メインテーマは上から下。 実家の片づけ⑤
今月も行ってまいりました。
実家の片づけ。
今回、サトちゃんと会えるチャンスがありまして!
それはそれは嬉しかったのですが、お互い別の県に住んでいるし、スケジュールがキツキツで忙しいので、今回はお茶もできず立ち話。
それでもリアルでは7年ぶりで、島では結構会ってるのにね~と言いながら再会を喜びました。
片付け、大変だねと労わってくれたサトちゃん。
「結婚するときにも荷物置いて行ったし、引っ越しの度に、荷物を預けてたからね。戦犯は私、というところもあるんだよ」
そう言うと、それを聞いたサトちゃんの顔が若干曇ったのを、私は見逃しませんでした。「そりゃあ、みらいが来て片づけるのは当たり前だね、大変っていうか自業自得だね」という空気がちらり。笑
いやいや、サトちゃん。ちょっと誤解だから、それ。
たしかに自業自得なんだけど、私が実家の片付けに来ているのは、自分の荷物だけを片付けに来てるわけじゃないのよ。ほんとよ。
今、何よりも片づけているのは「姉妹がこの家で育ってきた荷物」。
ランドセルや運動靴入れ、水筒やリュックサック。
スチール缶の筆箱や、色鉛筆やくれよん。
お絵かきちょうやスケッチブック。
ぬいぐるみや人形。
部活のユニフォームや学校の制服。
二段ベッドやスキー用品。
子供たちの洋服や、孫が家に来た時に遊んだ玩具。
それらは、両親が子供や孫に買い与えてきたものであって、私たち姉妹のものであって私たち姉妹のものではない、両親の思い出そのもの。
姉妹よりも親にとって、「娘たちの思い出」と直結しているそれら。
今回、改めて、両親だけでは処分ができないものがあることを実感しました。
親は自分達のためより、子のためにモノを取っておく気持ちが強いのです。
なので、勝手に処分したら子に悪い、と思っているところがあります。
私たちが自分の荷物を処分することは、親の思い出を処分することなのです。
両親の、「娘たちの思い出」は、たとえ段ボールにであっても、きちんとたたまれ、整理され、中にはクリーニングに出して、「保存」してあったもの。
特にうちの両親はふたりともきちっとしている性格なので、紐で縛って外側に何が入っているかを明記したうえ、まるでパズルのようにキッチリと納戸に納めてありました。
この納戸。
ガレージの上にあるスペースなのですが、ほぼ、父の手作り。
定年退職後、ガレージの上のスペースを大工仕事で補強し、あれこれ工夫を重ねて作り上げた納戸なのです。
屋根裏的なスペースを作り、そこに二段ベッドのヘッドボードなどを渡して底板にするなどし、
荷物が荷物同士でお互いを支え合う
という超高度な収納状況になっています。
納戸の様子や、ビフォー/アフターなど、写真でお伝えしたいところなのですが、これは我が家の機密事項なので、さすがに情報漏洩することができません。残念。
さて、ところで、どうして今回、セイラがここまで「実家の片づけ」に力を注いでいるのか。
理由はいくつかあるのですが、その一つに、セイラの義実家のことがあります。
お義父さんの入院をきっかけに、これまでの荷物の整理に取り掛かった義実家の大変さを体験し、
と、身に迫って感じたとのこと。
特に「上から物を下ろす」という作業が著しく困難になることを目のあたりにしたようです。
少なくとも、手に届く位置に荷物があれば、高齢者本人も、元気なうちはそれを動かすことができます。
いずれ、あまりに下にあるものは持ち上げることができなくなるかもしれないけれど、まず最初のハードルは
「上から下」
である、と。
セイラは、そう悟ったようです。
そのため、今回の我々のミッションのメインテーマは「上から下」。
とにかく、屋根の下に張り巡らされた、つみきやジェンガのように重ねられた荷物を、何とかして下ろす必要がありました。
正直、この「実家の片づけ」において、もっとも困難な作業であったかもしれません。
まず、父の気持ちが「片づけ」に向くことが必要でした。
長年に渡り「片づける必要はない」「捨てることは無い」と言っていた父が、「仕方がないな」と思ったとはいえ、積極的に片づけに参加する気持ちには、なかなか慣れないのは当たり前です。
それから、安心安全に作業すること。
高齢の両親が、作業によって怪我をしたりしたら、目も当てられません。
本末転倒です。
現場監督セイラが今回、最も心を砕いたところだったかもしれません。
と、セイラは朝礼(朝食後、ちょっとお茶を飲んでから作業に取り掛かりました)で家族全員に伝達。
あ、(カッコ)のなかの言葉はテレパシーで私に伝えてきました。ニュータイプなんで。笑
前述したように、わたしが残していった残置物があるので、その仕分けもありますが、まあこれは物理的作業が主。淡々とやるのみ。
意外と地味に大変だったのが、家電などの段ボールの分解。
両親は、家電の空の段ボールを取って置くタイプだったので、中の発泡スチロールを取り出し、段ボールをたたみ、発泡スチロールを細かく砕く必要がありました。
しかし、こんくらいでいいかな、と私が思うような大きさでは、セイラのOKが出ない。
以前、収集所に出してあった大きめカットの発泡スチロールが収集車に置いていかれていたのを見たということで、かなり細かく砕くミッションがくだされました。
母は、足腰に自信がないので、主に座ってする作業を担当していました。
また、そういう地道な作業が嫌いではないほうなので、それは母の担当。
ハサミを駆使し、バキバキ砕いていました。
これが凄く均一に綺麗に砕かれていて驚きました。
さすが、手仕事の得意な母だけはあります。
そして父は、職人技のように天井裏にあげた荷物を、職人技のようにおろしていました。
どうやって入れたんだい?というものが、どうやって出したんだい?という形で出て来るのを目撃するのはある意味爽快。
その際、椅子を抑えたり荷物を下で受け取ったりと、こまごまと気遣うセイラ。本当にこれを捨てる必要があるか?ここの部分はまだ使えるんじゃないか?という父を説き伏せつつ、「上から下」ミッションは粛々と進行。
途中、セイラの旦那さんも来てくれて、ごみ収集場に運んで行ったり、ガレージに捨てる段ボールを並べたりと、若干の休憩を挟み、延べ人数5人の人海戦術で作業に没頭すること3時間。
お昼をどうしよう、という話になり、出前の蕎麦でも取ろうとということになったのですが、生憎懇意の蕎麦屋さんは土曜日で出前注文が多すぎて断られ、豚カツ弁当を買ってくることに。
この豚カツ弁当の美味しかったこと。笑
午後からも作業を再開し、作業に時間はかかったものの、なんとか無事に、すべての荷物を下ろすことができました。
さすがに皆くたくたで、午後は1時間~2時間で作業終了。
あとは、ひとりで自分の荷物を仕分けする作業のみです。
反省しつつ、見つけた「北斗の拳」のジャンプ別冊特集号。
そういえば、買ったな…
「CUTIE」の「ロック」特集号。
うわぁ、懐かしい…
『キャッツ・アイ』の最終回も読み直しました。
えっ?
いや。
ちゃんと片づけましたよ。
片づけましたってば。