国産人気SUVを徹底比較!!勝者は誰だ?!
こんにちわ!MIQYです✨
前回のCX-8、プリウスに続き依頼が入りまして、今回はCX-8とカローラクロスの比較を中心に国産クロスオーバーSUVのベストバイを考えてまいります!!
CX-8 vs カローラクロス
まずCX-8とカローラクロスの比較から。
CX-8はマツダ、カローラクロスはトヨタと、どちらもトヨタ系列会社の車ではあるものの、そこには明白な違いが多くある。
CX-8にはデザイン面での「魂動」、走行性能・環境性能面での「SKYACTIV」など、研ぎ澄まされたブランドフィロソフィーが盛り込まれている。
他方でカローラクロスは、国内外で人気を博すワゴン的なSUVとして、良くも悪くもトヨタらしい「普通」な車だ。
デザインを例にとると、魂動デザインという明確かつ明快なデザインコンセプトをもつCX-8に対してカローラクロスは若干アメリカンでありつつ日本におけるカローラの立ち位置を踏まえたある種の保守的な顔つきをしている。
カローラクロスはどちらかといえば、かつての派生車種それ即ちルミオン系やスパシオ系のエッセンスをもつような気もする。
それぞれの美点
そもそも、内外装に関してはマツダとトヨタでは美意識というか、目指すべきところが異なる。
CX-8はレクサスを除けば今や希少な3列シートプレミアムカーだし、ハイブリッドのようないわば"後付け"のエコではなく、内燃機器の高効率化を突き詰めて実現したハイブリッド並の環境性能は国産車として異色。マツダの車に共通する"引き算の美学"というコンセプトも引き継がれ、まさに「美しい」車。勿論スカイアクティブで鍛えられたエンジン周りも性能・整備性ともに高く評価されているし、使い勝手もさすがは日本車といったところ。
カローラクロスは尖らせすぎたCH-Rの失敗や過去のファミリーカーの要素をカローラの名という伝統とクロスオーバーSUVというトレンドの中に詰め込んだ要素の多い車で、パワートレーンのハイブリッドシステムもアップデートされているし、なにより走りの質感が高い。そんな車だ。
装備面や基本設計では両者トントンで、一見すると全く異なる車ではあるものの、性格は似たりよったりだ。
それぞれの気になるところ
しかしそんな日本のトレンドを押さえた車にもやはり気になるポイントは存在する。
CX-8は、その車体の大きさと取り回しのきつさが地域によっては目立つ。狭い道が多い関西の観光地ではあまり見ないなんて話もあるくらいだ。あとは見た目が同時期のCX-5とほぼ変わらないこと。CX-8はこの車の8人乗仕様、みたいな立ち位置に映ってしまうのは少し勿体無い。
カローラクロスは、内外装の質感が圧倒的にマツダに対するには不足している。この車、走りにはかなりリソースを割いている。それが裏目に出てなのか価格のバランスを取るための意図的なものなのかはわからないが、やはりそこは大衆車としてのポジションが隠せない。
そして何よりエンジンが古い。これが積んでいるのは2010年代のノアやウィッシュ、アリオンなどがこぞって採用した"バルブマチックエンジン"。基本設計が古く、カローラファンから不満の声が多く聞かれるポイントだ。これがダイナミックフォースエンジンに置き換われば効率的な内燃が可能となるのだが……。
よりオトクな買い方
この二台を比較する際に、ひとつ踏まえておきたいことがある。それはCX-8が既に新車販売を終了したということだ。つまりこれは、中古車vs新車の戦いになってしまう。ただカローラクロスも安くはない。そのため今回はどちらも中古車で比較して、オススメのグレードや相場を踏まえたオススメの価格帯を2024/06時点で紹介する。
まずはCX-8。
結論からいうと、狙い目グレードは2.2 XD Lパッケージ系。
最上級グレードで、本革シートを標準装備するなど企業のエグゼクティブクラスの利用にも十分応えられるようなインテリアの仕様。
また、唯一ルーフレールが標準で備わり、パワーリフトゲートも備わる。
原稿時点で見ると、2017~2018年式の走行距離7万km前後で車両本体価格は210万円前後、支払総額で230万円前後と、もう少し下のXD プロアクティブよりは若干高い。それでも、デビュー時の車両本体価格395万8200円(2WD)or419万400円(4WD)から、5年ほどで約40%ダウンだし、XD プロアクティブとの価格差も新車時の約40万円から約10万円まで縮まっている。ゆえにコスパは高いと言える。
なお、2WDと4WDの割合は約6:4で2WDが多い。また、2018年6月から7人乗りも選べるようになったが、7人乗りと6人乗りの割合は約3:7で6人乗りの方が台数は豊富で選びやすい。
カローラクロスは結論からいうとすれば、中古での購入は一概にお得とはいえない。
というのも、今年4月時点での平均価格は下がったとはいえまだまだ新車の最安値を上回るし、カローラクロスという車自体登場からこれといった改良もないからだ。
