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シティリーグS3優勝 未来軸赤ロスト

はじめに


 どうもこんにちは。ミラクルローグです。今回は3月9日開催されたシティリーグで優勝した未来ロスバレの構築記事です。

 クリムゾンヘイズで実装されるアンフェアスタンプでロスト基盤のデッキが軒並み辛くなってしまいそうなので、余命わずかな我が子を少しでも界隈の皆様に知ってもらいたいと思って書いています。

 書いてる日付はシティリーグの開催日前なのであまりに時期尚早ではあるんですが、構築経緯やプレイ方針を言語化しておいて、自分で何度も見返すためのnoteです。読みやすさは保証しません。
 
 なのでもちろんこのnoteは無料公開です。

 クリムゾンヘイズの発売まであまり時間が残されていませんが、もしシティリーグを間近に控え、いいリストがないとお困りの方がいたら、選択肢の一つに加えてもらえたら考案者冥利に尽きます。

 挨拶はここまでにして、以下デッキ構築の経緯や解説を書いていきます。

構築経緯


 そもそもなぜロストを握ったかといえば、一番使い慣れていたからにほかなりません。戦績は振るわなかったものの、S1とS2のシティリーグには【赤ロスト】を持ち込んでいました。
 S3でエーススペックが追加され、【ロストギラティナ】や「かがやくゲッコウガ」入りの【ロスバレ】も久しぶりに試してみましたが、あまりしっくり来ませんでした。そこで、プレイに慣れている赤ロストを握った上で、今度こそちゃんと勝てる山を作ってやろうと意気込んだわけです。

 赤ロストを握る上で目下の課題はもちろん「ナンジャモ」「ツツジ」などの手札干渉札です。かがやくゲッコウガを採用できるロストギラティナやロスバレと違い、赤ロストが手札干渉を受けながら毎ターン理想に近いプレイをするのは本当に難しいです。
 現環境ではやはり【リザードンex】のナンジャモ連打が特に厳しいと感じました。既存の「トドロクツキex」を採用した赤ロストではサイド4枚を取ったあとのナンジャモで手札を2枚にされ、トップで3枚、その後のはなえらびでさらにカードが2枚捲れますが、「リザードンex」を越えるためには

1.トドロクツキex(ネストボール)
2.ミラージュゲート 
3.手張りの悪エネルギー(ミラージュゲート2枚目

が最低限必要です。さらに、相手がバトル場を「かがやくリザードン」で終えた場合は

4.ボスorカウンターキャッチャーorプライムキャッチャー

が必要になります。もっと言えば「すごい釣り竿」も…。
 実際は「ポケギア3.0」で返しの必要札を揃えやすくしたり、「ともだちてちょう」の採用などで山札を強くする動きをすれば最終盤面でリザードンexを倒しきることは可能だと思います。そもそも私のゲーム中盤〜終盤の山作りが下手なだけの可能性もありますしね。

 ただ、シティリーグなどに赤ロストを持ち込んだ際にリザードン相手に最後のナンジャモで負けたくない、負けづらいデッキ構築をしたいと考えました。
 そこで採用に至ったのが「テツノイサハex」です。このカードはリザードンに対して弱点を付ける上に、自身で盤面に散らばったエネルギーを集約する特性を持っています。
 ロストギラティナを使用したことのある方なら馴染みがあると思いますが、ロスト基盤でこのカードを採用する場合、相手がナンジャモを打つ前のターンに釣り竿やミラージュゲートを掃き切り、手札干渉された返しにイサハの現物を引き込めばそのままリザードンexをワンパンすることができます。
 「ミラージュゲートや釣り竿といった必要札をあらかじめ使用(デッキ圧縮)することで結果的に手札干渉に強くすることができる」
 これは対リザードンを考えた際にトドロクツキexと差別化できる大きなポイントだと感じました。
 そうして既存のトドロクツキex入りの赤ロストのリストからトドロクツキexと悪エネルギーを抜き、代わりにテツノイサハexと草エネルギーを入れてみました。
 この時点でかなり感触は良かったんですが、福岡CLを境に増加した【ルギア】に対して苦戦を強いられることが目に見えていたので、「テツノカイナex」をねじ込みました。
 ここで一度リストを貼っておきます。

