新カード雑感:ホーントウッドの大主
ホーントウッドの大主
5/6/5に、出るか攻撃するたびに5色マナを生む土地・トークンを生成するというもの。
現代向けにマイルドに調整された原始のタイタンといった趣のカード。
兆候
目を引くのは、テキスト行の一番上に記された兆候4という記載だろう。
注釈文が記載されていないため、この効果がどのようなものであるかは推測するしかない。
まず、テキスト行の一番上に書かれていることから、この効果は戦場もしくは手札で機能するものであると思われる。
また、マナコストが記載されているにも関わらず:の記載が無いため起動型能力でないことが分かる。
すなわち、兆候4ー①GGというのは手札で機能する代替コストを表した効果と考えて良いだろう。
次に兆候コストを支払うと何が起こるか、だが、通常のマナコストよりも兆候コストの方が安いということは、兆候でキャストするとカードに印刷された姿よりも弱体化した呪文になるものと思われる。
具体的にどうなるかと言うと、「クリーチャーのタイプを失う」ことになるのではないだろうか。
理由として、わざわざエンチャントのタイプを持っているにも関わらず単体で見るとあまりにもエンチャントらしくないことが挙げられる。
マローはテーロスをデザインする際に、クリーチャー・エンチャントの制約として「エンチャント要素もクリーチャー要素も満たす必要がある」と記している。
最も、テーロス環魂記のデザインの際にはこの制約は緩くなっており、バニラのクリーチャー・エンチャントも登場しているが。
それにしても、テーロスとは無関係な新規次元でタイプ行にエンチャントと書いてあるだけのクリーチャーを出すとは思えない。
兆候でクリーチャーでないエンチャントとして戦場に出すことができるとすれば、このカードは十分にエンチャントっぽいと言えるのではないだろうか。
そして最後に兆候4の4の部分だが、この書式と非常によく似た書式の効果がすでに存在している。
それは待機である。
待機は、
「あなたは待機コストを支払って、このカードを時間カウンターN個を置いた状態で追放してもよい。」
「あなたのアップキープの開始時に、このカードが待機状態である場合、これの上から時間カウンター1個を取り除く。」
「このカードから最後の時間カウンターが取り除かれたとき、これが追放されている場合、可能ならこれをマナ・コストを支払うことなくプレイする。」
等を意味する能力である。
すなわち、「普通にキャストするコストより安いマナコストでプレイできる代わりに実際にキャストされるのは数ターン後になるよ」という能力である。
これを兆候に当てはめて考えてみると、「普通にキャストするコストより安いマナコストでプレイできる代わりに数ターンはクリーチャーじゃなくなるよ」と言う効果として考えることができる。
先ほど考えていた条件なども当てはめると、「兆候コストを支払って唱えた場合N個のナントカカウンターが乗った状態で場に出る。アップキープの開始時にナントカカウンターを1つ取り除く。ナントカカウンターが乗っている間、このパーマネントはクリーチャーではない。」といった具合だろうか。
ナントカの部分は未知だが、過去のカードとの相互作用を考えると新規のカウンターを使うより既存のカウンターを使う方が面白いだろう。
待機同様時間カウンターというのはありそうな話である。
応用して、相手のクリーチャーにナントカカウンターを乗せて数ターンの間エンチャントにしてしまう擬似除去とかもありそうだ。
すなわち、ホーントウッドの大主は「6/6/5戦場に出るか攻撃するたび5色土地を場に出すクリーチャー・エンチャント」か「3マナで場に出た時5色土地を場に出すエンチャントで、4ターン後に6/5のクリーチャーになる」の2つのモードを持つカードであると考えることができる。
競合
スタンダードでの競合相手は装飾庭園を踏み荒らすものだろうか。
装飾庭園はライブラリーから望む基本土地を場に出すことができるため、版図ランプで足りないタイプの土地を出すために使われている。
その反面、構築段階である程度の枚数の基本土地を採用する必要があった。
大主の場合はトークンを生成するため、ライブラリーに基本土地が残っていなくても土地を増やすことができる点が優れている。
また、出す土地トークンはすべての基本土地タイプを持っているため版図との相性を考えても多主の方が有利だろう。
版図系のデッキでは、装飾庭園に取って代わる形で採用され、装飾庭園は5枚目以降の大主になるだろう。
シナジー
ブリンクすると印刷された状態のカードとして帰ってくるため、兆候で安く唱えてブリンクすることで待機明けを待つことなくクリーチャーにすることができる。
問題は、エンチャントをブリンクできるカードはあまり多くないということだろうか。
スタンダードでは巻物変容程度であり、お世辞にもカードパワーは高いとは言えない。
カードを2枚と6マナも使って5マナのクリーチャーを4ターン目に出してもあまり嬉しくないだろう。
ダスクモーンで新たなエンチャントをブリンクするカードが登場するのを楽しみにしておこう。
兆候で出した後に別の手段でクリーチャー化して攻撃するという手もあるだろう。
こうすれば、兆候の待機時間を待たずに攻撃に転じて効果を誘発させることができる。
問題は、エンチャントをクリーチャー化する手段はあまり多くないということだ。
スタンダードで共存するズアーは3色なのに色が合っていない点が致命的だ。
兆候が代替コストを定義する能力であるとすれば、点数で見たマナコストを参照する能力とも相性が良いと言えるだろう。
兆候コストで唱えたとしても、大主はマナ総量5マナの呪文であることに変わりはない。
豆の木を登れとのシナジーは目を見張るものがあるだろう。
2ターン目の豆の木を登れから続く3ターン目の大主でドローを誘発させ、4ターン目には5マナの呪文を唱えることでスムーズにドローを重ねることができる。
これは装飾庭園ではできなかった芸当である。
兆候で唱えてエンチャントとして待機している間はクリーチャーではないため、全体除去との相性も良い。
3ターン目兆候からの4ターン目太陽降下で盤面を流し、その後フィニッシャーとして大主が動き出すことになるため、流れは完璧である。
ボイラービルジの大主
こちらはイラストのみの公開。
名前にボイラーとあるし、イラストもやたらと赤いのできっと赤いクリーチャーだろう。
ホーントウッドの大主の効果を考えると、きっと場に出た時と攻撃した時にダメージを飛ばす前兆持ちだろう。
ダメージが3点なら前兆2マナ本体5マナ、4点なら前兆3マナ本体6マナとかだろうな。
このダメージ効率だとクリーチャーかプレインズウォーカーにしか飛ばないかも。
顔にも飛ぶようになったら2点にされそう。
なお、ここまで前兆の挙動を完全に想像で書いているため、前兆が全然違う効果だった場合この記事はすべて嘘ということになる。
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