スタンダードでロクサーヌを使おう ティムール流星群編
ロクサーヌとは
ロクサーヌは、隕石トークンを生成する5マナのクリーチャーである。
アーティファクト・トークンから生成されるマナを増やす効果や攻撃時にも隕石を生成する効果を持ち、一見すると長期的な維持が有効そうに見える。
しかしながら、5マナという重さながら除去耐性を一切持たないロクサーヌの維持は困難を極める。
以前、ロクサーヌを守るためのパーマネントをこれでもかと詰め込んだビートダウンを構築したことはあったが、噛み合わない時の弱さやレジェンダリーゆえのダブつきを解消できず思うようなデッキとはならなかった。
今回は少し視点を変えてデッキを構築することとした。
ロクサーヌを除去から守るのは困難である。これは紛れもない事実だ。
ではロクサーヌを無理に守るのではなく、ロクサーヌを守れなくても成立するコンボを構築すれば良いのではないか?
ロクサーヌが除去されたとしても、後に残るものがあるではないか。
すなわち、ロクサーヌの生成する隕石トークンを利用したコンボである。
隕石トークンは、マナの出るアーティファクトでありながら場に出た時に好きなところにダメージを飛ばせるというスタンダードでは唯一無二の性能を持っている。
プレイヤーにもダメージを飛ばすことができるということは、隕石トークンを大量に生成することができれば盤面の制圧のみならず即勝利できるということでもある。
そして隕石からはマナが出る。マナがあれば隕石をたくさん生成することができるカード……
もうお分かりの方もいるのではないだろうか。
ドッペルギャング
そう、ドッペルギャングである。
X個のパーマネントを対象としそれぞれのコピーをX個生成するこのカード、マナコストにXを3つも含んでいるうえコピーの生成数はXの2乗で効いてくるため、X2以上、すなわち8マナ以上でキャストしたいカードだ。
この8マナという数字がロクサーヌ的にはマジックナンバーなのだ。
5マナでロクサーヌを出した返しのターン、ロクサーヌが生きていればアンタップインのランドセットでぴったり出せる数字だからである。
さらに、X=2の時2つの対象を取る必要があるのだが、この時の対象に隕石トークンとロクサーヌを取ることで合計4つの隕石トークンを生成し8点のダメージを飛ばすことができる。
ロクサーヌのコピーはレジェンドルールで消滅するが、隕石トークンはしっかり生成される。
無論ロクサーヌは簡単に除去されうるが、隕石トークンはそうではない。
一度出た後はマナリスでしかないうえ、アーティファクトを破壊できるカードはメインからはそうそう多くは入っていないだろう。
ロクサーヌが生きていれば大量のマナを、そうでなくても隕石トークンをコピーすることで更なるマナ加速とダメージのばらまきを行うことができる。
今回のデッキコンセプトはこれでいこう。
デッキリスト
マナ加速
ドッペルギャングのキャストには最低でも8マナは必要だ。
手出しの土地だけでは8ターンかかってしまうため、マナ加速は欠かせない。
さらに言うと、クリーチャー除去が当たるとマナ加速にならないマナクリーチャーの採用は極力避けたい。
中心核の瞥見は、基本の森しかサーチできない代わりに土地を直接増やすため非常に信頼性の高いマナ加速だ。
採用枚数4枚に対して森は4枚しか入っていないため、ゲーム終盤ではサーチ先が無くなる可能性がある。
余った土地を予言の火で戻す際は、森を優先して戻すようにすると枯渇を防ぐことができるかもしれない。
アイレンクラッグは貴重な2マナのマナアーティファクトだが、伝説なので1枚のみの採用としている。
装備品に変身する能力もあるが、ドッペルギャングがある都合上1マナの価値の方が大きいだろう。
輝く備蓄品もマナアーティファクトだが、マナを出すたびカウンターが乗っていき、生贄にすると一度だけカウンターの数に等しいマナを出すことができる。
瞬間的に大量のマナを必要とするドッペルギャングとは相性が良い。なお、古のヤギ角の方が強そうな気もするがワイルドカードが無いため未検証である。
装飾庭園を踏み歩くものはクリーチャーではあるが、場に出た時に土地をサーチするため除去されてもマナが減らない点がマナクリーチャーと比べて優秀だ。
土地が伸びればフィニッシャーになり、ドッペルギャングで増やす選択肢もある。
森は中心核の瞥見で持ってきたいため、枯渇を避けるためにも島か山を優先的に持ってきたいところ。
アドバンテージ
8マナを土地から出そうと思うと8枚のカードが必要となる。
それだけのカードを盤面に並べるためには、手札の枚数を稼ぐカードの存在も欠かせない。
名もなき都市の歩哨は地図トークンによる探検で継続的にアドバンテージを稼いでくれる。
ドッペルギャングや追加の土地を探すだけでなく、高タフネスで壁になり時間を稼ぐことも可能だ。
大勝ちは厳密に言えば手札の枚数が増えていないためハンドアドバンテージを稼いではいないのだが、手札入れ替えに付随する宝物トークンの生成が優秀だ。
ロクサーヌがいれば宝物2つから4マナ出るため実質フリースペルのように扱うことができる。
また、チャンドラの誘発型能力によるコピー元としても優秀である。
間の悪い爆発は、ドローか手札入れ替え+全体火力のモードを選べるナイスカードだ。
全体火力はおおよそ3〜5点程度が期待でき時間稼ぎとして十分だし、ドローとして撃った場合も単純に手札が増えるため使いやすい。
もちろん、チャンドラで増やしても強力だ。
フィニッシャー
そしてマナを伸ばした先にはフィニッシャーが必要だ。
まずはコンセプトでもあるドッペルギャング。
このカードで隕石トークンなどを大量に複製することで莫大なアドバンテージを得ることができる。
希望の標、チャンドラは伝説であるためドッペルギャングとのシナジーはないが、誘発型能力でドッペルギャングをさらに増やすことができる。
X=2で撃っただけでも追加で8個のパーマネントが手に入り、やりすぎといっても差し支えないくらい強力だろう。
宝物庫生まれの暴君はビッグスコア生まれの言わずと知れたパワーカードで、まず場に出ただけでライフとドローの恩恵を得ることができる点が優秀だ。
もちろんドッペルギャングの対象にしても優秀で、X=2で暴君一体を対象に取ると合計6回効果が誘発して18点ゲイン6ドローを得ることができる。
産業のタイタンも暴君同様、場に出ただけでアドバンテージが取れるクリーチャーだ。
盾カウンターによる除去耐性で返しのターンのドッペルギャングに繋げやすく、モードの一つにディッチャを含むためアーティファクトやエンチャント多めのデッキを壊滅状態に落とし込むこともできる。
デッキを使った感想
ドッペルギャング、強すぎ!
膠着した盤面でもトップのドッペルギャングから隕石を増やして盤面をめちゃくちゃにできる場面がかなり多かった。
劣勢の盤面でもマナさえ出ればトップのドッペルギャングからひっくり返せる場合が多く、ドッペルギャングのパフォーマンスの高さを感じた。
ドッペルギャングが本当に強いのは、対戦相手のパーマネントも対象にできる点にある。
自分が更地の状態からでも相手の強力なパーマネントをコピーすることで一気に捲ることが可能だ。
ロクサーヌがいれば容易く巨大なドッペルギャングを撃てて、ロクサーヌがいなくても隕石トークンのマナやダメージでドッペルギャングのサポートができる。
とにかくロクサーヌや隕石をたくさん出したい、なんでもいいからドッペルしたいという方におすめのデッキだ。
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