シティリーグ使用リスト

 赤ロストと言いながら、既存の「かがやくゲッコウガ」入りのロスバレとの違いは「かがやくリザードン」と「基本炎エネルギー(2枚)」くらいだと思います。 「ロスバレのようなリストからかがやくゲッコウガを抜いてこのデッキは本当に回るのか」 ごもっともな指摘です。ですがこのリストはボールが11枚、入れ替え札が7枚(プライムキャッチャー除く)と既存のトドロクツキex入りの赤ロストからボールや入れ替え札の枚数はほとんど妥協しておりません。再現性は高いデッキだと自負してます。 続いて、採用カードの個別解説に移ります。

【採用カードの個別解説】

◇ポケモン
〇キュワワー4
説明の必要なし
〇ウッウ2
【リザードン】やロスト対面で序盤にサイドが取れるボウルタウン対応のアタッカー。他の対面でも打点調整やかじばのいっぱつを打つために序盤~終盤まで山にいてほしいカードなので減らせません。アビスシークの択がある【ロストギラティナ】以外は2枚が安定だと思います。
〇ヤミラミ1
「ジラーチ」の登場に加え、「クララ」のレギュ落ちもあり使用頻度はかなり減りましたが、序盤でウッウを動かし、HPを削ったポケモンをロストマインで回収する動きなど、さすがに必要な場面が多いので1枚。「アローラロコンVSTAR」単騎にはこいつでかじばのいっぱつを宣言します。
〇マナフィ 2枚
【パオジアン】や【サフゴパルキア】などにノーガードを決め込むのは恐ろしいので1枚は必要だと思います。2枚目の採用はとても悩んだのですが、対パオジアンにおいて「キャンセルコロン」+「プライムキャッチャー」+げっこうしゅりけんを打たれてしまうと、復帰が非常に厳しくなってしまいます。こちらがゲッコウガ軸のロスバレであれば、先にテツノカイナexを動かせる可能性も高く、またキャンコロ手裏剣を食らった返しにロストマインでマナフィを取り、パオジアンやビーダルへ打点調整をすることで、「ツツジ」「カウンターキャッチャー」と合わせた手裏剣で相手が動かないターンを作ることができます。しかしこのデッキは赤ロストを基盤としているため、キャンコロ手裏剣のカウンタープレイがほとんどなく、その後のターンでカイナにごっつぁんまでされてしまうと負けてしまうため、泣く泣く2枚目を採ることにしました。
〇テツノツツミ
過労死枠。【古代】の「ハバタクカミ」を避けるだけでなく、リザードン対面でサイド1枚を取るために使ったり、1-1-1-2-1のサイド進行で詰み盤面を作るのにも使います(後述の【各対面のプレイ方針】で詳しく解説)。後はロスバレ対面や【ルギア】対面でごっつあんプリファイを無理やり通すために使います。釣り竿で戻すカードに余裕があれば戻すことが多いです。
〇テツノイサハex
このデッキの軸を担うエース。リザードン対面以外にも古代や【アルセウス○○】、盤面次第ではルギア対面でも使います。後述の【各対面のプレイ方針】でも登場頻度が高いです。
〇テツノカイナex
相手に使われると嫌なカードですが、自分で使ってみるとそのパワーに魅了される1枚。対ルギアやロスバレ、【ピジョリザ】相手に使います。カイナと雷エネルギーの採用だけで勝てるようになる対面がかなり多いです。
〇かがやくリザードン
説明不要のエース。相手の「テツノカイナex」の返しなどにサイド1-2交換できるのが最高。

