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鎌倉ほのぼの散歩 番外編 長谷寺本尊造立1300年&記念観音列車

 『鎌倉ほのぼの散歩』では2019年の鎌倉三十三観音様参りの珍道中をご紹介しています。今回はなんと!このご時世になって初。空ちゃんと鎌倉に行って参りました。目的は長谷寺1300年祭に行き、そのために運航している江ノ電の特別な「観音列車」に乗ること。本当は観音様参りを再開したいところなのですが、ブレークスルーなどまだまだ侮れないうえ、空ちゃんのお仕事の都合などもあり、未だお休み継続中。しかし、感染状況も今は下火。いまだ!ということになり、先日ついに行ってみることにしました。

 空ちゃんが「観音列車」について教えてくれて、それが不定期運航であるというお話は、以前の『鎌倉ほのぼの散歩』略して「鎌ほの」でお伝えしました。

 ですので果たして「乗れるかな?」というのが今回の最大の懸念事項。

 例によって朝早く待ち合わせして、いざ鎌倉。

 鎌倉駅は混雑していて「さすがそろそろ、行楽、と言う感じになってきたね」と話しながら、いつものようにトイレに並びましたが、トイレは長蛇の列。

「これって、お寺に行っちゃった方が並ばなくて綺麗なんじゃあない?」

 という話になり、さっそく江ノ電に向かいます。目指すは長谷。

 ホームに並んで、いったいどんな列車が来るのかと待ち構えました。半分は「不定期だって言うし、あまり期待できないかもね」などと話しながらも「次来た電車が、そうだったらどうする?」なんて話していると、目の前に電車がゆっくりゆっくり、滑り込んできました。なんとなく眺めていると、空ちゃんが、

「ねえあれ。今、鎌倉長谷寺観音1300年って、車両に書いてなかった?」

 と、言いました。目の前に止まった車両はなんということもないいつもの車両ですが、もしかして隣の車両がそうなんじゃないか、ということで、慌てて移動。そう。本当に、まさかの観音電車でした。

 極楽浄土をイメージした、という車両で、どんだけ金ぴかなのかと想像していましたが、なかなかシックな感じ。そしておそらく地元の乗客の皆さんは「だからどうなのよ」という感じで乗りなれた雰囲気。興奮して写真を撮る我々が、なんか浮いています。

「もしかして、こうして普通車両に挟まって運行しているから、いつ、と言えなかっただけで、すごく日常の列車だったのでは」

 と、おぼろげに思いました。まあでも、まず最初の電車が「観音電車」だったことにラッキー!と喜ぶ二人。

 長谷駅も長谷寺も、2年前と変わらぬ佇まい、かと思いきや。

 長谷駅もシックにリニューアル。長谷寺にもなんだか素敵な提灯がぶら下がっています。

 そしてやはりトイレは最新で綺麗でした。駅で無理に並ばなくて良かった。

 門のところで写真を撮って、入場券を買っていると、なんだか後ろが賑やか。大型バスから大量の人が降りて来るのが見えたとたん、空ちゃんが。

「急ごう!あれに巻き込まれたら私たちのお参りは大変なことになるよ!」

 慌ててふたりで道を急ぎ、階段を上り、途中のお地蔵様の御堂は「後できまーす」と素通りし、大慌てで観音様のもとへ。

 おかげさまで、そこそこに参拝の方がいるものの、混雑まではしていなくて、ゆっくり順番を待ってお参りすることができました。

 今回は、いつも巨大な観音様の足元を覆っている部分が取り外され、観音様の左足に触れながら、お参りをすることができます。1300年記念御開帳の特典「御足参り」です。

 1000円で申し込みをすると、お札と手拭いをもらえます。何しろ初めてなので、前の方がどうするかをじっくり観察。順番が来ると、観音様の足に手拭いを載せ、そこに両手を載せて、お坊さんがお経を唱える間、お参りをすることができます。お坊さんが「どうぞ沢山お参りなさってください」とおっしゃるので、沢山お参りする気持ちが誘発されますが、実際はそんな時間はありません。結構あっという間に「ありがとうございました~」ということになってしまうし、他の方が待ってらっしゃるので気持ちが急きます。

