【ピアノ指導法9】導入テキストご紹介(ぴあのどりーむ)
ぴあのどりーむ
永田萠さんのイラストが美しい「ぴあのどりーむ」シリーズ。
ぴあのどりーむ 1 初級ピアノテキスト はじめてピアノをならう [楽譜]
曲集テキスト(メインテキスト)に加え、ワークブック、レパートリーで構成されています。
ぴあのどりーむワークブック 1 はじめてピアノをならうこのために [楽譜]
ぴあのどりーむレパートリー1 はじめてピアノをならうこのために初級ピアノテキスト [楽譜]
また、このような教材もあります。
ぴあのどりーむ チェルニー 70の練習曲(チェルニー30番練習曲の前に) [楽譜]
ぴあのどりーむ 小学生のためのピアノ小曲集 上 (初級ピアノテキスト) [楽譜]
初めてピアノを習う子どもにできるだけ負担がかからないよう、進度が緩やかに作られています。
例えば第1巻でいうと、全26曲で
右手ドレミ
左手ドシラ
と、それぞれの手で3音しか出てきません。
使う指は1~3まで。
そして、同時に両手を使うことはなく交互奏の曲のみです。
子どもの性格や運動能力等によっては、これくらいゆっくり進んだ方が合っている場合があります。
また、私の場合は、他の「中央ド・ポジション」のテキストを使っていて「まだ理解が足りないな」「もっと曲数をこなしたいな」という時に補助教材として使っています。
譜読みや初見の練習用にもいいと思います。
幼児期は読む力よりも聴く力の方が伸びやすい時期なので、譜読みがなかなかできない子も多いです。
耳が良いのと、真似るのが上手なので、聴いて覚えて弾いてしまい楽譜を読む機会が少なくなってしまうのです。(これは長所でもあるのですが。)
そういう場合は、普段歌ったり弾いたりしている曲よりも易しい教材で読譜を勉強した方が良いと思います。
中にはそんなに努力をしなくても、すぐに楽譜が読めるようになる子もいますので、生徒ひとりひとりの様子をしっかり見て、その子に合ったレッスン内容にしなくてはなりません。
また、私はまだ使ったことがないのですが
幼児版の「ぴあのどりーむ」も発売されています。
初級ピアノテキスト ぴあのどりーむ [幼児版] はじめてピアノをならう幼児のために [楽譜]
幼児版は2歳6ヶ月から使えるそうで、通常のシリーズよりもさらに易しい内容となっているようです。
近年ピアノを習う年齢が低年齢化しており、大手音楽教室でも1歳児、2歳児のコースができて何年にもなります。
大手音楽教室の1、2歳児のコースは、鍵盤楽器には触れません。
音楽に合わせて体を動かしたり、絵本を見たり
声を出したり、というようにまずは音楽を楽しむ素地を作る、音楽を生活の中に取り込む、ということが目的のひとつになっております。
個人教室で市販のテキストを使って、1、2歳児に
「ピアノを弾くレッスン」をするのは、やり方によっては危険かと思います。
「ピアノを弾かないで音楽体験するレッスン」の指導スキルがないと、どんなにピアノ演奏が素晴らしい先生であってもうまく行かない、という状況を耳にしたことがあります。
ピアノ指導初心者の方であれば、小さくても4歳くらいの子どもから指導経験を積み、幼児の特性を充分に勉強・理解をした後で3歳以下の子どもの特性を勉強する、というような順番でレッスンスキルを磨いた方が、先生・生徒どちらにとっても
安心してレッスンに取り組めるのではないかと思います。
それから、発売当初から最近まで「全6巻」だったこのシリーズに、2018年に第7巻、2019年に第8巻が追加されました。
こちらも私はまだ使ったことがありませんので、使用したときはここに追記いたします。
ここまで「中央ド・ポジション」のテキストを
数シリーズ紹介してまいりました。
これらは私が実際に使ってみて使いやすい、という理由でご紹介いたしましたが、みなさまにとって正解かどうかは分かりません。
「どの教材を選ぶか」ということ以上に、「どう教材を使うか」考えることの方が重要だからです。
この先も様々な教材を、指導法に絡めてご紹介いたしますね。
ピアノの先生に知ってほしい 乳幼児の発達とレッスン~3歳・4歳の指導法~ [単行本]
石黒 加須美
ヤマハミュージックメディア
2014-02-28