◇グッズ
〇入れ替えカート4、ポケモン入れ替え3
過不足なし。
〇ボール(ネストボール4、ポフィン3、ヒスイのヘビーボール1)ボウルタウンも3あります。
少し多めの採用です。ネストボールは終盤の山に残っている方が嬉しいので、あまりロストしないようにしましょう。
〇ミラージュゲート4
最近は赤ロストでも4枚採用が主流になってきましたね。どの対面でも2~3枚は使います。
〇すごい釣り竿3
花選びTierSSSのカード。ロスバレやロストギラティナではよほどのことがないとロストしませんが、このリストなら1枚までならまあ許容かなといった感じです。それでもほとんどロストしません。
〇プライムキャッチャー:カウンターキャッチャー
1枚ずつの採用。アクロマとセットで打てるグズマより優先すべきエーススペックは現状ではないと思います。当初はカウンターキャッチャーの枚数がもう1枚多かったのですが、テツノツツミが疑似的なカウキャになる場面があったので1枚で足りるとの判断です。
〇ロストスイーパー
 1枚あると【未来(カウンター)カイナ】対面に勝ち筋が生まれます。古代対面にもかなり楽ができますし、1枚はあったほうがいいと思います。レギュ落ち前によくあった、自分のスタジアムやポケモンのどうぐに当ててロスト7~10を目指す動きはほとんどしません。残しておいたほうが勝ち筋を生むカードだと思います。
〇ポケギア3.0 2
「かがやくゲッコウガ」の隠し札なしでアクロマに触りやすくするため2枚は必要だと感じました。終盤に手札干渉をされた返しでツツジやボスに触りやすくするためのカードでもあります。3枚目を採用すると段違いにサポートに触りやすくなるため一考の余地ありです。

◇ポケモンのどうぐ
〇ワザマシン かじばのいっぱつ
使う対面が非常に多い1枚です。HP280のルール持ちポケモンを最終ターンに狙う対面(アルギラ、ロスギラ、ピジョリザ)に使います。また、クララのレギュ落ちに伴いかがやくリザードンを終盤2ターン連続で繰り出す要求が上がっているので、未来(カウンター)カイナやパオジアンといった対面にもかがやくリザードンの代わりにウッウとセットでよく使用します。また、ピジョット型ではないリザードン対面でも使用するケースがあるので後述の【各対面のプレイ方針】で説明します。

◇スタジアム
〇ボウルタウン3
【アルギラ】等の「ポケモンリーグ本部」をはがすためにも山札に残しておきたいカードです。3枚は少し多めの採用ですが、ネストボールは極力終盤のかがやくリザードンやテツノカイナを呼び出すために残しておきたいため、序盤にキュワワーやマナフィがポフィンなどで盤面に置けた場合でも、ウッウやテツノツツミにネストボールを使わずに場に出すためのカードとして欲しいです。またシティリーグはほぼ一度も負られない仕様と考えているので、序盤の種切れによる負けを減らすためにもボール枠の嵩増しは必須だと考えました。

◇サポート
〇アクロマの実験4
説明不要
〇ツツジ2
手札干渉は可能であれば3枚欲しいですが、枠がないのでナンジャモはあきらめました。非ルール軸のロストミラーではサイド4→3か4→2と進行する際に相手に「ツツジ」を打たれないように「ナンジャモ」を打つプレイがしたくなりますが、もともと有利な対面なので必要ないと判断しました。相手の手札干渉の返しで引いた際、自分が引ける枚数がツツジのほうが多いため、ツツジを減らして1-1でナンジャモを採用することは考えていません。
〇ボスの指令
呼び出し札は「テツノツツミ」がいても3枚は欲しいです。exを先殴りする際やごっつあんプリファイを2ターン連続でプレイする際など、「カウンターキャッチャー」では届かない場面があるので1枚はボスにしました。

◇エネルギー
〇草3雷2炎2超2
「テツノイサハex」がギリギリ動ける枚数、サイド落ちを考慮しなければ「テツノカイナex」がアームプレスまで言える最低枚数、「かがやくリザードン」がサイド落ちに関わらず起動できる枚数、「ヤミラミ」がサイド落ちに関わらず起動できる枚数、です。
現状増やすことはあっても減らすことは考えていません。枠があれば草エネルギーを1枚増やしたいところです。

