ポジャギという手工芸。
ポジャギという手工芸をご存知ですか?
私が始めた15年ほど前はマイナーキルトだったのですが、どういうわけだか最近のInstagramでの「いいね」の数がうなぎのぼりでどうやら認知度が世界的に上がってきたようなんです。
ポジャギというのは「보자기」と書きます。
そう、韓国の手工芸です。
私はポジャギ工房koeを主催している李 京玉(イ キョンオク)先生のアトリエが家の近くにできて初めて知りました。
オープニングイベントで作品展示をしていて、
吸い込まれるような美しさに恋してしまい、その日以来道路のレンガを見てもブロック塀や布団カバーの絵柄を見てもポジャギに見えて、縫い物など避けて生きてきたくせに「やりたい」と思っちゃったんだから人生とは出逢いだな…と思います。
それから約15年。
先生のアトリエも移転したんですけど、
いまだに所属して続いている趣味です。
こういった掛け布の小さなものから、
190×190の大きなもの、
薄墨染の布を使ったものや
草木染めの布を使ったもの、
ついに、自分で布染めちゃったり、
布のステンドグラスと呼ばれる手工芸です。
これらの作品群の他に、
フィリピンのパイナップル繊維で織られた布ピーニャを使用したものや
ピーニャのハギレを繋げてコースターに仕立てたり、
ポジャギのみに留まらず、
自分の子供の甚平も縫ったことがないのに、
韓国の王朝時代の知識階級層の家の子供の服なども縫いました。
針………持つことを避けて通った人生なのに。
よく、作品展会場で来場者同士が揉めています。
「これは手縫いだよ!」
「こんなの手縫いの訳がないよ!ミシンだよ!」
って………。その答えは……
手縫いだよ!!!!!
全て手縫いで仕上げています。
時折、なんでこんな大変なことをわざわざやるんだろう…と思ってます。大きな作品を縫っている時は特にそう思います。
でも、なぜかやるんです。
きっとこれがやんわりと「好き」という感情なんだろうと思います。長続きしているのはとどのつまり「好き」の一言に尽きます。
夫はいつも言います。
「山に登る人と同じ感覚なんじゃない?」
上手いこと言うなって思います。
完成すれば大変だったことも忘れるし、
しばらく経って自分が作った作品も忘れて
「これ凄いな…」
と思ってから
「あ、アタシが縫ったんだわ…コレ」
ってなるんです。
そうして手仕事を持っていたお陰で、
ガン宣告されても縫ってる間は忘れて没頭してました
無事に手術で病理部を取ってホルモン治療中ですが
手仕事があったお陰で飲んでるホルモン剤の副作用にも悩まされることもなく、のびのびと今を楽しませてもらってます。
ポジャギ美しいと思いませんか?
私はとても美しいと思います。