子供の脳出血 息子の闘病記 そして4回目の出血 #17
最初の出血から3か月。最初は微量の出血・・・そして大出血。
2回目はあの世に行きかけた・・・2回目のガンマナイフを受けるにしても
一般的には再出血のリスクはほとんどない時期だった。
なぜ、出血したのか?
息子は痛みに対して、非常に敏感になっていたし、とても怖がっていた。
状況的に怖くなると、パニックになり興奮状態になる。つまり血圧が爆発的に上がるということか。起こっても仕方がなかったのかもしれない。
体は大きく、大人並みの姿かたちなので大人と同じような扱いに耐えられると判断したのだろう・・・
でも、以前教授が「重篤な危機にはならないと思う」と話してくれたように、確かに重篤な危機にはならず、意識も戻り3日でICUからでられた。
同じように背中と頭の痛み、取水制限、高熱、最初の時と同じ経過をたどる。脳室内を通って出血して血液が脳外へ流れるという。
落ち着いているのが救いだった。
2週間たち、退院がみえたころ、お菓子を食べていた時、「あ・・・」
「どうしたの?」
「おかしい・・痛い・・・看護婦さん呼んで・・・」
「出血?」
「たぶん・・・でもそんなのないよ・・・絶対に嘘だ・・」
ナースコールをして、CTを撮るようにお願いする。検査室で呼ばれると、「再出血ですね・・・」
息子は検査室でたくさん泣いていた。「なんで??なんでなんだよ・・」
付き添った看護師さんも一緒に泣いていた。ショックが大きい。これで4回目。
落ち着くと、息子は先生に「先生、意識もあるからICUに入りたくない。病室でいいよね?」と懇願していた。
担当の看護師さんもしっかり管理するから病室に戻してほしいと頼んでくれた。
「わかった。いいよ・・病室に戻って」
せっかく2週間過ぎたのに、また振り出しに戻る。
主治医の先生に「先生、こんなことで出血するなんて、これからどうやって生きていけばいいの?」
「こんなことはいままでにない・・・少量でも出血は出血・・いいわけないんだ」苦悩していました。
私は途方に暮れ、主人も言葉を失い、これから先のことなど考えられなくなった。それでも、息子は「大丈夫だから」という。
そうだね。大丈夫だよ。必ず治るんだものね。大丈夫だよ。