【不採用カード】


シティリーグのリストでは採用に至らなかったものの、枠があれば採用したかったカードたちです。このデッキを使用する際の自由枠と思ってください。

〇緊急ボード
 今回は不採用でした。既存の赤ロストでは2枚採用のリストが多いですが、これには理由があります。この構築ではエネルギーの枚数が9枚と多めに入っていますが、かがやくゲッコウガを採用していない都合上、隠し札と釣り竿を合わせて手札に来たエネルギーを山に戻す動きができません。能動的に手札に来たエネルギーを山札に戻すには、キュワワーに手張りをして逃げエネとしてトラッシュしてからすごい釣り竿をプレイする必要があります。この動きは手札に緊急ボードがあっても変わらず、基本は毎ターンエネルギーを切ってキュワワーを逃がすことになるため、最終盤に手札干渉される前のターンに貼る1枚で足りるという考えです。
さらに言えば、このリストでは最終盤面でナンジャモやツツジを打つデッキに対してはミラージュゲートを使うことでキュワワーに逃げエネを貼っておく動きができます。
 また手札干渉を最終盤に打ってくるデッキはリザードンやロスバレが筆頭ですが、対ロスバレには構築段階で有利なことから、緊急ボードがないことで勝率が急激に下がるということはないと判断しました。
 対リザードンに関しては、そもそもイサハexがポケモン入れ替えの効果を内包した特性を持っているため、緊急ボードを付けたキュワワーがいてもいなくてもそう代わりはないと判断しました。(めちゃくちゃ長い言い訳。早口で言ってそう)

〇ジラーチ
 【ロストギラティナ】に勝つための1枚。このカードも当初はずっと1枚採用して使っていましたが、マナフィの2枚目に枠を取られたため不採用となりました。不採用の理由というか言い訳ですが、対ロスバレを考えた際にお互いにヤミラミのロストマインをプランに据えることが少ないことが要因となりました。後述の【各対面のプレイ方針】でも書きますが、ロスバレミラーでは主にサイドを4:4と揃えたのち、テツノカイナを投げ合う展開になるケースが多いです。相手のベンチが埋まっていない状態でロストマインでサイドを取らないターンを作ると、いざ相手がジラーチを採用していた場合にターンの有利が逆転してしまうため、基本はテツノカイナを通しに行くプランが優先されると思います。なので、ロスバレミラーにおいてはジラーチが勝敗に絡むケースはまず少ないだろうという判断をしました。
 次に肝心の対ロスギラですが、これは相手がアクロマ+アビスシークでロストを貯める動きをしてきた場合、ジラーチを採用していないとほぼ負けます。相手が先にロストマインを宣言し、キュワワーやマナフィラインをぐちゃぐちゃにされてしまうからです。
 ただ、前提条件として相手がアビスシークを宣言するのかと言われると、かなり要求値が高いと感じました。
 というのも、後1でアビスシークを宣言すること自体は簡単ですが、相手目線はこちらの「トドロクツキex」が匂って、ベンチにもう1体ギラティナを置く必要があるからです。先2カラミティストームは確かにかなりの上振れですが、先1でキュワワーが花選びを3回宣言できているとかなり臭いです。そのような盤面であれば、ベンチにもう1体のギラティナを置きつつアビスシークをするよりも、ウッウのおとぼけスピットを狙う方が負け筋がないと考えた相手がアビスシークを打たないことを祈ります。
 また前日にスリーブを替えている最中、デッキに「パオジアンとギラティナどちらに負けたくないか」と尋ねたところ「パオジアン」との返事が返ってきたのでマナフィ2枚目の採用としました。

【採用エネルギーの見せ方/隠し方】

 各デッキごとのプレイ方針に移る前に、複数のデッキに共通する立ち回りについて解説します。

 主に「ビーダル」を採用した【リザードン】、【ロスバレ】に対してですが、こちらのデッキに入っているエネルギーの色を極力誤認させるようにします。先述の通り、このリストと一般的な「かがやくゲッコウガ」入りのロスバレで、ゲッコウガが入っていないと判別できるカードは3枚だけです。この2つの対面に関しては「基本ほのおエネルギー」と「かがやくリザードン」を極力見せないように序盤のゲームを進めます。
 序盤というのは本当に最初の1、2ターンだけで、ロストの枚数が4、5枚のタイミングで番を終えるまで炎エネとかがリザを隠せば良いです。理由は「マナフィ」をベンチに置くことを相手に強制させるためです。
 対リザードンとロスバレで相手のベンチにマナフィがいる利点は違いますが、どちらも「テツノツツミ」の存在が大きく関わってきます。

 まずリザードン対面では、極力殴ってくる「リザードンex」を避けてサイドを進めます。その際、「テツノツツミ」を使って相手のベンチのサイド1ポケモンを差し出してもらう必要がありますが、そこでマナフィを選択してもらうためです。

