サラとアン
先日、実家の片付けの記事で、1968年に結婚した母が、
「サランラップってもうあったんだね」
と言っていたのが気になって、サランラップがいつ発売されたか調べてみました。
上のサイトにも載っていますが、Wikipediaには、まとめて次のように書いてありました。
クレラップのほうが先行していたということも、Wikipediaで知りました。
と言っても、同じ1960年発売なので、クレハのほうが本当に若干、早かっただけのようです。
サラとアン。
まさか「サランラップ」が人名がもとになっているとは知りませんでした。知らなかったのは私だけかもしれませんが。
クレハの「クレラップ」のネーミングについては記載がありませんでしたが、おそらくは「クレハラップ」からの「クレラップ」ではないかと(勝手に)想像いたします。
旭化成と米ダウ・ケミカル社との提携で「旭ダウ株式会社」が設立されたことで、そもそものダウ・ケミカル社で使っていた「サランラップ」という名前が引き継がれることになったのですね。
1940年代。会社の主催でもない、私的な奥さん同伴のピクニックで、奥さんたちが「それいいわぁ」「どこで買ったの」「私も欲しい」と騒然となった「ラップ」。レタスを包んで持って行ったメーカー職長さんたちの妻、サラとアンは、どんな思いで自社のフィルムでレタスを包んでいたのでしょう。
「ほかに使い道もないし、ま、これでもいいか、家にはいっぱいあるし」
ということだったのか、
「これはいい宣伝機会だわ」
ということだったのか。
サイトには、この樹脂製品が、太平洋戦線で兵士を悩ませた蚊から身を守るための蚊帳や、ジャングルを行進する兵士を水虫から守る靴の中敷き、銃や弾丸を湿気から守るための包装フィルムなどに使われたとありますが、もはやそっちの方が想像するのが難しい使い道!
ジャングルで中敷きなんかにしたらかえって蒸れそう…
そして「お前もか」という感じですが、「戦争」による研究開発の成果だったのですね。
1960年代にはすでに冷蔵庫も電子レンジも普及していたため、米国ではすぐに爆発的売れ行きとなったらしいですが、日本では「何に使うの?」という人が大半だったらしく、まずは啓蒙からのスタートだったようです。
1965年以後は普及率50%ということなので、日本でも急速に浸透。
母が結婚したのはまさに普及率50%を超えた、ちょうどそのころ。
当時定価が100円だったそうなので、母が98円でゲットしたのはちょっとお安めだったようです。
旭化成公式サイトには、当時の物価なども載っていて、とても親切です。
ところで皆様は、ラップは、サランラップ派?クレラップ派?
それとも他社およびプライベートブランド派(これは製造会社が上記のどちらかという場合もありますね)?
ジップロックとか保存容器オンリーと言う人もいるかもしれませんね。
私はクレハの「キチントさん」というキャラクターや「クレ♪クレ♪クレラップ♩」というおかっぱ姉妹のCMも好きで、長い間クレラップ派だったのですが、あるときからサランラップ派になりました。
なんとなくです。
この、消費者の「なんとなく」。
メーカー側からすると、これは怖いですね、ある意味。笑
新しく行くようになったスーパーでどちらかが主として置かれている、などということもありますが、まあ今時、手に入りにくい、ということはあまりありません。
とりあえず行った先でなにがしかを選ぶのですが、きっかけは「たまたま」が多いような気がします。
使い勝手とか、デザインとか、「こうだから」という理由がはっきりしているとは限りません。
あ、でも、強いて言えば「サランラップ」のほうが匂いがしなかったような気がします。そんな理由だったかも。
だがしかし、冷凍すると、「クレラップ」よりバリバリになって切れてしまうような気もします。
どれも「そんな気がする」程度です。
最近の電子レンジは「ラップしない」レンジもありますし、必ずしも電子レンジで使うとは限りません。
今は熱に強いラップも出ていて、以前は使えなかった食品の温めに使えるものもあるようです。
いまや、ラップの使い方は多岐にわたっていますよね。
私はラップを特殊な使い方で使うことはありませんが、ラップが無いのは心理的に圧迫されるので常にラップは常備しています。
あ、一時期、何かのライフハックで読んでリモコンをラップで巻いていましたが、家族に不評で取り外したことを思い出しました。
埃よけのためだったかと(なんのためだったかも忘れてる)。
それと、ラップの切れ端を見失った時ほどイラッとすることはありません。朝お弁当を作ってるときなんかにああいうことになると、ホントに困ります。私は、切り口をみつけるためにはセロハンテープを使いますが、まずはイライラせずに落ち着くために、ラップのサブを待機させておいてます。
70年以上昔のサラとアンの「意外な使い方」が、母の新婚生活を支え、今の私の生活を支えているなんて、考えてみると面白いです。