しかしここで注目すべきは、グレード対価格の釣り合い。先に挙げた新車の最安値は、最廉価グレード「X」の、付属品なしの値段218.4万円のことだ。さらにここに雑費が絡むことを考えると、グレードによってはかなりお得な購入も可能となるはずだ。
カーセンサーの表示価格はおおよその総額だ。購入後に自分で追加するフロアマットなどの汎用品などを除いて、その表示価格から一〇万円も二〇万円も価格がずれることはない。だから例えば最上級グレードのハイブリッドZであれば新車価格から大きく下回って購入できる。ここが中古車選びの肝となる。
同じジャンルの国産SUV
日本の自動車のトレンドはスペーシアやソリオのような背の高いコンパクトカーか、軽自動車、あとはミニバンとSUV。
特にSUVはここ十数年で大きく発展したジャンルだから、車種が豊富だ。今回はその中でもカローラクロスサイズのSUVを七台ピックアップした。
スバルクロストレック
クロストレックはスバルがXVの進化版的立ち位置で用意したコンパクトSUV。水平対向エンジン×E-BOXERハイブリッドの組み合わせに四輪駆動でSUVらしく安定した走りを披露する。スバル車だから視界も広く安全性は世界一だ。
デザインはインプレッサベースなのが伝わってくる仕上がりではあるものの、それが悪く影響することはない。若干アメリカンで硬派なので好みは分かれる。
ホンダヴェゼル
ヴェゼルは2010年代のクロスオーバーモデルブームを牽引した人気車種だ。
現行型となる二代目はクリーンなイメージを強調した流麗なスタイリングが特徴である。
登場時はCXハリアーなんて揶揄されたものだが、いまや町中でもよく見かけるようになった。
ホンダセンシングによる高水準の予防安全とe:HEVによる電気自動車のような滑らかなオンロード走行が特徴。クロストレックやカローラクロスよりは都会的な印象が強い。
ホンダZR-V
ZR-Vはヴェゼルの兄貴分として君臨するホンダのSUV。ヴェゼルに対して少し大きく高級感を押し出したコンセプトが特徴。パワートレインはe:HEVをラインナップし、ホンダセンシングも標準装備。
名前のわかりにくさとマーケティングの消極的な面からあまり売れてはいないようだ。
日産キックス
キックスというと、パジェロミニのOEMで日産が販売していた軽自動車を思い浮かべるかもしれないが、現在はれっきとした自社開発のSUVとして地位を確立している。
デザインは初代のヴェゼルに近い若干こぢんまりとしたシルエットが特徴。
エンジンが発電のみを担うe-POWERという日産独自のパワートレインを採用するため、排気量が一二〇〇ccとなる。燃費の良さは圧倒的で、ここまで紹介した中でもっとも都会的なアーバンクロスオーバーだ。少々値は張るが、それに見合った価値はあるし、中古価格も比較的落ち着いている。
スズキクロスビー
クロスビーはここまで紹介した車種よりさらにコンパクトな車となるが、広さや使い勝手においては互角に張り合える車として紹介する。
小型車の燃費によく効くマイルドハイブリッドに、スイフトRStでも搭載実績のある一〇〇〇ccの直噴エンジンを組み合わせることで小気味よい走りと扱いやすさを両立。
本格的な四駆システムやおしゃれな内外装、こだわり抜いた実用性など価格以上の価値を持つ車だ。現行は登場から七年が経過しており熟成の域にある。
スズキエスクード
エスクードは言わずとしれたスズキのコンパクトSUV。八〇年代のRVブームを牽引したジムニーの兄貴分として長年君臨していたが、現行型は一転してシティ派に。ハンガリーのマジャールスズキから輸入される。一六〇〇ccのガソリンエンジン主体の前期型、一四〇〇cc直噴ターボエンジン主体の中期型、一五〇〇ccフルハイブリッド主体の後期型に分けられる。欧州で鍛えた走りの良さと広大な室内空間が魅力。
スズキフロンクス
フロンクスは2024年下半期〜2025年のうちに日本導入されると言われているスズキのコンパクトSUV。エスクードとキャラは同じであるとされる。
まとめ
CX-8とカローラクロスを比較したが、どちらがベストバイモデルか答えを出すのは難しい。より広く美しく、長い間所有して所有している事自体を楽しみたいならCX-8、実用性重視でありながら他にないデザインを自慢したいならカローラクロスだ。
どちらも長距離ドライブへの対応力も十分備えているし、環境性能も互角。
中古車同士ならコンディションを、新車と戦わせるならコスパを重視して選びたい。
途中からは同じクラスのクロスオーバーモデルを何台か紹介したが、この他にもレクサスLBXやヤリスクロス、ハリアー、エクリプスクロス、アウトランダー、エクストレイル、WR-Vなど魅力的な車種は多くある。それらの中から選ぶ楽しさがあるのがこのジャンルのいいところだと感じた。