 結局自分の番は、御足に手拭いを広げ、その上に手を置いたら、あっという間でした。大急ぎでお参りした感が拭い去れませんが、でも、観音様の足は温かかったです。引きも切らぬ参拝客の手のぬくもりかもしれません。

 お参りした後、記念の御朱印をいただきます。すでに出来上がった記念御朱印だけで、その場で書いてはいただけないのだろうと思っていましたが、その場で書く御朱印もやってらっしゃいました。ただ、私たちは御朱印帳を持っていません。

 実を言うと、これ、大事なことなのに書いていなかったことなのですが、「三十三観音参り」には専用の御朱印帳があります。

 一番から三十三番までちゃんと通し番号がついているものです。私たちが最初の時に買った御朱印帳もこれでした。

 ですから、イレギュラーな御朱印をいただく場合は、別の御朱印帳が必要なのです。空ちゃんは持っているのですが、私は持っていなかったので、いずれにしろその場で買うか、どうしようか、選択を迫られました。

 どの寺社にも御朱印帳はありますので、その場で買って書いていただくことができます。しばらく悩みましたが、やはり今回は特別御朱印だけをいただくことにしました。遠くない未来に観音様参りを再開し、必ずまた来るから、というつもりで。

 そんなわけでいただいた御朱印がこちらです。

 和紙に刺繡がしてある、特別なもの。三種のデザインがあり、観音様の刺繍がついたものは残念ながらもう完了していました。

 そうしているうちに、わっと人々が溢れ、どんどん参拝客が詰めかけてきました。

「これまでの経験上、人気の観光寺は、だいたい10時を過ぎると、人が溢れるのよ~。ギリギリだったね」

 と空ちゃん。私に「急げ~」と注意喚起した空ちゃんに感謝しつつ、そそくさとその場を去りました。学校の研修、修学旅行、バス旅行とすごい数です。人がごった返すところをうまく避けて他の場所へもお参りを果たし、書院にも立ち寄りました。

 書院は写経のかたくらいしか立ち寄らない場所なので、とても静かで雰囲気が良く、心が休まりました。ふと、書院のお庭が、観音電車の床のデザインであることに気づいて、そこから勢いよく写真撮影をするふたり。笑

 見つけたら運がいい(?)ハートの敷石。

 『鎌倉ほのぼの散歩』のマガジンのカバーにもなっている「和み地蔵」さんもマスクをされていました。

 今回は特別な時期と言うこともあり、時世の状況も運よく落ち着いていたために参拝客が多かったので、またゆっくり来ることにして、長谷を離れました。

 さて、少し早いけれどお昼にしましょう、と色々ウロウロしましたが、鎌倉駅近くにできたばかりと言う『アマルフィ・ウノ』さんに行ってみようかということになりました。小町通の反対側、御成通りの反対側、小町通に抜ける地下道のすぐ近くです。

 予約なしでしたが、時間が早かったせいか、スッと入ることができました。最初はコース3000円と書いてあって内心ちょっと覚悟が必要でしたが、約2年ぶりのランチということもあって、私の懐はだいぶ緩んでいました。

 実際にはランチのコースがあり、こちらは前菜・スープにメインのパスタ、パンとデザートと珈琲までついて、2000円というお手頃価格となっていました。

 お店の雰囲気も良く、店員さんもサービスが行き届いて、そしてお料理が全部美味しく、大満足でした。

「うーん、3時間で設定したタスク全部チェック済み~快感」

 という、プチ旅行となりました。

 早く本格的に状況がおちついて、6波の心配もなく、心から寛いで観音様参りを再開できればいいね~と話あい、満足しての帰宅となりました。

 木々も少しずつ色づいていました。見頃はもうすぐ、でしょうか。


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