 相手が「かがやくゲッコウガ」を警戒してマナフィを置いた後、こちらが炎エネを逃げエネなどで使うと、相手はマナフィが「ベンチを圧迫する不要札」に見えてきます。そこに「テツノツツミ」の特性を使うと相手は「ビーダル」や「ヒトカゲ」よりも優先してマナフィを差し出してきます。そうなると、こちらはカウキャやボスなど枚数が限られた呼び出し札を使わず、釣り竿などで再利用が効くツツミでサイドを進めることができるので、試合全体で見た場合にカードを節約することができます。
 【ピジョリザ】相手では「ビーダル型」と逆で、炎エネを見せるプレイができるといいです。炎エネが見えた場合、多くは相手の思考から「テツノカイナex」の線がほぼ消えるため、「ピジョットex」をアームプレスで取れる可能性があります。リザードン相手には相手のベンチに並んだシステムポケモンの種類によって見せる/隠すエネルギーの色を決めましょう。

 次に対ロスバレですが、こちらは少し複雑です。以前の環境であれば、「キュワワー」2体とマナフィを置いてもらえると、1回目の「ヤミラミ」のロストマインで60.60と載せることで、相手が入れ替えカートを2枚使わなければ、2回目のロストマインで3枚のサイドを取ることが可能でした。
 ただ、現状そのプランが通せるかというと、「クララ」のレギュ落ちに伴ってヤミラミ連打の要求が上がり、また相手の「ジラーチ」の採用次第では1ターンパスしたことになってしまう可能性もあり現実的ではありません。

 ではなぜマナフィを置いてもらえると得なのか。それはベンチを圧迫させられるからです。
 非ルール軸のロスト基盤のミラーマッチでは基本的にウッウでサイドを4:4と揃えた後、先に「テツノカイナex」を起動させた方が有利です。

 こちらが先にカイナを起動させた場合、また「フーパex」の採用がなかった場合に限りますが、相手目線、カイナを「トドロクツキex」のくるいえぐるで取ると、おとぼけスピットやかいてんアタックでも負けてしまうため、こちらのカイナを無視して「ツツジ」「カウンターキャッチャー」「ミラージュゲート」でテツノカイナexを起動させるケースがあります。
 
 こうした場合に、こちらは手札干渉をされた返しに
 ①相手のテツノカイナexを倒す
②裏の非ルールを呼んで、無傷のテツノカイナexでもう一度ごっつあんプリファイを宣言する
のどちらかのプランを通す必要があります。②のプランを選択する際、ボスの指令やプライムキャッチャーを引かなくても、相手のベンチにHPが120以下のポケモンしかいない場合、ボウルタウンなどからテツノツツミをベンチに置けた時点で勝利することができます。
 ここでベンチにマナフィを置かせたことが活きてきます。
相手の盤面は
バトル場 テツノカイナex
ベンチ キュワワー×2、ジラーチ、マナフィ、かがやくゲッコウガ
 こういう形になっています。
 もうお気づきですね。相手はマナフィを置いたことでごっつあんプリファイを受けられるポケモンをベンチに置くスペースがありません。
 お互いに採用しているスタジアムが「ボウルタウン」である以上、ロストスイーパーも揃えなければテツノツツミの特性を封じることができないため、非常に有利にゲームを進めることができます。これがロスバレ相手に序盤、炎エネを隠してプレイする理由です。

 【ルギア】相手ではまた、「基本炎エネルギー」や「かがやくリザードン」を見せることで「チラーミィ」よりも「カビゴン」を優先して置かせるなどのプレイが可能です。これをすることでテツノカイナをワンパンできるポケモンが盤面にいない状態を作れる可能性があり、夢のアームプレス→ごっつあんプリファイを通すことが可能になります。
 
 以上がこのデッキを使う上で複数のデッキに共通した「デッキに入っているエネルギーの色を誤認させる」という立ち回りです。相手がきちんと環境デッキのリスト把握をしているほど、エネルギー1枚を見せるか隠すかでデッキタイプを誤認させ、ゲームを有利に運ぶことができます。

 ただ、そもそも特定のエネルギーの色を隠せるかどうかはかなり運次第で、逃げエネの選択肢がないことも多いです。ですが、手札に2種類以上のエネを同時に引いたときやロストでエネルギーが捲れたとき、「このエネルギーは相手に見せたほうがいいか、見せないほうがいいか」を考えてプレイすると、かなりテクニカルで面白いです。
 このデッキを使ってみる場合には、頭の片隅に入れて置いて損はないと思います。

