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2023の新コース【osj奥久慈トレイル50kレースレポ】鬼畜すぎた
2023年5月28日(日)
osj奥久慈トレイル50kの部に参加してきました。
50kと言いつつ距離は60kmくらいある上に、難関と言われているレース。去年もカナリしんどかったけど、今年はコースが変わり距離は3km、累積は1000m増。その上制限時間はたったの+30分の14時間半。
始まる前からドS感満載。
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予想完走率も30%を切るのでは?という前評判。
何度か試走も行き、筑波6発で仕上げをし、1週間はひたすら疲労を抜き。やれることは全部やって、「とにかく完走」という目標で行ってきました。
<レース前日>
今年の50kは竜神大吊橋がスタートゴール。受付もここ。
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カンフー先生の整体を受けて、ニューハレのブースでまたまた近江くんにテーピングを貼ってもらう。今回は初めて腰にも貼ってもらったんだけど、貼った直後からめちゃ楽になりました。
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受付を済ませたら、友達とみんなで明日のタイムチャートの話をしたり談笑してリラックス。総合優勝を狙う人、攻め攻めのタイムチャートを作る人、制限ギリギリで完走を目指す人など様々。
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夜は翌日の準備をしたり作戦を立てながらしっかりアルコールローディングして22時過ぎに就寝。
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<装備や携行品など>
予報では晴れ時々曇り、最高気温は25度くらいで、暑かった去年より走りやすそうなコンディション。
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装備はこんな感じ。
ベースレイヤーに上下ウエア、グローブ、ヘッドバンド、サングラス。シューズはレース用のsportiva helios3。最後に脚が終わってしまった時に出番あるかも?と思って一応ポールも装着。あとは救急セット、コイン、虫除けバンド、冷タオル、ヘッドライトなど。
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補給は固形8つ、ジェル7つ、攣り止めの漢方、アミノ酸、ロキソニン、胃薬、
飲む日焼け止め。水にはパラチノースとクエン酸入りのアミノバイタルを溶かしておきました。
<レース当日〜スタート前>
当日は3時に起床。
宿のお母さんが作っておいてくれたおにぎり2つを食べながら身支度をして、お守りの正露丸を飲んで、レース会場の竜神大吊橋に4時過ぎに到着。
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今回は17kmの第一関門の制限が3時間半。序盤のシングルトラックで渋滞にハマると絶対間に合わないとわかっていたので、トイレを済ませて早々にスタートゲートの前方に整列。
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スタート30分前に、アミノバイタルと芍薬甘草湯、飲む日焼け止めを飲んで準備万端!
62km、楽しむぞー!
<いざスタート。ここが一番大事〜9kmエイドステーション・湯沢峡>
5時30分に一斉にスタート。最初の4km弱のロード区間は流れに乗ってキロ4分台で走り、トレイルへ。ここから軽く渋滞するかと思いきや、そもそも速い人たちのゾーンに入ってしまった為、あまり渋滞しないまま進む予想外の展開にw
渡渉や岩場もありテクニカルなトレイルだけど、第一関門を余裕もってクリアするために、ここは苦しくてもペースはやや上げ気味で。心拍上げてる上に湿気があるからか、序盤から大量に汗をかき、水がぶ飲み。この後最後までがぶ飲みすることになります。
周りに迷惑かけない程度に頑張りながら、第一エイドの湯沢峡に到着!水分だけ満タンに補給してすぐにスタート
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<ロード&男体山トレイル〜17km第一関門・持方集落>
第一エイドを予定より30分早く通過できたので、ここからはペースを少し落として進む。周りは相変わらずのハイペースで抜かれまくるけど、焦らず我慢。
ヒーヒー言いながら男体山のピークへ。今回のレースの最高地点だけど630mしかないですwそれでもレースの累積4500m超えか…と思うと恐ろしいから、なるべく考えるのは辞めました…
そうこうして第一関門の持方集落に到着。
