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生産性の下げ方シリーズ始めます。
生産性とは投入をゼロにすることなのか?
生産性といった言葉が日常で語られるようになって久しい。しかし、我々はその意味を本当に理解しようとしているだろうか?
ブリタニカ国際大百科事典は、生産性とは「生産過程における生産諸要素の有効利用の度合い」と説明する。つまり成果÷投入量の比率のことであり、それ自身にはポジティブもネガティブもない。あくまでニュートラルな言葉である。
しかし一般的な意味合いとしては本来の意味とは離れ、投入量の削減を意味する場面が頻繁に見受けられる。効率を改善することは重要だが、ゼロからは何も生み出すことはできない。この視点が抜け落ちている。
みんな大好き生産性。もちろん私も。
また、生産性を語る人物の幅の広さも問題を複雑にしている。
個人に着目すれば「1時間あたりに仕事をした量」といった視点で測られる。
一方で、工場や飲食店や小売業といったサービス産業の現場に目を向ければ「人時」と売上高/成果を組み合わせた「労働生産性」と呼ばれる尺度で評価される。
そうかと思えば、組織全体・会社全体で俯瞰すれば、営業キャッシュフローマージン、純利益率、自己資本利益率、そしてEPSを始めとした「会計数値÷別の数値」といった指標が重要視される。
そして日本の首相は、生産性が諸外国と比較して低い、として批判されるのである。(結論から先に述べるが、日本の生産性の低さは労働力の減少に起因している。決して、技術革新の遅さや現首相が原因とは言い切れない。そもそも政治が不安定であることが生産性を下げる要因のひとつである。)
このように生産性といった3文字は地球上すべての個人・法人にとって異なる意味を有しており、それをちゃんぽんにして語ろうなどということが端から無理なことなのである。
記事はこれから作っていきます
この一連の記事が究極的な目的とするところは、お読みいただいた全ての方が次の2点を実現できることにある。
1.生産性とは何を意味するのかを正確に理解する
2.最も生産性の高い選択肢を適切な場面・機会で決断できる
そして、その手法として一般的に語られる生産性の上げ方を焼き直しするものではなく、その下げ方を把握することで達成したいと考えている。それも各々の立場に応じて適切な分野の知見を引用することで、より効果的に生産性を下げることができるよう工夫している。
全ての方にとって少しでも生産性理解、そして本当の意味での生産性向上への一助となれば幸いである。