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今年の映画+α

 先日、今年観た映画の記事を投稿した。

 その後、年末ギリギリになって『はたらく細胞』を観た。
 『はたらく細胞』については、以前感想を書いたことがある。

 漫画のファンなので、映画化の話を聞いて楽しみにしていたが、永野芽郁と佐藤健ダブル主演、阿部サダヲと蘆田愛奈がマルモリ以来の親子共演、セカオワのFukaseその他豪華俳優陣、ということで、なんだろう、俳優のインフレ状態でそっちにお金をかけたパターンじゃないかと若干、疑惑を深めながら劇場に足を運んだ。
 簡単に、感想を書いておこうと思う。

はたらく細胞

 オトナの疑り深い気持ちを軽く裏切ってくれたのは、やはりマルモリ親子だった。『マルモのおきて』というテレビドラマを、私は全部は観ていない。とはいえ、マルマルモリモリは黙っていても耳に入ってきたし、何かの拍子で最初のほうだけ観ている。芦田愛菜ちゃんの実のお父さんでマルモの親友が葛山信吾さんで、ちょうど『仮面ライダークウガ』を観た時期だったので「あ、この人クウガの一条さんだ」と思ったのを覚えている。

 今回の『はたらく細胞』では、阿部サダヲさんと芦田愛菜さんが久々の親子役。しかも『はたらく細胞black』のほうを阿部サダヲが担当(?)するとあって、どんなふうに組み合わせられるのかと興味津々だった。
 そんな先入観を度外視しても、物語はよくできていて、やっぱりちょっと途中で泣けてしまった。芦田愛菜、ほんとにすごい女優さんだと思った。
 
 もしかしたら、永野芽郁と佐藤健の朝ドラ『半分青い』の共演のほうこそ一般的には「ムネアツ」ポイントだったのかもしれないが、しかし。
 それ以上に私にとってのムネアツポイントは、佐藤健さんと松本若菜さんの共演だった。
 松本若菜さんは『仮面ライダー電王』のあの「おねえちゃん」である。ここ最近の松本さんの躍進はすごいが、あのドラマのなかの姉弟が同じ映画で共演するなんて。しかも、松本さんのマクロファージさんは本当に愛理さん=「おねえちゃん」を彷彿とさせるものがあり、映画の中で直接の関りはほとんどないものの、ひとり胸をときめかせ感動していた。

 人体の内部は「漫画の再現」というより、ある意味漫画で読むよりもクリアでわかりやすくて良かったし、山本耕史のキラーT細胞や、仲里依紗のNK細胞も良かった。血小板ちゃんたちも可愛らしくて、CGでの「傷を治す」再現度は抜群だったし、親の身体で『はたらく細胞black』のネタを入れ、親子の身体を(偶然だが)輸血が繋ぐというのもうまく行っていたと思う。『はたらく細胞/はたらく細胞black』のネタをいろいろと突っ込みながら親子の闘病をうまく組み合わせる脚本で、良かったなあと思う。まさかの深キョンの幹細胞も綺麗だったし、Fukaseさんも良かった。

 強いて言うなら、漫画でよく活躍する樹状細胞、B細胞、好酸球さんが出なかったなあ、と残念。そこまで詰め込めないであろうとは思いつつ。でも最後に「スギー」が出ていたのはなんか嬉しかった。

 老若男女問わず楽しめる映画とあって、白血球やマクロファージの「貪食」のシーンはなく、赤血球の最期の肝細胞の貪食は謎めいた感じでぼやかされていたので、グロテスクなところはほぼない。お子さんでも安心して観ていただけると思う。

 最近公開になったし、割と評判が良さそうなので、今回は特にネタバレはなしで、書いてみた。今年最後の映画。楽しい映画でよかった。
 自分の身体をいたわりたくなる、という触れ込みだったが、まさにそんな感じ。
 身体を大切にしよう。
 はたらく細胞に感謝を。
 そんな、年末。

 

 

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