【ピアノ指導法4】中央ド・ポジションのデメリット
【中央ド・ポジションのデメリット】
前回、私が「中央ド・ポジション」の教材を使っている3つの理由についてお話いたしました。
今回は「中央ド・ポジション」のデメリットについてお話したいと思います。
デメリットと申し上げましたが、どの教材にも得意・不得意がございます。
足りない部分については、他の教材や自作のプリントを使うなどして補っております。
例えば
この教材ではハーモニーについて学ぶ。
この教材ではリズムについて学ぶ。
この教材ではテクニックの強化をはかる。
などです。
ですので、今回は「中央ド・ポジション」のデメリットについて書きますが、使い方によってはそのデメリットは最小限におさえられます。
さて、お話していきましょう。
「中央ド・ポジション」のデメリット
1. 和音を弾くまでに時間がかかる。
2. ユニゾンの練習ができない。
【デメリット1について】
左手をドシラソファの位置に置いているため、「ドミソ」や「シファソ」が出てくるまで時間がかかります。
例えば「ピアノランド」で初めて三和音が出てくるのは3巻になってからです。
3巻以降も、十分な量ではないと思います。
先生が連弾で豊かなハーモニーを弾いておりますので、「耳」からはたくさんの響きを聴くことができますが、実際に生徒さん自身が三和音を弾くまでには相当な時間がかかります。
そのため、他の教材で補完する必要があると思います。
【デメリット2】
左右違う音を使うので、ユニゾンはしばらく出てきません。
これは指使いの問題が出てきます。
左手で「ドシラソファ」と下降する音型に慣れるので、左手で「ドレミファソ」と弾く頃になっても、頭の切り替えができず、12345の指の順番で「ソファミレド」となってしまう子もいます。
これは導入の時からきちんと音名で歌いながら弾くなどして、「指番号を見て弾く」ではなく
「音符を読んで弾く」習慣をつけていかなくては
ならないと思います。
このように「中央ド・ポジション」にはメリットだけではなくデメリットもございますので、それを補えるように様々な教材研究が必要になってきます。
(これは中央ド・ポジションに限らずどの教材を使っていても必要ですが…)
次回から、具体的に「中央ド・ポジション」の教材をあげて特徴や使い方などを書いていきます。
ピアノランド(1) せんせいといっしょにうたってひける [楽譜]
樹原 涼子
音楽之友社
1991-02
ヤマハミュージックメディア
2014-01-28