こちらも制限時間より35分前に通過できたので一安心。レース前1週間レストして食べまくったカロリーを消費するというミッションもあるので、ここで3時間半で終わらせるわけにはいきませんw
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<転倒&出血でDNFの危機〜24kmエイドステーション・袋田駐車場>
持方を出発してトレイルに入ると、すぐに30kの部とのすれ違い区間に突入。これがまぁまぁ狭いトレイルでのすれ違いになるので、危ないところはお互い譲り合いながら。
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そして悲劇は20kmあたりで起きました。
ツルツル滑る岩のところに新しいロープが張ってあったのですが、それを片手で掴んだ瞬間にロープが滑り咄嗟に両手で掴んでしまい、そのままクルンと回転、胸と左肘を岩に思いきり強打。
呼吸がしばらくできなくなり、肘は激痛、がっつり出血。。
あー。。やっちまった…
息できないし立つと気持ち悪くすぐ横に避けて暫くうずくまり、とりあえず水で洗ってガーゼテープを貼って応急処置。ここで10分ほどロス。立ち上がって走り始めるけど、肘と腕が痛みと痺れで曲げられない上に走ると過呼吸みたいになるから、とりあえずゆっくりトボトボ歩く…
残り40km以上あるのに、こんな痛いんじゃ無理かもしれない。終わった…と半泣き。
けど、歩いて数分していたら、呼吸は少しずつ戻ってくる。肋骨は折れてないし、使えないのは左手だけだし。頑張ればなんとかなるかも?と気持ちを立て直し続行することに。
とりあえずロキソニンをキメて次の袋田エイドの救護を目指して走る。←この辺りはテンパってるのと痛いのとで記憶喪失w
袋田に到着して、救護で傷を見てもらい、応急処置。脚がやられてるわけじゃないし最後まで行く!と決めて出発。痛みが軽くなるわけじゃないけど、プロの人に一度手当してもらうだけで心強くて、ありがたかったです…
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<脚を削られまくるデビル5マイル〜32km第二関門・月待の滝>
この後が、今回の新コースに登場するデビル5マイルと呼ばれる新しい区間。
試走で走った時は、デビルっていうほどヤバくないやん?なんて思っていましたが、レースで走ってみたら、まぁーーーキツい。。。無限に小刻みに続くアップダウン。登りは急だし長いし…終わったか…?!と思ったらまだあるし。
降りはとにかく疲れてる脚では降りづらすぎる。しかも左手が使えないから、バランスも取りづらい。咄嗟に左手で木とかを掴むと激痛が走るので、右手のみでバランスをとる。結果的に脚をかなり削られる…
芍薬甘草湯とアミノサウルス投下してなんとか凌ぎました。
この日はサーフェスのコンディション良かったからマシだったけど、雨が降ってたら地獄確定です。
けど、この区間は辛いながらも前半に抜かされた人たちをちょこちょこ抜き返す場面に。無理ないけど悪くないペースでいけてることを確認できたので、メンタル的には良かった…
そんなこんなで、第二関門の月待ちの滝に到着!
腕は出血止まらず手当したテーピングに血が滲んでたけど、滴り落ちるレベルではなかったので無視して続行w
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<ダラダラ続くロード区間〜40kmエイドステーション・袋田駐車場>
ここからは暫くロード区間。
次のセクションが結構エグいのがわかっていたので、緩やかに登ってるところは無理せず歩き、平坦と下りのみ力を抜いてジョグを繰り返す。左手は腕振りができないので、変な走り方してたと思いますw
この日は曇りだったので良かったけど、かんかん照りの日だったらこの区間は暑さでやられてへばっていたかも。
単調なロードからのトレイルは淡々と進んで袋田のエイドに再び戻ってくることができました!ここでは15時を過ぎていたので、ライトの点灯チェックを済ませて出発。
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<地獄の無限階段〜48km第三関門・持方集落>
袋田を出発したら、40km走ってきた脚には辛すぎる階段地獄の刑。。
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袋田の滝の脇の、こんな感じの急な階段がひたすら続く…階段終わったと思ってもまだ続く。。止まったりうずくまったりしている人続出。
わかる、わかるよその気持ち。。
とはいえ、無理ないペースでいけば登れたので淡々とクリア、そのあとのトレイルも急登が続くけど、前半のデビルよりマシ!私は後半元気になるパターンが多いので、無心で登り無事に持方集落に到着。トイレに一度行ってすぐ出発。
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<ここまで来たらほぼ大丈夫〜53k最終関門・湯沢峡>
次のエイドが最終関門。ゴールまでの残りの距離はあと14km。制限時間を逆算しても、ここまで来れば完走が見えてきた〜!
