あいみょん / 青春のエキサイトメントが好きすぎるので全曲について語る
このアルバムを聴くと、全曲高校生の時に聴いておきたかった以外の感情を失い、苦しい。
青春時代の繊細な気持ちや不安感を全てすくい上げている曲だと思う。怖いもの知らずで、不安定で、真っ直ぐで、失われた思春期、尊い青春を忘れたくないと思い、何回も聴いてしまう。
あまりに青春すぎるため、高校の時に聴きたかった度に応じて全曲について感想を書きたい。順番はアルバムの曲順にならっている。
念のため補足だが、全て素晴らしい曲であり、高校生の時に聴きたかったという尺度のみで勝手気ままに喋っていることをご了承頂きたい。
指標の意味
★ 高校の時に絶対聴きたかった
☆ 大学の時に聴きたい
◎ 普遍的すぎる
1. ★憧れてきたんだ
憧れというのは強い感情だ。
私が知ってるロックスター、スーパーエンタテイナー、ナイスガイなアクター、憧れてきたと歌う。ギターの一定のメロディーとともに語られ、印象に残るし強い意思を感じ取れる。
高校生は自我や責任が曖昧ななか、将来を決める重要な決断をする。何を判断基準にするか、親?先生?世間体?その中に憧れもあっていいはずだ、と思い高校生の時に聴きたかった。
2. ◎生きていたんだよな
自殺した少女に想いを馳せて歌ったものと思われる。尾崎豊のダンスホールという名曲を想起した。ディスコから連れ出された少女が殺された実際の事件を基にした歌。
死を受け止める感受性に心打たれる。迷わず普遍的カテゴリーとしたい。
3. ☆君はロックなんか聴かない
君はロック「なんか」聴かない、好きな人の前では自分が好きなものすら卑下してしまう、ちょっと悲しいけど純粋な心に胸を打つ。
君はロックなんか聴かないと思いながら
少しでも僕に近づいて欲しくて
自分が好きなものを相手も好きとは限らない、お互いを尊重しあう、もどかしい距離を楽しむ。大学生くらいで色々な人に会って仲を深める中で聴いたらグッときそうな曲だと思う。
4. ☆マトリョーシカ
マトリョーシカは中から次々と小マトリョーシカがでてくることから、本当の自分を探し続けるという激えもテーマについての歌だと思う。
キラキラに光る何かが欲しかった
わたしはそれでも愛されたかった
自分探しは禁断のテーマだ。大学生くらいにこの好奇心はピークに達すると思われ☆とした。
5. ☆ふたりの世界
行ってきますのキス おかえりなさいのハグ
柔らかなメロディーとともに始まる。同棲カップルの甘い時間のことを思い起こす。あるのかわからないけど、曲に透明感がある。
いつになったら私のことを
嫌いになってくれるかな
なんて無責任なこともいう。危うくて好き。大学生の半同棲とかにイメージが近いと思うので、☆とした。
6. ★いつまでも
「死んだ友達がさ」って語れば売れんのか
クソみたいな世界について歌うもの。尖ってるし青くさく、非常にしびれる。この燃え盛った気持ちいつまでも忘れないぞ、という歌だと思われる。
理想と現実との間に挟まれて苦しむなんていまはあんまりなく、どんなことも大体そんなものかと受け入れがちになってしまった。つまり結構丸くなってしまった。高校生の時に聴いて激しく同感したかった。よって★としたい。
7. ◎愛を伝えたいだとか
全体的にかっこいいし、セクシーだ。
が、よくよく歌詞を聴くと結構崩壊してる。僕に愛される気あんの?といって強気かと思えば、愛とか知らんし切ないしかもう嫌だ、とか言ったりする。
恋は支離滅裂論理を生成しがちだと思い、これは普遍的と考え◎とした。
8. ★風のささやき
このまま朝が来なけりゃいいのに
うずくまってる真っ暗な布団の中で
たぶん、この子は不登校とか、うつとか、メンヘラという特徴を持ってる。世界の何も信用しておらず、クソがとかふざけんなとかぶん殴ってやるとか言う。風のささやきすら耳障りと言う。でも悲観はしてない。この子は自分を信じて、自分の居場所を探し続けていると思われる。思春期を思い出して苦しい。よって、★とする。
9. ◎RING DING
ため息は酸素の無駄遣いさ
どうせなら楽しい話をしよう
という最強リリックから始まる。ポップで明るくて、そっと応援歌みたい。進路で悩む高校生、人間関係におびえる大学生、仕事にもプライベートにも若干疲れた社会人、あらゆる世代の情景が浮かぶため◎とした。
10. ★ジェニファー
今にも溢れそうな雲は
まるで僕たちのようだね
壮大なメロディーと歌詞から始まる。
さよならを言わないでジェニファー
いまもまだ覚えてる
ジェニファーって最後までなんなのかわからない。けどこの歌を聴くと、夕暮れ、海とか見ながら制服着た子たちが黄昏る情景が目に浮かぶ。この子達は大いなる可能性に溢れてるため★としたい。
11. ★漂白
10代のうちに ひとを何人愛せるかな
これを10代の時に聴かずいつ聴くのか。10代で愛するという表現を使うのがたまらない。切ない恋、この町で愛することを覚えた、そしてこの子はその思い出を洗い流す。
また会いにきてね
ばかばかしいほどにわたしは恋をしていたわ
恋と愛って両立できるのではないか、そんな可能性を提唱している青春の名曲と言いたい。
さいごに
集計結果は以下の通りである。
★ 高校の時に絶対聴きたかった:5曲
憧れてきたんだ、いつまでも、風のささやき、ジェニファー、漂白
☆ 大学の時に聴きたい:3曲
君はロックなんか聴かない、マトリョーシカ、ふたりの世界
◎ 普遍的すぎる:3曲
生きていたいんだよな、愛を伝えたいだとか、RING DING
ふとウィキペディアを調べたところ、なんとあいみょんさんは同い年だった。もしわたしの生まれる日が延期になり、タイミングよく高校生のときにこのアルバムを聴いてしまっていたら、、、、あとは想像に難くない。