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【BL小説】手を繋ぐ、微笑んで、消えていく。三話

三話 増えていく ※性描写注意

—すきってどんな気持ち?
—その人の事しか見えなくなるくらい、一緒に居 
 たいって気持ちよ。
—ぼくもだれかを好きになれるかな?
—勿論よ。だからだあれも、傷付けてはいけないわ。

 その日、フランツはシャーロットを部屋に招いていた。招いたというか、「招かされた」に近い。半ば強引に首を縦に振らされた。でも悪い気はしない。

 季節は夏の終わり、かれこれ付き合い始めて四ヶ月が経っている。

 シャーロットはそろそろ愛してもいいかなという下心全開でフランツの家を白々しく訪れた。見慣れた部屋だが、モノの少ないフランツには少々広い気もする。

 フランツはお菓子をベッドサイドテーブルに置くと、部屋のテレビをつけた。

「これこれ!面白いんだぜ読んでみろよ!」
 読書家な一面があるフランツは、壁に埋め込まれた本棚から何冊か本を取ってきた。
 東アジアにある日本という国の小説だった。緻密に描かれた世界観と、キャラクターたちの個性が織りなす物語に、シャーロットは没頭する。

 本を読み終えると、既に二時間が経っていた。

 シャーロットはフランツに向き直る。フランツが何事かと硬直している間に顔を優しく摑んで目を覗き込んだ。

「待て待て、まだっそういうの早いと思うんだけど……」
「早いって、もう四ヶ月だよ?夏終わっちゃうよ。それに出会ってからどれだけ一緒に居たと思ってんの」

 フランツはそれもそうかという感じで力を抜く。

「ていうか、俺が女役?」
「や?逆ならいいの?」
「まあ、俺だって男だし……」
 シャーロットはフランツの腕をつかんだまま寝転ぶ。必然的に、上下が逆になってフランツが襲っているような形になる。

「おいで」

 フランツはシャーロットの服を脱がし始めた。プチプチとボタンが外れていき、細くも美しく鍛えられた筋肉質な上体が覗く。フランツも興奮していた。
「あ、でも、男同士ってどうすんの?」
 フランツは訊いた。学校で習わないから知らないが、そういう行為のやり方なんて知る由もない。

 シャーロットはフランツのズボンとパンツを下ろした。既に硬くなったそれを咥える。

「あっ……それやばい、ちょ」

 正直そのものだけへの刺激でも死にそうなのに、上目遣いで見てくるシャーロット。でも目を閉じるとそのもののゲインが上がってしまう。しかし直視は目に毒だ。

 フランツはやり場のない快感を感じていた。

 「おいで」
 シャーロットはいつの間にか自分のズボンも下げ、下腹部を露わにしていた。
 フランツのそれを自分のにあてがい、
「いっしょにしよ?」
 と誘う。この行為に兜合わせという名称がついているという謎知識とともに。

 それから二人は互いの愛を確かめ合った。

 二人の愛は、優しく、強く、美しかった。愛を確かめる方法はいくらでもあり千差万別。
 彼らの愛もまたこれから色んな方向を向くだろう。
 これで終わりじゃない。愛して終わりじゃない。
 愛も恋も、この先ずっと忘れない。

「愛してる」

 フランツは、突然そう言われた。まだ服も着ない儘、二人の笑顔が夕焼けに溶けた。

    ―これは一つの愛の物語―

              

        END

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