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海外で出産した娘(前半)

初めての妊娠がわかったのは、
1年間の留学ビザが切れて、
日本に帰国していた時でした。

月のものが来ないな?と気がつき、
環境が変わったことによる精神的なものかと
信じていましたが、

1ヶ月も遅れると、
一度調べた方がいいなと思い、
その時に、生まれて初めて
妊娠検査薬というものを
使いました。

今でも昨日の事のように、
鮮明に覚えている光景です。
友達と会った後、
薬局で検査キットを買い、
駅構内のトイレで検査をしました。
実家では、検査をしたくなかったのです。

検査結果に驚き、
そのまま、地元の産婦人科へ向かいました。
医師の内診後、
その場で、妊娠していますねと
医師から告げられました。

医師から、喜びというよりも、
ためらったような言い方をされたのは、
私が未婚だったからでしょうか。
未婚の恥ずかしさもありましたが、
帰国前に夫と婚約していたので、
子供を産むことを医師に告げて、
その場を去りました。

産婦人科を出てから、
実家まで歩いて帰る道で、
私は、とてつもない喜びを感じました。
そして、神様にありがとう、と
何度も何度もお礼を言いました。

子供を産むことが、私の夢でした。
長年の夢が叶った。
まずは母に話して、
彼(夫)に話そう。

母からの最初の一言は、
驚いた表情で、おめでとう、でした。
これは予測していました。
姉妹にも話し、
同じような反応をされました。

私の妊娠を知ってから母は、
私の体を気遣い、
とても口うるさくなりました。

彼(夫)に電話で話したら、
かなりの衝撃だったようで、
今、思い出しても、
笑える反応をされました。

婚約中とはいえ、
あの国では、何年も婚約中のカップルが多く、
日本のように、婚約=結婚ではないようです。
長年の婚約状態に不満を持つ彼女と、
なかなか結婚の意思を固めない彼との今後の展開
みたいな内容のテレビ番組を何度か
見た事があります。

夫には結婚の意思はありましたが、
とりあえず婚約をして繋いでおいて、
いつ結婚するかは未定という状況だったかと思います。

しかし、私が外国人ということがあり、
ビザ取得のために、
結婚が必要不可欠でした。

あの当時、
取得した婚約者ビザで入国して、
確か半年以内に結婚ビザを申請する規定が
あったかと思います。
ビザ状況は、コロコロとよく変わるので、
今とはまったく違う規定のようですが。

ビザ申請に合わせて、
結婚式場を予約。
そして、晴れて
結婚ビザが取得できて、
その1年後に、
永住ビザを取得しました。

話しを戻しますが、
1年の留学を経て、
実家に戻った私は、
実家に母と妹家族が住む環境が
とても居心地が良く、
夫の元へ戻る日が近づくに連れ、
ブルーになりました。

シングルでもいいから、
日本で赤ちゃんを産んで、
実家で育てられたら、
どんなに幸せだろう?
そんなことを願うように
なりました。

彼(夫)から、
帰りを待ち侘びてるよ、と言われると、
心が重くなりました。

日本を離れたくない。
でも、赤ちゃんのためを思うならば、
パパが揃ってる家庭で育てなければ、と
気持ちを切り替える必要がありました。

つづく






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