practice 10 千字
practiceでは、1000字で文章を書く練習をしてきた。
難しい。小論文にはちょっと長いような分量だ。敬体で書くと字数が増えるから常体を選んだが、そのことでより一層、四角四面さが際立った。
一方で、限定された枠の中で書かれた文章はやはり読みやすい。文章の癖も発見できた。
私は「とはいえ」「かつ」など文頭や文中に接続詞を用いることが多い。他にも同じ言葉を文中で無意識に二度三度使っていたり、似たような表現を繰り返してしまうこともあった。
比喩も使いにくい。推敲の際、最も削ったのが喩えの部分だが、読んでいるとそれが最も「面白い部分」だったりする。くすっと笑ったりするようなところは比喩に追うところが大きいが、適切な使用が難しいと実感した。
1000字の文章は、陸上短距離選手の身体に似ている。体脂肪率が極端に低い感じの、骨格に必要な筋肉だけがついている状態だ。
よくテストなどに出る「何十字以内で要約せよ」というのはほぼ骨格で、600~800字の小論文は減量したボクサーといったところだ。試験に多い字数で、正確さとパンチ力が必要だ。3万字程度の論文はより筋肉がしっかりついた感じで、スイマーなどだろうか。20万字以上の長編小説は、筋肉以外の重量も必要だから、レスラーか力士。
1000字の練習は、短距離走の練習を何本もやっているような印象だった。
比較的短い文章の方がより読まれるのではという仮説を持っていたが、どうやら長さはあまり関係がないようだ。やはり内容だ。「駐妻記」は長かったが、テーマ性があるので読んでもらえたし、「lesson」は自由に思いを表現できていたぶん、印象に残った。
また、practiceでは投稿スピードが上がり、前の記事が充分読まれる前に次の記事の投稿と言うこともあった。noteでは新しい方が先に目に留まると、古い方は読まれない。考慮すべき点だろう。
推敲に費やした時間は「lesson」より多いが、内容がブレた記事がいくつかある。スピード重視、急ごしらえの盆栽と言ったところで、少々出来栄えが悪かった。これも反省点だ。
とはいえ1000字チャレンジ、実に面白かった。
「またみらいの文を読みたい」と思ってもらえるように精進していきたい。
今後はひとまずpracticeは終了し、紀行文の連載を(勝手に)始めようと思っている。
楽しみにしていただけたら嬉しく思う。