春を諦めて、大嫌いな夏に期待する
もう、春のことは諦めよう。
お花見も、送別会も、ピクニックも、ライブも、全部諦めた。
春に着たかった可愛いお洋服は来年までにダイエットして、もっと可愛く着るから大丈夫。
春じゃなくても友達に会える。
桜なんてなくてもわいわい飲めたらなんだって楽しい。
春にやりたかったことは全部全部アップデートしてもっと楽しく次の季節にやる。
大好きな春の気温や空気を誰かと共有できないことは寂しい。
可愛い春服を着ても友達に褒めてもらえないのは悲しい。
早く髪の毛可愛い色にしたいなーとか、早く次のタトゥー入れたいなーとか、やりたいことはたくさんある。
行くはずだったライブも行けなくなった。
この春は水族館のリニューアルが多くてワクワクしていたのに。
考え始めればキリがないほど浮かんできて落ち込んでしまう。
好きな季節に好きなことができないなんて。
好きなひと達に会えないなんて。
今はどこにも遊びに行けない。
仕事すらできない。
でも、今我慢すれば、また会えるひと達がいる。
夏には広い野外のライブではしゃげるだろうか。
暑苦しいライブハウスで汗だくになるのもいいな。
夏は大嫌いだけど、今年の夏には少しだけ期待してしまう。
いつもなら絶対に行きたくない海にもちょっと行きたいかもなんて思ってしまう。
人生で初めて、早くこの季節が終われと願っているかもしれない。
夏になってもきっと手放しにぱーっと遊べる世界にはなっていないだろうけれど、少しくらい期待したい。
大好きな春を諦めた代わりに、大嫌いな夏に少しだけ期待している。
なかったことにはできないような現実を毎日過ごして、元の何もなかった頃には戻れないと受け入れたら、もうアップデートしていくしかないんじゃないかと開き直れた。
嫌でも変わらなければならない今なら、少しでもいい方へと。
「ほっとけば退化 だけど変わるなら進化じゃなきゃ嫌だから」
好きな曲の一節。
夏へ向けて、その次の季節へ向けて進化していく。
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