夫の入院の一部始終⑥
ずいぶんと昔のTVドラマで
NIGHT HEADというのがあった。
豊川悦司と武田真治が兄弟で超能力者という設定のもの。
毎回、
人の脳の70%は使われていない
といった内容のナレーションが入っていた。
担当医や看護師、リハビリの作業療法士、社会福祉士などのメンバーと
月に一度リハビリに関する実施計画についての面談を行うのだが、
その際に担当医が
脳梗塞などで機能障害があっても
脳の他の部分が代わりに機能を補うことがあるのだと教えてくださった。
せき髄などの損傷だとそうはいかないみたいだが、
脳の場合はそういうことがあるらしい。
その話を聞いたときに、
昔TVで見たNIGHT HEADを思い出していた。
ある日、
夫と筆談(LINEでの会話w)をしていたときに
…そう…なんだよねぇ…
と、夫が言った。
まあ、かなり小さな囁き声だったのだが。
いま喋ったよね!
というと、
夫は笑顔を浮かべた。
たまにそういうことがあるらしい。
凄い!喋れるようになってきた。
頭の中にスイッチのようなものがあり、
そこがONになるタイミングが増えてきた感じだろうか。
その後はみるみるうちに喋るようになった。
時折、吃音のように言葉が出にくい時もあるが、
声も出るようになってきた。
コミュニケーションの手段として、
言いたいことを頭の中で文章に変換してLINEで入力するより
思うまま喋ってしまうほうが楽なのは確かである。
夫曰く
喋れるようになったきっかけは、
TVで見たお笑いの番組だったらしい。
笑いの可能性は無限だなと、
心から感謝している。
いろんな情報や刺激を糧に、
どんどん回復している。
病に倒れる前の夫の姿に近づいてきている。
ここまでくると、
退院の話も出るようになった。
義母の四十九日に合わせて、
一泊二日の外泊が許された。
自宅で過ごしてみて、
問題点などが無いかどうかチェックしなくてはならない。
⑦に続きますよー