【各対面のプレイ方針】

 次に環境デッキごとのプレイ方針を書いていきます。デッキタイプの後ろに有利不利をフワッと書いてますが、私自身がそれぞれのデッキに明るいわけではないので「このデッキはロスバレ有利だ!ここで相手がこんなプレイをするわけがないだろ」と思っても叩かないでください。後でDMでこっそり教えてください。よろしくお願いします。

○【リザードン】 有利

一番分岐の多い対面ですが、基本は
 1-1-1-1-2もしくは1-1-1-2-1のサイド進行を目指します。
 序盤はウッウやヤミラミ、テツノツツミや呼び出し札を最大限に活用し、リザードンexを無視して気合いでサイドを3〜4枚取ります。
 サイド3枚を取った時点で手札干渉を打たれず、相手のバトル場がリザードンexで終わった場合はテツノイサハexを走らせてサイドを残り1枚にします。このとき、ベンチにかがやくリザードンを準備できると、次のターンテツノツツミ1枚で勝ちになるのでイージーウィンが狙えます。手札干渉を打たれてもイサハで走れたら一番嬉しいです。

 手札干渉を打たれてしまった場合、気合いで相手のベンチの非ルールを取ります。ロストマインやかえんばく、呼び出し札を使ってもいいのでサイドを残り2枚にします。このとき、ミラージュゲートや釣竿を打つ余裕があれば全て使ってしまいましょう。草エネをバトル場以外のところに散らし、次のターンでイサハが走れる準備をします。
 ここで相手の勘が良ければ、草エネがついたベンチのポケモンをボスで呼び出してリザードンexで取ってくることと思います。
 一見するとイサハがプリズムエッジを打つための要求が上がり、ピンチに見えますが、実はドヤ顔チャンスです。
 このデッキには「ワザマシン かじばのいっぱつ」が採用されています。イサハが特性で集めるエネルギーに色の指定はないため、炎、超、雷エネルギーでも自身に集約することができます。
 もうお分かりですね?
「テツノイサハexでかじばのいっぱつ、弱点で560ダメージ!」
 めっちゃ気持ちいいです。ヒーローマント付いてても関係ありません。

 【ピジョリザ】には序盤に炎エネルギー(なんなら使わないのでかがリザまで置いても○)を見せます。サイドを2枚取ってからツツミでハイパーブロワーチャレンジ、ピジョットexが出てきた場合はテツノカイナexのアームプレスで成敗します。ツツミが不発に終わった場合はプライムキャッチャーやボスが必要になりますが、体感8割くらいはミストエネルギーが付いたピジョットexが出てきます。
 ピジョットさえ倒せば相手が手札干渉を打てる確率は下がりますし、返しにカイナを倒したリザードンexをイサハで倒して勝てます。
 序盤非ルールを倒すのに苦戦してリザードンexにおとぼけスピットを打っていた場合は、カイナを倒しにきたリザードンexをイサハの代わりにかがやくリザードンで倒すことができれば、最終ターンにウッウでかじばを打つことでサイドが間に合います。

○【パオジアン】 有利

 この対面は相手がサイドを2枚同時に取る手段が多いため、「2枚取られた返しにこちらも2枚取る」ができないと負けてしまいます。
 具体的には、
①キャンセルコロン+げっこうしゅりけん→ごっつあんプリファイ
②ごっつあんプリファイ→かえんばく
③exポケモンにヘイルブレード→かえんばく
をそれぞれ返す必要があります。
 逆に言ってしまえば、これさえできれば勝てる対面です。
現状、シティリーグで入賞している【パオジアン】のリストには手札干渉カードが「ナンジャモ」1枚のみの場合が多いです。
 これを気合で越えられれば、勝ちの目は十分にあります。
相手が先行2ターン目でげっこうしゅりけんを打ってきた場合を例に書きます。
先2 げっこうしゅりけん 6-4
後2 ごっつあんプリファイ 4-4
先3 ヘイルブレード 4-2
後3 かえんばく 2-2
先4 ヘイルブレードorフロストスマッシュ 2-1
後4 かじばのいっぱつ→パオジアン 0-1

