メンデルスゾーンなど、フリーメイソンの一員であった可能性が高いとされる人物がたくさんいますが、前回の続きとして、今回は、モーツァルトを取り上げてみたいと思います。
2 フリーメイソンの一員だったクラシックの音楽家、特にモーツァルト
(1)モーツァルトについて
モーツァルトは、1756年にザルツブルグで生まれました。
彼は1784年12月14日にウィーンのロッジ『慈愛』に入団し、『徒弟』になっています。
その三週間後、1785年1月7日には『職人』に昇進しています。わずか三週間での昇進は、ふつうより早いそうで、それだけモーツァルトが重用されていたということでしょう。
モーツァルトは、一説にはその6日後には『親方』に昇進したとされており、超スピードで昇進したようです。
モーツァルトが作曲した音楽には、『フリーメイソン葬送音楽K477』や、『愛する兄弟たちよ、今日こそK483』『汝ら、われらの新しき指導者よK484』『われらが喜びを高らかに告げよK623』などのように、実際にロッジの集会で演奏されるために作曲した作品もありますが、私たちに最も馴染みがあるのは『魔笛K620』でしょう。
(2)魔笛に見られるフリーメイソンの象徴
前回の投稿では、フリーメイソンの象徴についてもいくつか触れました。
(転載ここから)
『太陽』…不滅、復活を象徴。
『星空』…悪、闇、反啓蒙主義などを象徴。
『全能の目』…三角形の中にある目。
『市松模様』…黒と白を交互に並べた模様は、対立する二つの原理を象徴。神殿の床に描かれる。
『三』…身体的、精神的、知的を象徴。
(転載ここまで)
そこに注意しながら曲をもう一度見直すと、『魔笛』冒頭の序曲は、♭が3つある『変ホ長調』で書かれています。
![](https://assets.st-note.com/img/1728101598-1L6iHE5wXIN2lajY7peWBOTR.jpg?width=1200)
前回の記事でも書きましたが、『♭が3つ付く調性』はフリーメイソンの象徴です。
(転載ここから)
『♭や#が3つ付く調性』…フリーメイソンの大切な『三』を象徴。
(転載ここまで)
さらに、♭という記号は数字の『6』に似ています。
♭が3つというのは、『666』の暗喩かもしれません。
また、主人公タミーノは、日本の狩衣を着ています。ヨーロッパから見て日本は東方に位置し、日が昇る国として知られています。
太陽も、フリーメイソンにとっては重要な象徴です。
その後登場する3人の侍女、3人の童子、神殿の3つの門など、3が多く見られます。
夜の女王は、これもフリーメイソンの象徴である『星空』を具現化したものでしょう。
神殿にたどり着いたタミーノは、ザラストロと出会います。ザラストロは劇中の対話の中で「七重の太陽の輪」を身につけているとされており、エジプトの神である『イシス』や『オシリス』を崇拝するアリアを歌います。
ザラストロの語源は、ゾロアスターであるとされています。
さらに、前回の記事で書いたとおり、古代のフリーメイソンだったとされるピタゴラスはゾロアスターの弟子であり、イシス密儀を伝授されたと言われています。
(転載ここから)
また、『ピタゴラスの定理』で有名なギリシャの数学者ピタゴラスが率いたピタゴラス教団は、古代のフリーメイソンだとされています。
ピタゴラスは中近東やアジアを広く旅をして、エジプトのイシス密儀を伝授されたとも、ペルシャの預言者ゾロアスターの弟子であったとも言われています。
(転載ここまで)
ザラストロは太陽を表しており、また、ゾロアスターやイシス密儀にもつながります。
ザラストロの存在は、フリーメイソンの教義を具現化したものだったのかもしれません。
そして第二幕の冒頭、ザラストロと僧たちの対話で、三和音が響きます。
![](https://assets.st-note.com/img/1728103016-TEkoXIlKfA5vVBLj3u2mF4N0.jpg?width=1200)
このリズムパターンは、前回の記事で書いたフリーメイソンを象徴するリズムの型そのものです。
(転載ここから)
『手拍子のリズム型』…徒弟は「タ・ター・ター(短・長・長)」、親方は「タ・ター・ター、タ・ター・ター、タ・ター・ター」と決まっている。
(転載ここまで)
図2では、「タ・ター・ター」を3回繰り返していますので、タミーノを「親方」に昇進させる意向があることを表していたのでしょうか。
その後、タミーノと、夜の女王の娘パミーナは、二人揃って試練を受けますが、その様子はフリーメイソンの入団儀式そのままです。
(吉田 進 著「フリーメイソンと大音楽家たち」より転載)
志願者は黒い布で目隠しされ、先輩メイソンに導かれて、「神殿」へ足を踏み入れる。
ここで、フリーメイソンが「旅」と呼び習わす四つの試練を受ける。錬金術の基本元素「火」・「水」・「気」・「土」になぞらえた、象徴的な試練である。
(転載ここまで)
魔笛の後半、鎧を着た二人の男が歌う二重唱に、以下のような歌詞があります。「wird rein durch Feuer, Wasser, Luft und Erden(火、水、風、土を通して純粋になる)」
フリーメイソンの入団儀式の試練の内容が、歌詞にそのまま使われています。
モーツァルトは、1791年9月28日に魔笛を完成させたと言われていますが、そのおよそ2か月後、1791年12月5日にこの世を去りました。
魔笛で、フリーメイソンの秘密を明らかにし過ぎたために暗殺されたという説もありますが、真偽のほどはどうなのでしょうか。
このフリーメイソンの象徴ですが、実は現在の音楽でも見受けられることがあります。
それについては、また次回の記事で書きたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参考文献:
『フリーメイソンと大音楽家たち』 吉田 進 著
図1・図2ともに市販の楽譜を元に、自分で記譜