とはいえ次のエイドの後の9kmがえげつないので、まだ気を抜かずにペースは上げ過ぎず。脚が疲れてきているので、降りで転倒しないように慎重に、けどリズムよく走れました。前半に抜かされた人々をどんどん回収。
この辺りで、最初のロキソニンを飲んで4時間ほど経っていたので2錠目をキメて、最後の関門、湯沢峡に到着。
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<最後のトレイル区間、狂ってるよね?〜61kmゴール地点・竜神大吊橋>
湯沢峡の通過が16時25分ごろ。
残り9kmはどんなにバテにバテても3時間。
うん、絶対間に合う!
しかし、残りの9kmがマジで進まないw
前半に通ってきたところを帰ってるんだけど、こんなとこやらせるの?ってくらいサバイバルな岩場や渡渉(もはや沢登り)だらけ…50km以上走ってきてこの仕打ちって、鬼畜すぎる〜〜〜!
登りがキツ過ぎて、もう終盤だったけどここでおにぎり1つと羊羹とジェル、アミノサウルスと芍薬甘草湯を一気に投下。持ってるアイテムの全てを使ってラスボスに立ち向かう感じでした。
10時間以上走ってきてもまだまだ食べれる私。胃腸強くて良かった。
この区間のために前半は温存してきたので、ゆっくりでも止まらずに登り続けました。ここでやられる人多かっただろうな…
鎖場など両手を使いたい場面もあるけど、右手のみでなんとかこなしながら、降り区間に。今まで腕が痛過ぎて、逆に脚の辛さに気を取られずに済んでいたのが幸いして、脚がまだ残ってる!という感覚もあり、無理はしないけどテンポよく降る。そうこうしていたら、少し前方に女子選手を発見しついついペースアップ。
そしてついにロード区間に…!木々の影からちらりと竜神大吊橋が見えて、あぁ、ようやく戻ってきたんだ…と泣けてくる…
約3kmのロード区間では走りながらリップを塗り直す余裕もありw
とはいえ最後は吊橋に続く階段をガッツリ登らされます(奥久慈らしいの、こういうとこな。)
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ようやくゴールゲートが見えてきて、竜神大吊橋を走ってフィニッシュ!
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<痛み耐性、胃腸、メンタルの強さを発揮したレース>
距離61.8km 累積4801m 12時間44分52秒
女子総合4位
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制限時間より1時間15分早く、明るいうちに帰ってくることができました!
そして、女子総合4位のおまけつき。
今回は、多少の痛さくらいでは絶対にやめないぞ!という気持ちがないと完走できない。と思ってスタートしたので、怪我しても最後まで諦めずに走り続けて本当に良かった。
自分なりにやってきた練習の成果と、持ち前の痛み耐性&メンタルの強さを発揮できたレースとなりました。
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それにしても、今回の奥久慈は間違いなく過去一強度の高いレースでした…
完走率は36%だったそう。
心折ってくるポイント多すぎるし、最後の最後までしつこく脚を削りに削ってくるし、関門もそこそこ厳しい。天気などのコンディションが良かったから完走できたものの、雨とか気温の高い日だったらかなり危なかったと思います。
強度が高かったせいか、補給も食べまくり。
おにぎり5、すあま1、安納芋羊羹1、ジェル5、
エイドでカボチャのおやき2、チョコ2、梅干し4、塩タブ4、お味噌汁。
汗も大量にかいたので水分は6ℓ以上。攣り対策の芍薬甘草湯は3包。
かなり食べましたが胃腸トラブルはなし!
丈夫な胃袋に産んでくれた両親に感謝です。
<怪我のその後>
レース翌朝は、アドレナリンとロキソニンが切れて寝不足なのに激痛で朝5時に目覚めてのたうちまわり、半泣きで病院へ。
かなり深く切れてて中がポケット状になってしまい、そこに砂利がたくさん入り込んでいたようで、麻酔して砂利を出して傷口を縫い。。レントゲンで見てもヒビが入っているか微妙なところなので、ひとまず固定して様子見することに。
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まぁ、とりあえず右手じゃなくて良かったと前向きに!
そして、あんなに辛くて痛かったのに、楽しかったし来年も出たいなぁ。と思っている自分。私はやっぱり、テクニカルなミドルのトレイルがタイプのようです♡
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