 相手が先行2ターン目でごっつあんプリファイを宣言してきた場合はかなりかなり厳しいですが、「かがやくリザードン」に3エネルギーを加速してかえんばくを宣言しましょう。
 ↑ここまでマナフィ1枚で書いてた内容です。普通にキャンコロ手裏剣でキュワワー2体倒されてからごっつあんプリファイまで行くの要求が高すぎました。
 マナフィを2体ベンチに置いておけばテツノカイナの返しにかえんばくを合わせるだけで勝てます。
 

〇【アルセウスギラティナ】 不利

 手札干渉や「チェレンの気配り」「フトゥー博士のシナリオ」「ビワ」がキツい対面です。
 トドロクツキもフーパも採用してないと本当に厳しいですが、一応勝ち筋がないわけではありません。
 この対面では
①ウッウorロストマイン+かえんばくorプリズムエッジ
②ごっつあんプリファイ→ビーダル
③かじばのいっぱつ
などでサイドを2枚取れるチャンスを逃さないことが重要です。
相手が「マキシマムベルト」「ギラティナVSTAR」をどこまで大事にするかで勝率が変わります。
「マキシマムベルト」や「ギラティナVSTAR」さえなければこちらの「テツノカイナex」「テツノイサハex」が2回ワザを打つチャンスがあります。
 
この2枚のカードは相手目線、非ルール軸のロスバレ相手にあまり残してもうまみのあるカードに見えませんが、「トドロクツキex」「フーパex」を警戒してギラティナを育てる動きやマキシマムベルトを山に残すプレイをしてされると少し厳しく、ターンが足りなくなる可能性があります。
 相手が「ビーダル」「ホシガリス」を2枚以上置いてきた場合は相手をしなければならないVSTARポケモンの枚数が少なくなるのでチャンスです。相手がバトル場をホシガリスでスタートしてくれることを願いましょう。

○【アルセウスロコン(ヌメルゴン)】 有利

テツノツツミがいるおかげで有利です。
ロストシティが入っていて、リザードンが一度しか使えない可能性があることには注意しましょう。
ツツミは釣竿で使い回せるので、スノーミラージュやアイアンローリングの追加効果を何度でも無視してやりましょう。
アロコンが単騎でいるようなら、特性を持たないヤミラミやテツノカイナexにミラージュゲートで無理やり3エネ付けてかじばのいっぱつを宣言しましょう。
ヌメルゴンを育成された場合は、ツツミや呼び出し札を使ってかえんばくで250を当てておけると、おとぼけスピットがアイアンローリングの軽減込みで30ダメージの計280ダメージでヌメルゴンvstarを倒すことができるので安心です。
ボウルタウンはロストシティ、リーグ本部、エイチ湖を警戒してロストしないこと。ロストスイーパーはヒーローマントを警戒して持っておくこと。

〇【古代】 微有利

 この対面では「テツノイサハex」「テツノカイナex」「テツノツツミ」が重要です。
 早めにテツノイサハを走らせ、サイドを2枚以上取ってくれることを期待します。「ブーストエナジー古代」付きの高耐久ポケモンは「ロストスイーパー」「テツノツツミ」を活用してサイドを取れるようにしましょう。テツノイサハが倒された辺りで「ツツジ」を合わせて相手の要求を上げ、「かがやくリザードン」でサイドを進めます。「ハバタクカミ」を避けてロストを貯め、最序盤におとぼけスピットを打てていると楽です。
 手札干渉がほとんどないデッキなので、最終ターンに「テツノカイナex」を起動し、かがやくゲッコウガにごっつあんプリファイを決めることで勝つことができます。
 相手が「トドロクツキex」をベンチに出してきた場合はチャンスです。「プライムキャッチャー」「ボスの指令」を絡めてテツノイサハがサイドを3枚以上取れる可能性があります。

〇【ロスバレ】 有利

【採用エネルギーの見せ方/隠し方】でも少し解説しましたが、基本はウッウでサイドを2枚取った側が有利です。
 この対面ではお互いにサイドの3枚目を先に取ってしまうと、「ツツジ」がクリティカルになってしまうため、サイドを2枚取った後にげっこうしゅりけんやごっつあんプリファイで3、4枚目を同時に取るプレイが要求されます。
 ただ、こちらは「テツノカイナex」の返しに「かがやくリザードン」を出すことで有利なサイド交換ができます。一方相手側はテツノカイナを返せるポケモンが「トドロクツキex」「フーパex」しかおらず、こちらもかがやくリザードンで返すことができるためデッキ構築の段階で有利です。
 相手のリストに「キャンセルコロン」が採用され、かつ先に2枚取りをされてしまった場合は少し厳しいですが、「ツツジ」「テツノカイナex」でこちらのテツノカイナを倒す要求を上げることで勝機があります。大谷翔平選手にあやかって普段からゴミ拾いをし、“運”を拾っておきましょう。

○【ロストギラティナ】 不利

 相手がアクロマ+アビスシークでロストを貯める動きをしてくるとかなり厳しいです。ロストマインでダメカンを調整され、2枚取りをするターンにナンジャモを合わせられると勝ちようがありません。それ以外の場合は、ウッウで1枚、ヤミラミでキュワワー1体を取りつつギラティナに打点調整、後に呼び出し札とあわせてかえんばくでVstarを取ると最終ターンにかじばの一発で勝てます。ジラーチがいると有利なんですけどね…

〇【ルギア】 五分

 「テツノカイナex」が活きる対面です。このゲームでは序盤に「基本炎エネルギー」や「かがやくリザードン」を相手に見せ、「チラーミィ」よりも「カビゴン」の方がベンチに置く優先度が高いと思ってもらいます。
 テツノカイナを返せるポケモンはチラチーノしかいないので、チラーミィさえ用意させなければテツノカイナが2回ワザを宣言できる可能性があります。
 「ルギアVSTAR」にアームプレス
 相手が「テツノカイナex」を返せず「カビゴン」前
 「テツノツツミ」でカビゴンを無視して「アーケオス」「チラーミィ」を前に出してもらい、ごっつあんプリファイ
これができると綺麗に勝てます。
序盤はカビゴンを無視してカウンターキャッチャーなどの呼び出し札でチラーミィを狩り、テツノカイナを安全に起動できるようにしましょう。
ルギア側が「マキシマムベルト」を採用していた場合は負けます。

〇未来カイナ(カウンターカイナ) 五分

 【パオジアン】同様、相手にサイドを2枚取られた返しにサイドを2枚取ることを目標にします。「ロストスイーパー」を引けるかどうかが勝敗を分けます。
 相手が後1ターン目でアクセルピークが言えた前提で書きますが
後1 アクセルピーク 6-5
先2 おとぼけスピット 5-5
後2 ごっつあんプリファイ 5-3
先3 かえんばく 3-3 ※
後3 ごっつあんプリファイ 3-1
先4 かじばのいっぱつ 1-1

で相手が後4でワザを打てないことを祈ります。
かえんばくやかじばのいっぱつを打つタイミングで「ロストスイーパー」を使い、「ヘビーバトン」をロストすることで相手のエネルギーが足りなくなる可能性があります。相手のテツノカイナに「ギフトエネルギー」がついていなければ、「ツツジ」と合わせて要求を上げられるので、勝機は十分にあります。大会の前日に予定がなければ、近隣のパチンコ店に言って喫煙所の掃除をしましょう。
※相手が「かがやくリザードン」をアームプレスで倒してきた場合、「ワザマシン かじばのいっぱつ」が使用できず、リザードンを2ターン連続で宣言する必要が出てきます。こうなると要求がかなり増えるので、少し厳しくなります。


 
【イダイナキバLO/カビゴンLO】

無理なので諦めてます。


【終わりに】

 いかがでしたか?少し毛色の違うリストの紹介でしたが、ロスバレ使いの皆様にご満足いただける内容になっていると嬉しいです。
 私はこのリストを思いついたとき、「次のシティリーグは優勝もらったな」と思っていた(なんなら周りにそう吹聴していた)くらいなので、それが本当になって一安心しました。
 JCSに出場する頃にはおそらくこのリストは使い物にならなくなっていると思いますが、勝てる時期に勝てるデッキを作れたことが何よりも嬉しいです。
 また、このnoteなどを通じて一瞬でも誰かの目に留まり、少しばかりの驚きを感じるようなリストになっていれば嬉しいです。何か質問等あれば誠心誠意答えますので、私のアカウント(@Miracle_rogue1)までお気軽にDMしてください。
 最後までお読みいただきありがとうございました。皆様のポケカライフに幸あれ。